HR・組織領域を支援するピープルアンドデザインを設立しました
本日、グッドパッチの新たなHR支援領域の子会社「株式会社ピープルアンドデザイン」の設立を発表しました。ピープルアンドデザイン社はグッドパッチとPeopleX社のジョイントベンチャーになります。本日はこのピープルアンドデザインの設立の背景について少しだけ書きたいと思います。
組織崩壊ブログから分かった組織に悩む人の多さ
今回、HR組織領域に事業領域を広げていくことの原点になるエピソードは、グッドパッチが2016年に経験した組織崩壊です。ご存知の方もいるとは思いますが、グッドパッチという会社は2016年に100人の組織になったばかりのタイミングで組織崩壊が起こり、2年間離職率40%という辛い状況を経験しました。
その状況から復活するまでの過程を描いたブログをnoteに記しました。
このブログはなんともう5年半以上も前のまあまあ遠い昔の記録なのですが、当時大きな反響が出まして、その後しばらくの間あらゆるイベントや記事で取り上げられることになりました。あまりにも長いこと組織崩壊のネタを引きずられたので会社のPR方針として、ここ数年は積極的に組織崩壊の文脈では出さないようにしていました。
しかし、5年間僕のブログは読まれ続け、毎年いいねの数は増え続けました。定期的に組織崩壊ブログを見た若手起業家が相談に来ることも多くあり、それだけ、同じような境遇に悩む人が多いということ感じていました。
事業と組織は両輪
グッドパッチは普段企業の新規事業支援や既存事業のUX改善などの事業側の支援をするプロジェクトが多いのですが、クライアントが事業側に課題があると思っていても、蓋を開けてみると組織に問題があることが多く、事業と組織両方の支援になるケースを数多く経験してきました。
特にこの3年は丸井グループの組織変革にも密接に関わるようになり、ジョイントベンチャーのMutureの設立から始まり、僕自身も丸井グループのCDXOとして経営戦略から人材戦略会議にも入り、組織へのアプローチから企業の変革に関わるようになってきました。
グッドパッチでこの5年さまざまなクライアントに関わってくる中で、事業側の変革が進まなかったり、事業スピードが落ちる要因に組織の根詰まりのような事が起こっているケースが数多くあり、いつしか組織の領域はグッドパッチで事業として切り出してやりたいという思いが湧いてきました。
ただ、グッドパッチの冠だとどうしてもデザイン会社という看板があり、真っすぐに組織変革の支援の依頼が来ることはなかなかないので、ブランドを分けてやろうと決め、昨年から人・組織領域の知見のある人材の採用を進めて準備をしていました。
PeopleX社との出会い
今年の春に弁護士ドットコムでクラウドサインを成長させた橘さんがPeopleXを立ち上げるというニュースを見て、PeopleXがやることに興味が湧き連絡しました。
というのも、PeopleXが開発をしているPeopleWorkが昔グッドパッチ社内の新規事業として開発していたプロダクトに似ている要素があったからです。その新規事業はPeopleWorkとは違う市場を狙っていたものだったのですが残念ながら継続投資が獲得できず、事業化まで至りませんでした。なので、近い思想を持ったPeopleWorkに興味を持ち連絡をしたというのが事の始まりです。
4月の始めに最初のMTGで橘さんと話した時に、今回のJVのアイデアが出て来ました。橘さんはクラウドサイン時代にSMBCクラウドサインというJVを作り、それが成功体験になっているようで、SaaSを絡めたJVのスキームには自信があるようでした。
我々も元々HR領域で事業をやる準備をしていたし、PeopleWorkのプロダクトの思想が非常に共感するものだったので、JVの方向で話がトントン拍子で進んでいきました。
グッドパッチで大事にしているPeople Experience
今回のJVの重要な考え方の基になっているのが、グッドパッチで大事にしているPX(People Experience)という概念です。組織崩壊を経て、グッドパッチでは社員一人ひとりの体験、そして社員だけではなく顧客やパートナー、将来の仲間、そして卒業していった仲間、あらゆるステークホルダーに向き合い、1人の人として捉えて体験を考えていくという考え方を発展させてきました。社内にPXの担当がおり、さまざまなカルチャー施策に向き合っています。
このPeople Experienceを向上させることで、社員のエンゲージメントの向上のみならず、採用力の向上にも繋がりますし、ひいてはコーポレートのブランド力の向上にも大きく影響してきます。
今回のピープルアンドデザインは今後このPXをメソッド化し、さまざまな課題に対応するソリューションを作って行きたいと思っています。
愛される組織を増やすというビジョン
今回のピープルアンドデザインの設立に当たって掲げたビジョンが「愛される組織を社会に増やす」ミッションが「人と組織の信頼をデザインする」でした。
日本企業の仕事への熱意や職場への愛着が強い「エンゲージしている従業員」の割合の低さはあらゆるメディアで繰り返し話題になります。
人口減少で働き手が少なくなる日本社会で、企業と従業員の信頼関係が構築できず、エンゲージメントが低い状況が続くというのは、国力の低下に直結します。
僕が働き始めた約20年前と比べると労使の関係は大きく変化したと思います。20年前はどう考えても企業の方に力がありました。しかし、労働環境の変化やさまざまな事件によって、働き方の自由度も広がり、転職も当たり前になり、副業や複業の選択肢も広がりました。
そして、明らかに労働力不足の状況が拡大する中で、企業は労働者に選ばれるような取り組みをしていかないといけません。
こんな時代に必要なのは合理的な理由で選ばれるのではなく、感情・情緒的な価値で選ばれ、「愛される企業」になる事だと思います。
企業ブランドとしても愛される企業は沢山あります。僕もAppleやPixar、日本企業だとソニー、任天堂、リクルート、サイバーエージェントなど好きな企業が数多くあります。
そういった愛される企業の共通点の一つには、「過去大きな苦境や失敗を乗り越えたストーリーがある」というものがあると思います。
完璧な人間が必ずしも愛されるかと言うとそうではなく、どこか欠けている人や失敗をした事がある人の方が愛されたりしますよね?
企業も同じだと思っていて、完璧な経営をされている企業はありませんし、課題のない組織も存在しません。そんな欠けている状態さえ、愛くるしい、欠けているからこそ自分達でなんとかしようと思える人材が沢山いる会社の方が強いと思いませんか?
そんな愛される組織をもっと世の中に増やす。そんな会社になるお手伝いをする。これをピープルアンドデザインのビジョンとして掲げました。
色々言ってきましたが、ピープルアンドデザインの立ち上げメンバー大募集してます!
ここまで読んでくれた皆様ありがとうございます!
今回のピープルアンドデザインは私自身が代表を務め、グッドパッチからも人材が関わりますし、PeopleX社からは数々の企業のCHROを経験された勝村さんが役員として関わり、ゼロから組織を作って行きます。
勝村さんと働けるのはとても良い成長機会になると思いますし、今回はゼロイチの会社立ち上げなので、こういったフェーズに関わりたい方は大歓迎です!ちなみにピープルアンドデザインの経営幹部(COO)候補も募集しています。
「PXデザイン」「組織 ✕ デザイン」「愛される組織を増やす」
「採用体験」「従業員体験」「採用ブランディング」など
上記のキーワードにピンときた人はぜひ一度お話させてください!
ウェビナーも開催します!
PeopleXの橘さんと今回のジョイントベンチャー立ち上げの裏側もお話するのでぜひご参加ください!