#22 制作物よりもむしろインタビューのほうが
8月29日(火)
5時半過ぎに家を出て6kmの朝ラン。
日中はまだまだ暑いけど、朝と夕方は少しずつ秋を感じる。100円ショップにハロウィングッズが並んでいるのを見ると、せき立てられるような気がするけれど、自分の肌で感じる季節の変化は嬉しい。
午前中は外出の予定がないので、洗濯を2回する。暗くなってから帰宅する働き方をしていたときは、平日にシーツを洗うことなど考えられなかったので、これがたまらなく幸せを感じる瞬間。元教員の女性にインタビューをしたときには、やはり同じことを言っていた。
午後、いちばん暑いだろう時間に、自転車を押しながら20分ほど歩く。タイヤがパンクしたので、駅の反対側にある自転車屋を目指す。(家からいちばん近かった自転車屋はいつの間にか整形外科になっていた。)全くアシストしてくれない電動アシスト自転車は、とにかく重い。両手が塞がっているので、日傘もさせやしない。
前輪、後輪ともにチューブ交換することになり、お値段10600円。
汗がひかないので、2階の喫茶店で休憩。メロンサンデーを食べる。
今年はあまりスイカを食べなかったな。プールで泳ぐ、花火をする、畳の部屋で昼寝する、ビアガーデンに行くなど夏らしいことは結構したのだけれど。
8月31日(木)
最寄駅のデニーズで、手描き人生マップのインタビュー。
金融関係の仕事をしていたが早期退職し、リスタートした男性の人生マップを描かせてもらう。
お金の話もいろいろ。わたしが退職したときは貯金がいくらで、退職金はいくらで……という話など聞いてもらう。
最近は対面でしかインタビューをしていない。遠方に住む場合などZoomでやっていた時期もあるけれど、相手の接続デバイスやWi-Fiの安定度はこちらではどうにもできず、音声が途切れながらのインタビューにストレスを感じるようになってしまった。相手からしても、何度も訊き返されると話の流れを切られるようで不快だろうし、わたしも話が聞き取れず曖昧な部分を抱えたまま先へと話を進めてしまい、後からもやもやすることが多かった。
もうしばらくは、直接会える人からじっくり話を聞かせてもらうスタイルでやっていこうと考えている。
遠くても、会いに行ける体力があるうちはインタビューに出かけていきたい。
夜は近所の花屋で、多肉植物の寄せ植えワークショップに参加した。
夜の動物園や水族館も昼間とは違った雰囲気だが、夜の花屋というのもなかなか珍しい。キャンドルがたくさん灯されて、だんだんと日が暮れていく。
ワークショップ終了後は食事も出た。テーブルがセッティングされると花屋とは思えないような空間になっており、ワイン、フードボックス、コーヒー、スイーツなど楽しめた。
コーヒーを提供してくれたのは、以前人生マップを描かせてもらったことのあるサザナミコーヒーの沢田さん。
他の参加者の前で「ナオエダさんのインタビュー、今まででいちばんよかったんですよ」と言ってもらった。キャンドルナイトいちばんのご褒美の言葉。
手描き人生マップの価値は、できあがった制作物よりもむしろインタビューの時間そのものにあると思っているので、インタビューの感想を聞かせてもらうことが何よりも嬉しい。
珍しく夜にカフェインを摂ったので、なかなか寝付けず。
9月1日(金)
防災の日。バイト先のカフェの隣の学童クラブでも避難訓練をやっている。
そういえば、市教委で働いていたとき、市内全ての小中学校の防災計画を点検するという業務があった。
避難訓練の計画、災害発生時の態勢、風水害への基本的な対応、保護者への引き渡しルールなどなど。1校ずつの冊子を読み込むが、これが本当に正しいのかよく分からない。ちょうど大川小の高裁判決が出た年だったこともあり、もしも重大な見落としがあれば責任を問われるのかと思うと、気が重い仕事だった。
わたしは今、誰の命も預かっていないなぁと思う。
子育てもしていない。介護もしていない。怪我の心配をしないといけないような、目が離せない年齢の子どもとも関わっていない。ペットも飼っていない。
自分のことだけを考えていればよい日々はとても気楽。