今ここから飛び発つ君ら
夏の様相を呈してきましたね。朝はまだ涼しいのでを散歩していると、川面に小さな輪が重なり合うように広がっています。近づいて見ると蜻蛉達が水面近くで羽化するのを小魚が競うように食べ、引き起こす波の輪だったのです。そしてその小さな輪の中心から傍観する私の目の先を頼りなげな、か細い線が上へと描かれてゆきました。その先にいたのは小さな飛ぶ虫。危機を脱した蜻蛉が決然と独り、広い世界に飛び立って行ったのです。これからも君は懸命に生きるのですね。私は、小さなロケット君の行き着く先を気にしつつも、この命の煌めきを俳句にしたいともがいていたのでした。