陰陽学のススメ③…お盆番外編「お盆は溺れるから泳ぐな」 漢字紐解きは「川」
お盆も明日までですね。
陰陽道からちょっと外れてのお盆番外編です。
この数日でも川や海での痛ましい事故がニュースに流れていました。
気をつける以外ないのですが、気をつける元ネタとなることは、皆さんこれまでたいてい耳にしていること。
「お盆は溺れるから泳ぐな」…と、
こんな言葉を聞いた記憶はありませんか?
お盆時期の迷信として、水に近寄ってはいけないというものです。
他に「お盆に海へ行くと幽霊に足を引っ張られる」とか、「川には河童が居て引きずり込まれる」とか。
あ、かっぱはお盆時期だけじゃないか。💦
しかしながら、迷信ではない根拠が意外にもそれなりにあるんですよね。。。
ここでは『十分に気をつけて下さいね!』…という意味での記事です。
迷信でない根拠その①・・・土用波
土用波の原因は、遠洋の大きな台風の影響を受けて発生するうねりなのですが、沖合ではそんなに目立たず、海水浴場のような遠浅の海岸では大きく(高く)現れてきます。
この土用波、一度発生すると数千㎞遠くの海岸まで到達することもあると言われています。
このため、台風が遠方にあり日本に風の影響が出ていない場合でも、海では注意が必要です。
波を見ていなくて、突然に感じる高波に驚き、ひっくり返ったりすると軽くパニックになる可能性がありますし、更にその引き波に引っ張られる可能性もあります。
迷信でない根拠その②・・・離岸流
「海に引っ張られる」と聞いてピンとくる人もいると思いますが、毎年離岸流による水難事故水がたくさん起こっています。
離岸流とは、海岸の波打ち際から沖合に向かってできる流れのことです。
離岸流が発生すれば膝くらいの深さでも巻き込まれて引っ張られてしまうことがあるので、霊に足を引っ張られたかのように感じてしまうのかもしれませんね。
迷信でない根拠その③・・・クラゲ
7月にはまだ生息範囲をそんなに広げてないようなのですが、8月に入ると人が海水浴を楽しんでいるエリアにまで入って来始めることが多くなります。
土用波によって、沖にいるクラゲが海岸付近に来ることも多くなりますし、クラゲに刺されたり、触手にふれるとミミズ腫れを起こしたりアナフィラキシーショックを起こしたりという可能性が。
日本で出くわす毒持ちのクラゲといえば、このあたり…かな。💦
・ミズクラゲ
透明感のある可愛らしい外見で、水族館やペットとしても人気の「ミズクラゲ」
傘の直径は15~30cmで、傘の中に四葉のクローバーのような生殖腺が見えるため「ヨツメクラゲ」とも呼ばれています。
海水浴で最もよく見かけるクラゲですが、刺されてもあまり痛くないので気づかない場合も多いです。
・アンドンクラゲ
名前の通り行灯を思わせるような立方型の傘を持っている電気クラゲ。
4本の触手が伸びていて、触手の長さは20cmほどになります。
刺されるとビリッとした激痛があり、触手が触れた跡が赤くミミズ腫れになります。
大事に至るような症状が出ることはほぼありませんが、ミミズ腫れは数週間残ることも。
・カギノテクラゲ
カギノテクラゲの傘の直径は2㎝ほどで、触手の先端がカギのように折れ曲がっています。
触手は90本以上あり、非常に強い神経毒を持っていて、刺された時はビリっと激痛が走り、その後しばらく(1-2時間くらい)してから全身症状が現れます。
強力な神経毒を持ち、全身の関節痛・呼吸困難・咳・鼻水・筋肉痛・吐き気・頭痛・痙攣・寒気・チアノーゼなどを起こす恐れがあります。
命に関わるまではめったにないようですが、刺されたらすぐに陸にあがらないと危険です。
岩場の海藻などに多いので、不用意に海藻に素手ではさわらないよう注意ですね。
・アカクラゲ
放射状の赤い模様。毒性が強く危険で刺されるとかなり痛いです。アカクラゲの傘の直径は9~15㎝ほどで、触手は長いもので2m以上になることもあります。
触手は長いがちぎれやすく、乾燥した刺糸が空中に舞って、それを吸い込むとクシャミが出ることから、別名「ハクションクラゲ」とも呼ばれています。
刺胞毒を受けるとヤケドに似た痛みが走り、みみず腫れや水疱、時に呼吸困難を引き起こすことがあります。
・カツオノエボシ
きれいなコバルトブルーで気体の入った袋状の組織を持ち、その下に無数の触手を持っている電気クラゲ。
砂浜に打ち上げられているニュースを見たことがあるかと思います。
カツオノエボシに刺されると、全身が電気に打たれたような激痛が走り、炎症を起こして腫れあがって高熱が出る場合もあり、また傷跡がケロイド状態になって何十年も残ることもあります。
痛みも長く続き、二度目に刺されるとアナフィラシキーショックを起こして亡くなる危険性もあります。
カツオノエボシの場合は、海岸に打ち上げられていることが多いため、青いビニール袋のようなものには絶対に触ってはいけません。
画像だと大きく見えますが、本体は10㎝程度なので、見逃さないように注意です。青いキレイな体をしていますが、猛毒を持つクラゲですから絶対触ってはダメです。
・クラゲ対策
基本的な対策としては、ラッシュガード・スポーツタイツ・クラゲローションを用いて予防するに限ります。
根拠その④・・・冷たい水
土用波の時期からは、波の状況によっては水温の低い水塊が岸に到達することもあるようです。
そして川の水は冷たくて気持ちよかったりしますが、沼や滝壺などの普段水に浸からない人たちは心臓麻痺や痙攣などが起こりやすくなりますよね。
迷信でない根拠その④・・・増水
自分のいるところは晴れていても、上流での激しい通り雨による急な増水が発生することも多々あります。
特に川の幅が狭いところなどは要注意ですね。
あとは、その川に繋がっているダムの放流情報などを事前に確認しておくことが大事ですね。
迷信でない根拠その⑤・・・水草
夏になると海藻や水草が育ってきます。
場所によっては、その成長した海藻や水草が足にからまり、足を引っ張られたと勘違いすることからパニックになるケースもあります。
パニックにならずとも、海流や川の流れの影響で、足に本当に絡まることも。
こう見てくると、迷信と言われるものにも根拠がそれぞれあるという事が見えてきますね。
別の見方からの考察
川や海があれば水難事故は当然発生していた訳で、そうなると人類誕生以前から存在していたことにもなります。
つまり、水難事故は神の思し召し。
だから神の意思なんだよと、今でも社会が受け入れてしまっているところが事実あります。
要するに600万年もの人類の歴史の間に、先祖が生きてきた経験と知恵の集大成が言い伝えであり、われわれの祖父母が、さらにその祖父母から言って聞かされた話なのです。
その一つが「お盆は溺れるから泳ぐな」であるわけで、お盆で帰ってきてる霊が戻る時に一緒に連れて行かれないよう畏怖心を抱かせ、水難事故の注意喚起を促すものではないでしょうか?
これは大事にしなければならないと思うのです。
特に2680年続いたとされる日本で生まれ育った我々は。。。
師匠による漢字紐解き紹介
お盆時期の水辺で注意することについての話でしたので、水つながりで今日の漢字紐解きは「川」
是非「正しい流れ」を掴んでみて下さいね。。。
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