友人・知人と一緒に起業するときの注意点(2)
前回の記事はこちら。
なお、本記事は、小職が参加する士業団体「南森町スタートアップ・ラボ」(MSL)が2020/10/20 18:00-に開催した無料ウェビナー「MSL#3_友人・知人と一緒に起業するときの注意点〜創業者間契約ってなに?〜」の共同発表成果に大きく依拠しています。MSLの先生方ありがとうございました。
前回提示した事例をもとに、株式会社イソノ、カツオ、ワカメ、タラの身に何が起きるのかを解説していきます。
株主である創業メンバーの「退職」
もうこれ以上タラとは一緒にやっていけない。カツオは、タラを株式会社イソノから追い出そうとしています。
一方のタラも、株式会社イソノとカツオに愛想を尽かしており、出ていくことは決めている。
ここで、タラが取締役であれば、取締役を辞任してもらえば、会社との契約関係(委任契約)は解消されます。
タラが従業員であれば、辞表を提出してもらえば、会社との契約関係(労働契約)は解消されます。
ここまではよし。
退職した創業メンバーから強制的に株式を剥奪することはできない
ところが、タラの身になって考えてください。株式会社イソノの20%の株式を、会社を辞めるからといってタダで手放すでしょうか?
もともと、会社設立時に、20万円も支払っていますし、さらに今となっては、マスオキャピタルからプレ4億円という評価を提示されており、単純に考えると、タラの20万円20%の株式の時価評価は、4億円*20%=8000万円です。
8000万円の財産をタダで手放す人なんていますか?もちろん、手放しませんよね。
そう、役員や従業員としての地位は解消されても、株主としての地位は残り続けるのです。
株というと、上場企業の株取引の経験がある人でもない限り、なかなかイメージしづらいと思いますが、立派な財産のひとつです。
自分のもっている不動産や、車を、強制的に剥奪されることはないですよね?
それと同じで、会社の役員、従業員をやめるからといって、株式が強制的に剥奪されることはないのです。
そして、その株に、一株何百万円という、立派な評価額がついていたら。。。?!
はい、もはや普通の人は買い取れません。
カツオがよっぽどの資産家でない限り、タラが要求する8000万円を支払えるわけがありません。
そうすると、タラは株式会社イソノをやめたのに、いつまでも株主としてイソノに居座り続けることになってしまいます。
すると何がおきるのか。。。?!
ここから先は、次回に。
今日も1万回の失敗と挑戦を繰り返す起業家の皆さんを応援しています。
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