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宴席のキレ芸ほど醜いものはない

年末年始はプライベートだけでなく、仕事や学校関連でも催しがアレコレと重なりますよね。皆が酒をカッ喰らっている裏で、スタッフやサポート役として立ち回っている方々には、本当に感謝しかありません。

赤い顔をした先輩連中からの勝手で無遠慮で往々にして横暴なオーダーに応えるべく、若手がクルクルと動き回っているのを見たりすると、心から応援したくなります。素晴らしいです。僕とアナタにはなんの接点もなんの縁もありませんが、クソおやじ、クソおばさんの加齢臭に目をつぶり、乱暴なフリに応えてくれて、ありがとうございます。アナタの2020年に幸あれ、です。

でもって、忘年会とか納会とか職場クリパとか新年会とか、年末年始の催しでも散見されるのですが、宴席やイベントなどでイキったオッサンや「あたくし、仕事できるので」的なマウントババァみたいな手合いが、気弱そうな後輩あたりをつかまえて急にガチキレしはじめたりすることがありますよね。ホント、うんざりします。

周囲が「え、なに?」「○○さん、マジなの? ヤバイんじゃない?」などとザワつきはじめたら、「な~んてね。マジになーるーなーよー」と、ヘラついたりするアレがホント嫌いです。他人事でもイヤ。

単につまらないキレ芸の一環でやっているケースもあれば、瞬間的には本当にキレたものの、大人の配慮で笑いに転化させて流した、てなケースもあるでしょう。ときには「この空気なら言える!」と計算づくで日ごろの鬱憤を晴らしている場合もある。いずれにせよ、やり口としてかなりダサいと思います。

この手のアプローチをとる人って十中八九、「コイツにならキレても大丈夫」と思える、職場のイジられキャラだったり、何でも真に受けて文句も言わずに飲み込んでしまう真面目な若手だったりと、相手をきっちり選んで吐瀉物みたいなキレ芸を吐きかけているんですよね。クッソダサいです。醜悪です。場の趣旨や空気的にも、正面から反論したり、言い返したりすると無粋になってしまうような雰囲気なので、やられたほうも素直にイジられるしかない。そういう狡猾さも実に醜い。

個人的には、年末年始こそ、年長者が若手を接待するくらいでちょうどいいと思っております。「今年も1年、ありがとう」「また1年、よろしく頼みます」と、いつもはなかなか言えない感謝を口にしながら、お酌をして回ってもいいくらい。素直な若手をつかまえて、誰も幸せにならないような出来の悪いキレ芸を披露するなんて、悪手の極みだと思うんですけどね。

あぁ、ダサすぎる。

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