見出し画像

日曜の晩酌をやめてみたら

日曜の夜にお酒を飲むことをやめたらどんな感じだろう? 
というのを夏から試していて、どうやら「このままやめていいのかも」という結論に至りそうな気配だ。

両親ともにお酒好き(しかも強い)家で育ち、20代から30代にかけては、自慢できることじゃあないが、よく飲んだ。めいっぱい働いたら、そのあとは仕事仲間や友人たち(そろって酒好き)と思いきり楽しく飲んでしゃべって元気になって、翌朝からまた働く、というのが当時の生活サイクルだったと言っていい。

親譲りの丈夫な肝臓のおかげで、飲んでいる間のわたしは終始ごきげんだし、二日酔いの思い出も数えるほど(でも、あることはある)。
そうして迎えた30代半ば、やはりビール大好きな夫と出会って結婚したものだから、子どもを授かるまでは、夫婦で、そこに友人も加わって、とにかく毎日がおうち飲み会という日々だった。あれはあれで楽しかったなぁ。

妊娠がわかってからはもちろん飲むのを止め、出産後も、授乳していた1年半は飲まなかった。……いや、最後の方は、外で人と会うときはちょこちょこ飲んでたかな? でもあの「ほぼ断酒」の2年余りで、「飲まなきゃ飲まないで十分幸せなものなんだな」という実感を持てたことは大きかった。それまでは「飲まないと楽しくない!」と本気で思っていたから。

娘の卒乳後は、じわじわといつのまにかまた「飲む人」に戻っていったのだが、40歳を過ぎたころの健康診断で、夫の肝機能の数値が基準値からはみ出してしまった。酒量的には変わらないのに、わたしの方は基準値内(低いくらい)。でも、一人で飲むのもつまらないし、気も遣うので、夫の禁酒に付き合うことにした。酒飲みの友人には「えらーい。自分なら絶対一人で飲んじゃうけどね」なんて言われたけど、その数年前に経験済みだったから、じゃあまたやりますか、くらいのノリだった。

1日の軸を朝と夜どっちに置くか

夫の肝機能数値は、再検査までの1ヶ月あまり禁酒したところ、まだ高めではあるけれど基準値近くまで下がることは下がった。でも本人としては怖い思いをしたせいか、「もう昔みたいにいっぱい飲まなくてもいい」と、それ以降は酒量がぐんと減った。
わたしもこの一件で、毎日飲んでいればただ楽しい、という時期は終わったんだな、という気がして、「これからお酒は週末だけにしよう」と夫と話して決めたのだった。たしか6年前のこと。

ここから先は

1,820字
暮らし・仕事・おしゃれ・健康を題材としたエッセイ(平均2000字)が28本入っています。

2021年11月発売のエッセイ集『ただいま見直し中』(技術評論社)に収録されたエッセイの下書きをまとめました。書籍用に改稿する前の、WEB…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?