推し香水をプロの方に選んで頂いた話「推しはそこに居る」
前回のnoteで、推し香水沼に落ちてしまい、今度は別の推し(公式からのキャラ香水は未発表・未発売)のイメージ・概念に合う香水を探している話をしましたが、
今回はその別の推しのイメージ・概念に合う香水を香水屋さんで選んで頂いたお話になります。
前回以上にオタクの魂の叫びです。
グランブルーファンタジー6周年イベント『こくう、しんしん』のネタバレを含みますのでご注意下さい。
私には『グランブルーファンタジー』のルシファー(通称ファーさん)と同じくらいに大好きな推しが居ます。ファーさんと同じ『グランブルーファンタジー』というゲームに出てくるネハンというキャラです。
原作では6周年記念の期間限定のストーリーイベントに出てきたキャラで、現在はまだ実装予定はありません。
キャラ香水はまだ発売どころか発売予定もありません。
でも大好きなキャラ(推し)なので、推しの概念・イメージの香りで存在を身近に感じたい…。
キャラ香水が売ってないなら、
1.自分で香水を作る(香水をオーダーで作ってくれるお店もあります)、
2.もしくは『既存の香水でイメージに限りなく近いものを選ぶ』
です。『推しの薄い本、無いなら自分で作る』に非常に近いメンタルです。
そう思いながら、毎日のように香水情報データベースサイトを見ては
「推しの香りはこんな感じだろうか…」と妄想を膨らませる日々でした。
よくお世話になっている香水情報データベースサイトさんは
fregranticaさん。(英語サイトです)
後に後述するCelesさんの『Celesセレクト(5種類)』の香調・使用している香料を見るのにも大変助かりました。
ここ、fregranticaさんでは使って欲しい香料・『使ってほしくない香料』を入力して、更に香水を『女性向け』『男女兼用』『男性用』から選んで、
指定してポチっと押すとデータベースサイトに登録されている世界中の沢山の香水が表示されるのでとても便利です。
(『Pefumes』の項目の『Seach by notes』から選べます。
使って欲しい香料は左の緑色の『Include notes』の項目、
使ってほしくない香料は右の赤色の『Exclude notes』の項目、
性別はfemale・Unisex・maleから表示させたいものを選びます。)
便利です。確かに便利なのですが…。あくまで私は素人ですし、やはり香料と香調だけでイメージピッタリの香水を探すのは難しい。
そして、世界中に香水は沢山ある中で、例え1mlのお試しサイズでも該当の香料を含む香水全て試していたら破産します。間違いなく。
お試しサイズの香水・1mlを1本と4mlを1本5の合計2本+手持ちの自分が元々持ってた香水…合計3本試した時点でそれに気付きました。
期間にして約1ヶ月間。(これはこれで良い香りに1つ出会えたので、全く無駄にはなってないと思いますが。)
このままでは延々と推しのイメージを求めて、お試しサイズの香水を買い続けて破産しかねない、というか自分なら多分やる。
よし、プロの人に頼もう。
そして今回お願いしたのが、
Celesさんの『Celesセレクト』というサービスです。
https://www.celes-perfume.com/product/celes_select/
(画像はCeles公式サイト様よりお借りしました。)
自分や贈りたい人の
・性別
・お求めの香りのタイプ
(『甘い香り』『爽やかな香り』「温かい/スパイシーな香り』など)
・好きな香り(例:ジャスミン、バニラ、バラ、ベリー、梨等)
・苦手な香り
・スタイリストへのメッセージ(イメージなど。文字数制限なし)
を伝えると、日本フレグランス協会の資格を持ったスタイリスト様が、
お取り扱いされている市販の香水(500種類お取り扱いされているそうです)
の中からイメージに合った5種類を選んで下さるというサービスです。
https://www.celes-perfume.com/oshi_kosui/
セレスで見つかる“#推し香水”をあなたも手に入れてみて♪
そして自分やリアルで贈りたい相手だけではなく、
"推し香水"にも対応されています。
容量は『ムエット(香水を吹き付けてある紙)5枚』
『0.75mlアトマイザー5本』『2.5mlアトマイザー5本』の3つから選べます。
『私は0.75mlアトマイザー5本』本を選びました。
『性別』は自分の性別を、『好きな香り』『苦手な香り』については
"自分の”好きな香り・苦手な香りで書かせて頂きました。
好きな香りはともかく、どうしても苦手な香りというのは、たとえ推しのイメージに近くても、その匂いが苦痛だとどうなんだろう…と。
私の場合はお酒と煙草の匂いが苦手なので、そちらを外して貰いました。(推しがあまりお酒沢山飲まなさそう・煙草沢山吸わなさそうというのもあるのですが)
性別の方はスタイリスト様宛のメッセージ欄で、『推しのイメージに近ければ香水の女性向け・男女兼用・男性向けは、問いませんのでよろしくお願いします』とお願いしています。
そしてCelesスタイリスト様へのメッセージ。こちらで推しのイメージを説明させて頂きました。文字数は無制限。
その節は文字数無制限とはいえ、原稿用紙○枚分に渡るオタクの長文を読ませてしまい、大変申し訳ありませんでした…(懺悔)
ざっくり要約すると、推しのイメージについては
・20代青年で灰色のスーツを着ていて黒のコートを羽織っている。
・特殊な一族の出身で、幼い頃から薬草を使った薬学に長けていた。
・とある事件で子供の頃に家族(両親・姉)と故郷を失い、身寄りもなく
放浪しているところを奴隷にされ、その後薬学の知識を見出されマフィアに買われた。マフィアでは生きる為とはいえ、非合法で依存性のある危険な薬を作り、その事に大して『一族の技・誇りを汚してしまった』と後悔している。
・面倒見の良いところがあり、出会った少年に『山菜と香草を使った料理』を食べさせたり、言葉を教えたりと世話をして、とても懐かれている。
・作中ではその事に関して、『自覚なき善良さ』とも言われている。
・現在は抜けたマフィアの一員に襲撃され、一命は取り留め怪我は良くなったけれど、『この世界に疲れきってしまって目覚めることを拒否している状態(作中より)』で眠り続けている。
…この激重設定を読ませたのか私は…。
推しの過去・現在が重い、重すぎる。
Celesさんは一体何を読まされているのか。本当に申し訳ありません。
でも推しの過去が不遇なのと、『良くも悪くも薬絡みの人生』だというところは重要すぎて外せなかった。
あとは自分から見た推しの主観的なイメージや希望として、
・作中になにかと薬やハーブにまつわるものが沢山出てくるので、
香りに薬草の要素があると嬉しい。
東洋の漢方薬よりは西洋のハーブ寄りなイメージ。
・推しが現在『眠り続けている』のと、薬草っぽいイメージがあるので、
香料にラベンダーが入っているものがあると嬉しい。
・ハーブティー好んで飲んでそう
・『海と山』どちらかで例えるなら『山』
(故郷が森林のような場所です)
・キュートとセクシーならどちらか言うと『セクシー系』
・推しを花で例えると、『トリカブト(使い方によって毒にも薬にもなる)』、『鈴蘭』や『水仙』などの綺麗だけど毒のある花のイメージ。
・Celesさんで扱っておられる香水で、Aux Paradis(オゥパラディ)というブランドの『Savon』という香水が気になっています。
(ラベンダーが入っていて、植物由来の香料は極力天然香料を使用しているブランドと聞いたので)
という事もお伝えさせて頂きました。
そして、待つこと10日程。無事発送されたとご連絡が来て、
到着を待ちポストを開ける。ポストに推しが居る。(落ち着いて)
中には
・透明なアトマイザー5本
(香水名が印字された透明ラベルが貼ってあるので、どれがどの香水か非常に分かりやすい。)
・香水の写真とQRコードが印字されたムエットにもなるカードが5枚
(裏面は香水を吹き付ける場所と、メモを書く欄になっていました。便利。
QRコードを読み取るとCelesさんのその香水の紹介ページが見えます)
・Celesスタイリスト様からの
「こんなイメージでお選びしました」というメッセージカード。
最初にメッセージカードを開き、推しへの解釈の一致ぶりと、推しをいたわる素敵なお言葉にリアルで泣きそうになりました。
『崇高なポリシーを持ち、計り知れない絶望と傷を抱えながら生きる
善良な魂の持ち主。
清らかな天使のように眠り続ける彼の目覚めを祈る気持ちも込めて、
浄化と安らぎを感じるハーブや薬草、野に咲く花々、
優しいリネンを連想させる自然と調和した香りをお選びしております。』
推しをずっと推していて本当に良かった…。
推しへ言いたい。優しいリネンの香りもあるよ、きっと寝心地良いよ。
でもいつかは起きて幸せになって欲しい。
メッセージカードは冗談抜きで家宝にしようかと思っています。
読み返す度に幸せな気持ちになって、生活の質が向上する家宝。
そして5種類の香水を選んでいただいたので、
どんな香りでどの辺りが推しのイメージに近いかをレビューしたいと思います。
①Santa Maria Novella – Pot Pourri
(サンタマリアノヴェッラ – ポプリ)
Santa Maria Novella – Pot Pourri(サンタマリアノヴェッラ – ポプリ)
トスカーナの丘に特徴的な草、ハーブ、花びらの香りを再現した古代からのレシピに基づいたケルン。深い癒しの香りに包まれ、自分自身を取り戻す旅へ出発。
一番ぶち抜かれたのがこれです。
Celesさんのサイトでもハーバル系(香りの系統の一つ)の香水としておすすめされており、Celesさんのブログでのハーバル系の説明が
薬用の薬草や野草、スパイスなどの香味植物を元にした香りです。
オーガニック人気で、天然原料にこだわったハーバル系香水が多いですが、薬のような匂いが強いものもあり、どちらかというと上級者向け。
香りとしては軽めなのでオールシーズン活用できます。
薬草や野草、スパイス系との事だったので、
「もしかしたら5種類選んで貰った中に入っているかも?」と届く前から
期待していたのですが、期待以上、いえ想像以上でした。
推しが生きてる!動いてる!薬を調合してる!
その空間に推しが居る。姿見えないだけで本当に居るのでは?
一言でいうとめちゃくちゃハーブ・薬・薬草・という香りです。
そしてかなりミント系?のスーッとする香り。
しばらくするとお香っぽさもほんのり出てきます。
ポプリという名前ですが一般的なお花のポプリを連想するとかなりイメージが違います。フローラルな要素は少なめ。
ハーブ・薬・薬草の香りがメインというかほとんどで、そこにスパイスが
適度に加わっていて、レトロな薬局+漢方薬のお店っぽさがあります。
推しは薬草から薬を作る仕事なので、推しの居る調剤室と推し本人の香り!という感じです。
そしてこちらの香水のレビューによく、『薬局』『修道院』という言葉が出てくるので簡単に検索してみました。
サンタ・マリア・ノヴェッラ:香りの歴史はフレンツェから
天然のハーブを用い、自然治癒や予防医学という思想をもとにした、
フィレンツェで800年の歴史を誇る世界最古の薬局です。
イタリア・フィレンツェにある、現存する世界最古の薬局でした。
修道院から始まって、薬局へ。香水(オーデコロン)以外にも石鹸なども作っておられるそうですが、天然栽培の草花や油脂を使っておられるそうです。
②Aux Paradis – Savon(オゥパラディ – サボン)
2番目に「これは推しの概念!」とテンションが上ったのがこちらです。
Aux Paradis – Savon(オゥパラディ – サボン)
お風呂上がりを連想させる、ホッと安らぐ清潔感ある石鹸の香り。レモンエッセンスや南フランス産のラベンダーがリラックス感を演出してくれる。
石鹸系の香りなのですが、同じ石鹸でも香料少なめでマイルド&癒やし系な石鹸の香りです。そして洗って晴れた日に干して取り込んだばかりのシーツやリネン類・パジャマのような香り。
何というかどこか温かみのある香りです。幸せの香り。
眠り続けている推しは、夢の中ではいい夢見てると良いな。
お風呂にも入れてもらって湯上がりに、清潔で触り心地の良いシーツやパジャマで寝かせて貰っている推しのイメージです。
後述するAcca cppaの『ホワイトモス』と比較すると、
こちらの方はコロンと丸い手作り石鹸、香りの男性向け女性向けで言うとややフェミニンというかピュアな印象もあります。
フェミニンと言うよりはママと幼子…かな。
③Acca Kappa – White Moss(アッカカッパ – ホワイトモス)
Acca Kappa – White Moss
(アッカカッパ – ホワイトモス)
アロマティックなラベンダーと西洋ビャクシンを調合し、生まれたウッディフローラルの香り。洗いたてのリネンや石鹸を思わせる清潔感あふれる香りで男女共に好まれます。
こちらも石鹸系の香りです。西洋ビャクシン(ジュニパー)の香りが入っており、香りの中にメンズっぽさもあります。このジュニパーの球果であるジュニパーベリーがジンの香り付けに使われているそうです。
メンズっぽさを感じたのはこのジュニパーかも。
お洒落なメンズの家のお風呂場や、ベッドのシーツのイメージです。
Aux Paradisの『Savon』と同じ石鹸系の香りで、同じ用に洗いたてのシーツのイメージがありますが、こちらは石鹸で言うと角型の石鹸・洗濯糊をパリッと効かせたシーツ・モダンで都会的な印象がありますね。
同じ石鹸系の香りですがこちらの方がやや香りは強いです。
個人的にはAux Paradisの『Savon』の香りの方が好きですが、どちらも近い香りなのでここはお好みで選んでも良いと思います。
④Hermès − Le Jardin de Monsieur Li(エルメス− 李氏の庭)
Hermès − Le Jardin de Monsieur Li
(エルメス− 李氏の庭)
ジャン=クロード・エレナが中国の数々の庭園に行った際に解き放った想像力。金柑やスモモ、ミント、ジャスミンが爽やかに香る一方で、どことなく漂う”湿り気”に風情を感じざるを得ません。100年の時を経て、落ち着いた瞑想をあなたにもたらすでしょう。
こちらは推し本人のイメージと言うよりは、
『推しが大切に想っている故郷の香り』というイメージがあります。
『李氏の庭』の名前の通り、中国の庭をイメージした香りらしいのですが、
中国と言わずアジアっぽさがあるというか、日本の自然豊かな森林公園などでもこんな香りがするのではないかという、上品で懐かしさを覚える香りです。
推しの住んでいる世界の世界観は中世ヨーロッパっぽいのですが、
推しの名前・推しの故郷の名前・同郷の人の名前に東洋っぽい要素と仏教的な要素があるんですよ。(こちらからは説明済み)
なのでアジア的な要素のある香りというのは何ていうかこう…
分かっていらっしゃる…!
そして説明にもありますが"湿り気"を感じる"香り、
『池のある庭』とか『水辺にある公園』というイメージの香りなんですよ。
推しは去年、ゲームのファン感謝祭のような企画の動画で2.5次元になりまして、原作シナリオの再現シーンがあったのですが、
そこでステージの床の照明が蓮がゆるやかに流れる川でした。
(2.5次元の蓮がゆるやかに流れる川の事は説明してないのですが)
水辺のある"推しの故郷"への解釈が一致しすぎてびっくりです。
⑤Penhaligon’s – Ostara(ペンハリガン – オスタラ)
Penhaligon’s – Ostara(ペンハリガン – オスタラ)
ベルガモット、ジュニパー、レッドベリー、ミントをトップに使用。
そしてヒヤシンスやラッパスイセンが明るく陽気に春の女神オスタラとともに春の訪れを告げます。
5つセレクトして頂いた中で、今までは全て男女兼用の香りでしたが、
こちらは唯一の女性向けの香り。上品でエレガントな香りです。
一言でいうと推しが美人(男)。
推しに香水や練り香水などで付けていて欲しい香りです。
水仙がメインの緑っぽさとフローラルな感じの香りなのですが、
かなり水仙が主張してきます。
あと、水仙って毒があるんですよね。
『綺麗な花には毒がある』を地で行く推し。
実際にマフィアにいた時に『非合法で依存性の高い危険な薬』を開発してしまって、後悔していたりしますし。
そのマフィアの崩壊の引き金を引いたのも推しだし。
推し、ちょっと傾国の美人(男)みたいな所あります。
それも「自分が美人だと自覚が無いタイプ」だから余計に危険というか。
毒のある花は水仙以外にもあるのですが、
水仙って水鏡を見るというか、下を向いた姿ですよね?
水仙の水鏡を見る姿が、ナルシストの語源にもなっているのですが、
それとは別に推しは過去が重すぎて基本的にネガティブ思考なので、いつもうつむいている水仙の姿はありだなと思うんですよ。
水仙も水辺に咲く花なので、ここでも蓮とかありそうな推しの故郷の
イメージに繋がっていくんですよ。
というか推しの故郷、水仙とか咲いてそう。
オスタラは使用されている香料の種類が多い香水なのですが、
花としては水仙以外にはヒヤシンス・イランイラン・藤・
ホーソン(西洋サンザシ)・シクラメンなども入っています。
ホーソン(西洋サンザシ)はハーブティーにもなっており、
また東洋では漢方薬の生薬としても扱われています。
そしてイランイランの精油は催淫作用もあると言われ、セクシー系の香りとしても一部では有名です。
オスタラはミドルノート以降は花の香りと共に、
ラストノートでは蜜蝋の香りやバニラ、ベンゾイン(安息香)、ムスク、
アンバーという甘い香りになっていきます。
甘い香りのするセクシーな美人(男)。
オスタラは自分では多分選ばないタイプの香りなので、
美人でセクシーな推しという素敵な解釈を本当にありがとうございます…!
まとめ
推し本人のイメージ・概念としては
サンタマリアノヴェッラの『ポプリ』と、オゥパラディの『サボン』が
推し本人そのもの!という感じなのですが、
5種類どの香水にも断片的に推しの概念が入っていたのが凄かったです。
プロのスタイリストさんって本当に凄い…!
そして自分も推しイメージの香水探しで、香調・香料についての知識が付いてとても楽しい勉強になりました。
何より推し香水でQOLが上がります。
同人誌が『視界で感じる推し』なら、推し香水は『香りで感じる推し』です。推しはそこに居る。
枕カバーやベッドリネンに一吹きしたり、
推しをイメージしたぬいぐるみにちょっとだけ付けたり、(※色が付いてしまう香水もあるので、目立たないところで試してくださいね)、
普通に香水として自分の肌にその香りを纏ったり、
お風呂に入る前お風呂場の湯気に一吹きして推しの香りを堪能したり…。色々な楽しみ方も出来ます。