タミヨウ入りスタイフルノートの可能性
関西で主にレガシーをプレイしているナオと申します。今回、モダンホライゾン3で登場した《知りたがりの学徒、タミヨウ/老練の学匠、タミヨウ》を取り入れたスタイフルノートを組み、好感触を得ましたので記事を作成しました。荒削りではありますが、ご一読いただけますと幸いです。
※記事中のカード画像はScryfallのものを使用しております。
スタイフルノートとは?
ざっくり言えば、《ファイレクシアン・ドレッドノート》(以下、ドレノ)のデメリットETB能力をあの手この手で無視し、1マナ12/12トランプルの暴力を叩きつけるデッキです。
スタイフルノートは様々なパーツを得て強くなっており、特に「カルロフ邸殺人事件」では瞬速を持ちながらクリーチャー・アーティファクトのETBを封じる《門衛のスラル》が登場し大幅に強化されました。
他にも《激しい叱責》、デッキ名になっている《もみ消し》と、ドレノのETBを消すコンボパーツでありながらインスタントタイミングでの妨害手段にもなる強力なカードが満載です。
さらに、モダンホライゾン3(以下、MH3)では新戦力として《虚構漂い》が加わりました。
3マナで想起、キャスト時2ドローでき、本体が残れば4/4飛行・滅殺1と破格の性能です。
《門衛のスラル》《激しい叱責》《もみ消し》で想起のデメリットを消すことができ、ドレノとコンボパーツを共有できる点も優秀。最悪3マナ2ドローとしても使えるので、コンボパーツがなくても腐らず便利な1枚です。
《虚構漂い》の登場によって《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を採用せずに青白2色でデッキをまとめることができるようになり、マナベースも強固になり安定感が増しました。
※以下では、《門衛のスラル》《虚構漂い》を採用したオーソドックスな青白型のスタイフルノートをベースに考察しています。
極論《倦怠の宝珠》とドレノで無色でも成立するため、ドレノを採用したデッキには様々なタイプが存在します。デルバーや《濁浪の執政》等で殴る青単型、《湖に潜む者、エムリー》を組み合わせたアーティファクトシナジー型、デスタクの要素が融合した白単型等、枚挙にいとまがありません。
タミヨウの強さ
さて、本題である《知りたがりの学徒、タミヨウ/老練の学匠、タミヨウ》(以下、タミヨウ)の強さについてです。
表面は1マナ0/3飛行と軽いうえ、攻撃するたび手掛かりを生成します。ターン中3枚目のドローに反応して裏面のPWに変身します。
1ターン目から《渦まく知識》《思案》と同じ青1マナでキャストでき、放置すると手掛かりでアドバンテージを稼げるクリーチャーになっています。
裏面PWは初期忠誠度2で、
+2:次ターンまで、自分or自分のPWを攻撃するクリーチャーに-1/-0修正
-3:墓地からインスタント・ソーサリーを回収
-7:デッキの切り上げ半分ドロー、手札上限がなくなる
と強力な能力を3つ有しています。
変身したターンは+2しか起動できませんが、2→4→6→8で意外と早く奥義まで辿り着けます。1ターン目にタミヨウ設置→2ターン目《渦まく知識》等で最速2ターン目には変身できるため、奥義のターンも比較的早くなります。
スタイフルノートにタミヨウを入れてみると、様々な面で強みを発揮してくれました。
○1ターン目の積極的なアクションになる
これまでのスタイフルノートでは、1ターン目にできる能動的なアクションはドロー呪文を打つことくらいでした。
タミヨウは強力な1ターン目のアクションになり、相手が動いてこなくても自分から積極的に仕掛けていけます。この点は地味ながら絶大な影響を与えています。これまでスタイフルノートでは「序盤は耐えて、中盤から仕掛けていく」というゲームプランを取ることが多かったですが、
「序盤にタミヨウを展開して、アドを稼ぐor相手が対処に回っている隙にドレノ・虚構漂いを展開する」
と積極的に仕掛けるプランを取ることができます。
この点から、タミヨウはアドバンテージ源であるのみならず、ゲームプランにまで影響を与える存在だと感じています。
○ドレノへの除去の避雷針になる
タミヨウを放っておくと手掛かり、裏面でアドを取れるので除去のマトになってくれます。当たる除去がドレノと概ね共通している(《剣を鍬に》《致命的な一押し》《虹色の終焉》等)ので、ドレノが定着しやすくなるのです。
先に挙げた積極的なゲームプランと合わせて、序盤から相手に対処を迫っていき、ドレノで殴り切る戦略を遂行することが容易になります。
○ドレノや虚構漂いで殴り切るまでの時間稼ぎができる
0/3飛行のクリーチャーははブロッカーとしてそこそこ安心感がありますし、ブロック指定後に《渦まく知識》を打つことで変身して場に残せます。
裏面PWは+2が思ったよりも強く、横展開して殴ってくる相手の攻撃を和らげ、ドレノを展開し殴り切るまでの時間稼ぎになります。
ドレノのおかげで数ターンさえ凌いでしまえば勝てる、という局面が多々存在するため、時間稼ぎ性能の高いタミヨウはマッチしています。
○奥義とドレノの軽さが噛み合う
裏面PWの奥義でデッキを半分引いた後、ドレノを複数体展開することで速やかに勝ちに繋げられます。
奥義を打てている時点で少なくとも4-5マナは並んでいるので、《門衛のスラル》《激しい叱責》(2マナ)→ドレノ複数体を並べて次ターンに殴り切れます。
タミヨウを入れる前には、ドレノの代わりに《濁浪の執政》《聖カトリーヌの凱旋》等の安定感のあるフィニッシャーを採用したり、《虚構漂い》を4投してドレノを抜いたりすることも検討していました。
しかし、タミヨウ奥義から複数展開し逆転できない盤面を作れるのは1マナのドレノだからこそできることです。
タミヨウがいることでドレノが活躍できるだけでなく、逆にタミヨウもドレノがあることでより輝きます。タミヨウ自体は打点には寄与してくれないので、コンボパーツさえ揃えてしまえば1マナ12/12で速やかにゲームを畳めるドレノは最高のパートナーになれるポテンシャルを秘めているのです。
ここまで強みを挙げてきたように、タミヨウは序盤・中盤・終盤どの局面でも活躍できるカードであり、スタイフルノートに非常にフィットしています。はじめはタミヨウ3枚で構想を練っていましたが、あまりの強さにすぐ4枚目を注文することになりました。
いざ実戦!
タミヨウ入りのスタイフルノートを持ち込み、晴れる屋TC大阪で6月23日に開催されたフライト式イベントに参加して回してみました。普段の大会とは違って、対戦希望者が2人揃えばすぐ対戦へGo、というカジュアルイベントです。(めっちゃ楽しかった!)
デッキリスト
対戦したデッキ
・ループジャンクション
・スタイフルノート(トロピ大塚さん)
・緑ポスト
・黒緑スキャム
・リアニデプス
・赤単バーン
全てに勝ち、計6-0しました!どの対面でもタミヨウが非常に良い仕事をしていました。具体的には、
対ループジャンクション:裏面PWの+2で相手を足止め、その間にドレノ着陸
対緑ポスト:不毛でグダグダしている間に1ターン目に出していたタミヨウが奥義を放つ
対赤単バーン:計3枚タミヨウをキャストし、大量の火力を吸ってくれました
等々です。
余談:聖トラフトの霊 vs トロピ大塚さん
大変嬉しいことに、トロピ大塚さんと対戦する機会を得ることができました。しかもまさかのスタイフルノートミラー!
1ゲーム目はトロピ大塚さんの攻撃を捌ききれず負けてしまいました。2ゲーム目、3ターン目に大好きなカード《聖トラフトの霊》をキャスト!なんとか着地し、そのまま殴り切りました🙌
3ゲーム目も同様に《聖トラフトの霊》で殴り切り!
《聖トラフトの霊》が好きでずっと使っており、なんならスタイフルノートは「採用されている《もみ消し》で天使トークンの追放誘発を消して残せるから」という理由で組み始めたくらいです。
トロピ大塚さんとの対戦で天使トークンの追放誘発をもみ消す古えの戦法を披露できただけでなく、他の対戦でも《聖トラフトの霊》は暴れ回ってくれてより一層愛が深まりました。
ドレノ、《虚構漂い》は強力なものの、いずれも《剣を鍬に》のような単体除去であっさり対処されることも多々あります。《聖トラフトの霊》は除去耐性の面でドレノ等にはない強みを発揮することができています。(最悪willのコストにはなる)
今後の展望
今回、タミヨウ入りスタイフルノートにはかなりの好感触を得ましたが、まだまだ改善の余地があると感じています。
《激しい叱責》の枚数
《激しい叱責》はタミヨウ、聖トラフトと噛み合わせが悪いものの、《ウルザの物語》の構築物トークンを一掃できたり、クリーチャーコンボを足止めできたりと強力なカードではあるので採用枚数が難しいです。今回は2枚採用でしたが、少なくとも3枚はあった方がいいかなと感じます。
《もみ消し》の枚数/《記憶への放逐》の採用
《もみ消し》は3枚でちょうど良いと感じましたし、なんなら一部を《記憶への放逐》に入れ替えても良さそうです。
理由として、
・《カザド=ドゥームのトロール》等の土地サイクリングで安定して土地が伸びやすく、「《もみ消し》でフェッチ止めてイージーウィン!」みたいなパターンが減っている印象です。むしろフェッチをもみ消した後、相手が順調に土地が伸びるとむしろこちらが損しているまであります。
・MH3で強力なエルドラージが多々登場しています。先日対戦した中だけでも《まき散らす菌糸生物》(土地サーチと土地追放)、《変異した信者》(デプスのカウンターを取り除く&10マナ軽減でウラモグ叩きつけ)、そしてミラーの《虚構漂い》等、強力なキャスト時誘発+無視できないボディを持つエルドラージが多々採用されています。エルドラージ本体+誘発型能力に1枚で対応できる《記憶への放逐》は環境にマッチしていそうです。
最後に
今後もより良い構築を目指して試行錯誤していきたいと思います。ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました!
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