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ミラノ フオーリ・サローネ2019 レポート(4):COS×MAMOU-MANI
パリ出身の建築家アーサー・マモウ・マニ(Arthur Mamou-Mani: 1983-)は、COSとコラボレーションしたインスタレーションを展示している。
場所は、地下鉄赤線のサン・バビラ駅とパレストロ駅の間にあるPalazzo Isimbardi。
門をくぐり、中庭に入ると壮大なバイオプラスチックのアーチが目に入る。
(バイオプラスチック"Bioplastic"とは?:再生可能な資源が原料。使用後、堆肥にもなるプラスチック。)
さらに回廊をつききり、庭に入る時にもバイオプラスチックのトンネルが続く。
このバイオプラスチックのオブジェはよく見ると、半透明、白、茶色の3色の色からなっている。
半透明の物は、PLA樹脂から作られ、白い物は、顔料を含んでいる。
また茶色の物には、木が含まれている。
このオブジェは、松ぼっくりが木になって成長していく様子をモチーフにしているという。(インスタレーションの名前は"Conifera")
このバイオプラスチックは、3Dプリンタで作られたもの。
3Dプリンタも邸宅内に設置されている。
AIやロボットなどの技術が発展する今、3Dプリンタは、伝統工芸と機械化された生産との架け橋となることを期待されている。
つまり今までデザイナーは、一旦デザインを提出すると機械による生産からは離れて、次に作品を手にするのは完成版の作品を受け取る時であった。
ところが、3Dプリンタによって、デザインを生み出す過程から作品を形にするまで、すべての作業を同じデザイナーが行うことが可能になるのである。
一つ一つ、精巧に組み上げられたオブジェに、思わず目が釘付けになる。
緑豊かで格式高い16世紀の伝統的な邸宅と21世紀の最新の技術が見事に融合している。
COS×MAMOU-MANI
住所:Palazzo Isimbardi/ Corso Monforte 35, 20122, Milano
会期:9日(10:00-20:00)、10-11日(10:00-17:00)、12-14日(10:00-20:00)