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天井は高い方がいい?

こんにちは

建築家のなおです。

当たり前を見直すと、お家作りがもっと楽しくなる!

今日は「天井の高さ」についてのお話しです。ちょっとしたことだけど知っていると、住宅の考え方・魅力がぐんと深まると思います!

■木造住宅の基本「モジュール」

まずは、木造住宅の基本「モジュール」について触れておきます。

「モジュール?」聞き慣れない言葉かもしれません。

簡単にいうと、木造住宅の基本寸法のことです。日本の木造は昔からこの尺貫法という単位をもとに作られてきました。

1尺=303mmを基本に、3尺=909mmを1つの基本寸法とし、グリットを作りプランニングを行います。多くの住宅は、この909mm寸法を基本に作られています。

この909mmを基準に作られている会社もあれば、メーター換算した際に909mmとなり割り切れないので、使い勝手をよくする為に3尺=910mmとして使う会社が今ではほとんどです。1グリットと言えば910mmなんだと思ってください。

■910mmグリットの例

1つ簡単な例を載せておきます。

1グリットを使い、一般的な住宅の廊下幅を見ていきます。今回は大壁作り(柱を隠す作り方)の場合を想定し105mmの柱を使います。その柱の内側に石膏ボードと言われる下地のボードを貼り、その上に仕上げを施します。仕上げの材料にもよりますが、おおよそ910-105-12.5-12.5となるので、780mm前後が廊下幅になってきます。

このような形で見ることができます。

ちなみに畳1枚は、910mm×1820mmとなる。これが1畳です!

※畳サイズは地域によって若干の誤差があります。

家づくりを検討されている方は、見かけることが多いと思うので覚えると便利ですよ!

■本題「天井は高い方が良い?」

ということで、話を本題に戻します!

今の建ってる住宅は、標準の天井高さ2,400mmとなっています。おそらくほとんどのハウスメーカーや工務店はこの基準でスタートします。

CMなんかでも、「天井の高い家って良いよな」なんて

いかにも、天井は高い方が良いというTVCMもあります。

本当にそうでしょうか?

■メリハリが大切

僕の考えとしては、「天井は高い方がいい」のではなく

「メリハリを付けることで、仮に天井が低くても圧迫感を感じさせない設計をする」方をお勧めしたいです。

何を言ってんだか?なんて思う方もいるかもしれません。

簡単に説明すると、魅力的な見た目に「ボン・キュ・ボン」という表現をするように、ボディラインにメリハリがあることで、人は魅力を感じます。

仮に、「ボン・ボン・ボン」はどうでしょうか?

これが今の住宅だと思います。同じ天井高さで、LDKだけさらに「ボーン!」としているようなものです。「ボーン・ボン・ボン」・・・

書いていて笑ってしまいました。(笑)

住宅にも、この「キュ」となる絞るポイントがあると、室内をすごく魅了的にすることができると考えます!

■建物が大きくなるということ

この天井高さが2,400mmが標準になっていることで起こる一番のデメリットは、建物が大きくなっているということです。

建物が大きくなるということは、

・それだけずんぐりむっくりになり、上手く設計しないと外観がかっこ良くなりません。

・室内の容積が大きくなるので冷暖房費用が嵩みます

・窓や建具のサイズと天井高さがあってないので、間抜けな空間になりかねません。それを埋める為に、フルハイドの建具やオーダーのサッシを使うとコストが嵩む

・一番は、(自分)と建物の間に大きさのギャップがあり馴染むことができません。最近の住宅って大きなって思います。

■「キュ」が大切

家づくりをトータルで考えた際は、ぜひメリハリを考えてみてください。

LDKを魅力的に見せたいのであれば、他を天井高さを抑えたり、LDK内で天井高を変えたり、吹き抜けを設けたりするのも良いかもしれません。

しかし、これもまた一部です。建物を魅力的にする方法は、設計士と家づくりをする人の数だけあります。

決まったやり方などありません。

是非家づくりを楽しんで、魅力的な住宅を作っていきましょう!

じゃまたね!

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