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「櫻子」 - Meta of Her -

日本の古典文学「藪の中(羅生門)」よりインスパイアされて企画・制作。

【 企画意図 】

コロナ禍において、「オンラインビデオ会議」が一般化し、PC モニターの中で、多くの人が会合する光景が当たり前となりました。

あるオンラインビデオ会議で、ホストが「或る人」の印象について私達に質問した時、様々な人の認識が「全く噛み合っていない」 という光景に立ち会いました。「或る人」を思い出そうとする私達ですが、議論すればするほど「或る人」について「自分だけの認識」 を、それぞれが持ち、「同じタイムライン上」で「まるで ”違う誰か” を想起している様な」時間を共有したまま、議論は進んでいきました。

それは、とても不思議な光景にみえました。虚構なのか真実なのかわからない「或る人についてのメタ」が飛び交い、 オンラインの光の中で、「或る人についての、それぞれの真実・物語」が多重露光されていきます。 私はその時、「これと似たような光景を、幼い頃に観た事がある」という、既視感を覚えました。

「羅生門」という黒澤明の映画をご存知でしょうか?芥川龍之介の小説「藪の中」を、故・黒澤明監督が映画化した時代劇です。 本編の内容をかいつまむと「一つの殺人事件」が起きて、現場を目撃した人物達の、それぞれの証言が「全く噛み合っていない」と いう物語。食い違う「真犯人」そして「真実」とは一体何だったのか?と、観客に「真実」に対しての考察を問いかけます。
令和時代になり「人との繋がり」や「存在」自体が、ネット上のコミュニケーションの中に埋もれ、「確かなもの」が曖昧になってき ていると強く感じます。多くの人の記憶や証言が多重露光される事で「真実」は正当性・客観性を帯び、一般的に認知されるはずですが、 SNS やネットが一般化し、「有形無形のメタ」が飛び交う現代において、その「光」は、私達を時に惑わせます。

「あなたが視ている、私」そして、「私が視ている、あなた」は、果たして本当に「あなた」、そして「私」と言いきれるでしょうか?

【 あらすじ 】

日本の古典作品「芥川龍之介・藪の中」からインスパイアされた、現代的映像の寓話。(リモート演劇の、新しいカタチ)

「高校の演劇部時代に亡くなった一人の女性部員仲間(櫻子)」の残した、遺書の様な音声テープを見つけた、かつての演劇部の部員達。 「櫻子の死により公演できなかった最後の舞台」と「櫻子」の事を、思い出そうとするけれど、彼らの櫻子に対する印象が「全く噛み合ってない」彼女は、一体誰(何)だったんだろう、? 今宵、集った彼らは、それぞれの記憶の中にいる「メタ嬢」を物語る。

#櫻子ちゃん
#藪の中 #羅生門
#ミュージックビデオ
#学校のカイダン #教室の中
#インスパイアされた  #リミックススタイル

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