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【読書】「現代アメリカ社会を知るための63章」 明石紀雄著

第2次トランプ政権
2025年1月20日からスタートします

あらためて
「アメリカ社会」とは
どういう社会なのか

「現代アメリカ社会を知るための63章」
を読んで勉強してみました

アメリカとは
「人種問題」の国であると
改めて感じました

本書は
「基層」「社会」「文化」の
3部構成となっています

以下に
印象に残った章を
いくつかまとめました



基層

6章 アメリカ先住民女性への暴力犯罪対策

先住民女性
ほかの人種・エスニック集団に比べて
非常に高い割合
殺人、レイプなどの
暴力犯罪の被害に遭っている

2012年の司法省の報告では
複数の先住民居留地で
全国平均の10倍
先住民女性が
殺人事件の被害者になっている

2016年の報告では
先住民女性の
半数以上
性的な暴力被害を経験
他の統計集団の女性よりも
2倍の割合でレイプ、性的暴行被害者

加害者の96%が「非先住民」
であると報告されている
アメリカ全体では
レイプ加害者は
被害者と同じ人種・エスニック集団
であるケースが圧倒的に多いのに対して
先住民は例外であるという

先住民居留地に適用される
刑事司法制度の複雑さが一因
住民女性をレイプした犯人が
非先住民であれば起訴されること自体が稀

部族検察と連邦検察の権限の違い
迅速な対応を困難にしている
映画「ウインド・リバー」
先住民居留地における
刑事司法制度の問題を描いた作品


社会

25章 デトロイトの復活?

アメリカの都市部で
低所得者層が多く
生活していたコミュニティに
富裕層が新しい住民として
移り住んできたことで
住宅価格が上昇
長年の居住者が家賃を払えず
住宅から追い出される現象
「ジェットリフィケーション」が増加


41章 ソブリン市民運動

「ソブリン」とは
「主権・独立を主張する」という意味 
反政府的な過激派 
政府や法律に従わない人々 
陰謀論者 極右過激派
「ソブリン市民」は
少なくとも10万人、潜在的には20万人と推定


文化

56章 ホワイトウォッシュ

ホワイトウォッシュは
「事実を覆い隠す」という意味
映画の登場人物の
ホワイトウォッシュは昔から大変多い

環境配慮を誇張して宣伝
自社イメージを「盛る」ことを
「グリーンウォッシュ」

LGBTQの権利拡張を示すことで
人種差別の負の側面覆い隠そうとする
「ピンクウォッシュ」


まとめ

先住民女性が
おかれている立場は
非常にショッキングでした

先住民出身の
女性政治家が
法制度改革に取り組んでいるようです

本書には
「21世紀半ばまでにはアメリカの
多数派が白人ではなくなると予測」
とあります

国の成り立ちから考えても
「人種問題」が根深いと
改めて痛感しました
先住民、黒人、移民の問題が
よくわかる解説書です

第2次トランプ政権で
アメリカ社会がどうなるのか
中国、ロシアとの関係も含めて
2025年は大きな社会変化が
待っているのかもしれません


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