ヴァン -私が愛したスパイ-感想
ストーリー★★★★★
えっち度★★★☆☆
糖度★★★☆☆
初めましての冬ノ熊肉さん。
ここ最近色んな作品聞きすぎてえろにかなり飽き気味だったんですが、なんかもっと創作意欲刺激する為に素敵な作品に触れたくて、この前に「あやしの花 恋愛譚」の熊肉さん買ってたんですね(そっちもよかったです)
そちらのキャラは役者さんなんですが、その作中でキャラが演じたのがこのヴァン、っていうのを聞いて、評価が異様に高かったのもあり、興味本位で購入しました。
結果、ストーリーの良さにめちゃくちゃ泣いてしまって個人的好きなCDの中に入りました…!
「映画を見たような気分になった」というレビューを見て「大げさに書くなぁ」とあまり期待してなかったのですが、視聴後、本当にそんな気分になりました。それほどストーリーが良かったです。
良かったので感想見る前に是非聞いて欲しいです。
以下ストーリーネタバレ含みます。
お話のあらすじは公式サイトさんで確認していただくとして、ザックリ説明すると1900年代の初め、17歳の男の子が父を亡くした9歳の主人公を養うことになるお話です。
舞台は日本ではなく、海外や歴史モノは大体外してしまうのですが、この作品は時代描写は非常にシンプルで分かりやすかったので感情移入しやすかったです。
身寄りのなくなった女の子が拾われて、自分が辛いときに一緒にいてくれた男の子に恋する、よくある話なんですが、主人公の台詞はないのに、子供ながらにちょっとずつ彼に好意を寄せているのが伝わってくる上に、男の子も厄介だと思いながらも本当の妹か娘のように大事にしてくれているので、お互いがなくてはならない存在になっていくふたりの関係性がとても好きでした。
そういうのめちゃくちゃ弱いんですよね…。それまで自分以外大事なものがなかった人って、何かを見つけたら誰よりも深く愛してくれるじゃないですか。それまで大事にしていた自分が壊れても厭わないくらいに。
その愛の深さに共感するし、それを私自身が一生手に入らないものだと思っているので凄く憧れてしまうんですよね。現実にはないものだからこそ儚くも見えるし、その儚さにも惹かれる。
ツナボニさんの作品は本当に「え?なんで主人公こんな行動するの?」というのが滅多にないんですよね。主人公が怒る時は「何いっとんじゃいコイツ」って私も思うし、笑う時は面白いって思う時だし、主人公が相手を心配しているときはこちらも同じような気持ちになってる。そういうシンクロ率って何気にめちゃくちゃ大事じゃないですか?
主人公を養うために日本軍のスパイのような仕事をやるようになり、ヴァンは壊れていくのですが、ヒロインめちゃくちゃ心配して止めて欲しいって言うんですね。そこからの流れは細かく書かずにザックリ言うと「ヴァンに何か返したい」と言って服脱ぐんですね。ザックリ書くと唐突感あるかもしれませんが非常に自然な流れなので聞いて下さい(笑)
因みに、言うまでもないことだとは思いますが、女の子は普段嫌いな処女設定です。愛撫はそこそこするんですが、「もうちょっとしてあげて…」って思う程度、しかも更に言うと普段なら「ありえない」と酷評する処女で絶頂する展開があります。ですが、今回はそこまで気になりませんでした。
何しろ子供の頃からの片思いの末だった上、ヴァンは戦争に行って生きて帰ってこられるかわからなかったのでそこら辺の恋愛とは重さが全然違うし、痛いとかそういう問題ではないんだろうな、というのが大きかったので。
エンディングは2種類あって、セオリー通りでした。
それなのにしっかりそれまでの流れで感情移入してしまっているので、バッドエンドでは泣いてしまいました。
彼が幸せそうな顔で手紙を書いていたという上司の台詞に、その表情を自然と想像してしまって。
ハッピーエンドも良かったです。良かったんですが、欲を言えばそこでも少しベッドシーン欲しかったなーと思いました。
今回はえっちなシーン初めての夜一回きりだったんですが、えろいとかよりも、切なさであったりとかの方の感情が強かったので、本当に幸せなシーンがあったら嬉しかったなーと。
「in the room」でも思ったことなんですが、よくある話でも演出の仕方や台詞の言葉選びを丁寧に行えば、それでも素敵な作品は出来るんだよなーと勉強になりました。
ちなみに。
あやしの花恋愛譚、良かったと書きましたし、熊肉さんの年下設定、あざとくなくて自然に可愛かったので好きだったんですが、熊肉さんのキャラよりもちょっと出てくる茶介さんのキャラの方が気になるんですよね…。
茶介さんはえっちよりもその声の落ち着いたトーンがすきなので買おうかどうか悩みます。私データの手軽さに慣れてしまって通販億劫に感じてしまっているんですよねー。ウォークマンに入れなくて済むし、場所にも困らない(笑)