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川根本町の「教育長人事」についての状況の整理。

こんにちは、佐々木です。
五月も後半に差し掛かり、いよいよ暑さが本格化する気配がしてきましたね。
日の出が早いので、我が家は21時就寝で、妻が4時、私は4時半、長女が5時半、次女が6時半頃に起きて活動を開始。
早起きして、読書をしたり勉強したりしてゆっくりする時間をとっています。
娘たちが起きてきたら朝のお散歩。
近所の木々や野花、川や空の様子の話をしながら近所を歩く時間は、とても好きで大切です。
早起きしないとこういう時間がなくバタバタと1日が過ぎてしまうので、早起き大事。


さて、今回は川根本町議会3月定例会での「教育長人事の議会不同意」の件について、状況を整理したいと思います。
3月議会のことが掲載されている"議会だより74号"が皆さまのお手元に届いたと思いますので、このタイミングで説明をしていきます。

【かわねほんちょう議会だより74号】

>これまでの流れの確認

3/14 定例会2日目
教育長任命追加議案(同意第2号)の上程、その後、全員協議会にて内容説明。
同意第2号について、全協での行政からの説明後、議員から出た質問は2件。

①義務教育学校2校が始まる重要なタイミングで教育長を新たに任命するのはなぜなのか。〈野口議員〉
②新たに任命される方は現時点でコミュニティー・スクールのディレクター兼推進委員をやっておられるが、それはどうなるのか〈佐々木〉

これらについての行政からの返答は
①新たに始まるタイミングで新たに任命することにより、川根本町の教育のさらなる進化を期待するものである。〈町長〉
②今年度末3/31で解任となり、新たなディレクターと推進委員については検討していく。〈総務課長〉

このあと、返答に対する再質問、他の議員からの意見や質問等の発言はなく、議長の"他に質問はあるか"との呼びかけにも反応はなく、この件については終わりました。
同意第2号について、行政からの説明、議員からの質問、それに対する返答を合わせて時間にして6分。
印象としてはかなりさらっと進みました。

3/22 定例会最終日
同意第2号についての議決。
議決の前に改めて「質疑」がありますが、そこで質疑をしたのは1名、日本共産党の大竹議員。
質疑内容は『新たに義務教育学校が始まるタイミングで教育長を新たに任命する理由は?』という、3/14の全協にて野口議員が質問した内容と同じものでした。
町長からは『新たに始まるタイミングで新たに任命することにより、川根本町の教育のさらなる進化を期待するものである。』で、全協での返答と同じもの。
大竹議員からの再質疑はなし。
そのあとの議長からの"他に質疑はありますか"にも全員がなしの返答。
そして議決へ。
(なお、人事案件については議会の申し合わせにより「討論」はありません)

議決は賛成者の起立によって行われますが、起立は4名。
当日の出席者は10名(議長は含まない。藤田議員欠席)だったので、結果は6名反対によって、同意2号は不同意との議決になりました。

同意(4名)
中田議員、中野暉議員、野口議員、佐々木
不同意(6名)
中澤議員、杉山議員、大竹議員、澤西議員、中原議員、中野浩和議員

>町民有志による『教育長人事について行政・議員にたずねる会』

3/27の18時半から、山村開発センター大会議室にて町民有志による『教育長人事について行政・議員にたずねる会』が開催されました。

議員の参加は野口直次議員と佐々木の2名。
行政の参加はありませんでした。(議事録未完成の状態が理由とのこと。なお、主催者側には日程等の"確定している事実"については伝えたようです。)

この会の様子については主催者の板谷さんのInstagramにアーカイブが残っていますのでこちらをご覧ください。
状況について、リアルな話が出ていると思います。
町民の皆さまからの率直な疑問について、お答えもさせていただいています。

板谷 信吾 on Instagram: "『教育長人事について行政•議員にたずねる会』 3/27(水)18:30〜 開発センター大会議室 この会に出席してくださった議員の方、この会のために様々なお話しをして下さった議員•行政•議会関係者の方々、会に足を運んでくださったみなさん、この動画を見てくださったみなさん。心からありがとうございました。 より多くの方々が、川根本町の子どもたち、そして川根本町の未来のために考え、協力して進んでいけるようなきっかけになればいいなと思っています。 #川根本町 #教育長人事について行政・議員にたずねる会" 44 likes, 2 comments - shingo.itaya on March 27, 2024: "『教育長人 www.instagram.com

会の中で読み上げた、欠席議員のコメントについてはこちらから。

板谷さんのInstagramのアーカイブについては、5/21現在で1421回の再生があるので、町民の関心の高さが伺えます。
(なお、当日、町民の方々は35名ほどいらして、Instagramのライブ配信では常時50名ほどがご覧になっていたようです。)

>その後の全員協議会にて。不同意の議員の"公式な"コメントの内容は。

3/29に全員協議会が行われ、不同意の理由について各議員が発言がありました。
「議会だより74号」の7ページに掲載されています。
各議員の発言内容をまとめると
⑴山下教育長が継続すべき。
⑵町長の説明が納得できなかった。説明不足。
⑶新しく指名した方がどんな方かよくわからないので質問できなかった。

の3点です。

この3点について1つずつ検証してみます。

(なお、"公式な"というのは議事録が残る場での責任ある発言であり、その他の場でそれとは違う説明をしているとすると、それは少々無責任じゃないかと思います。)

>⑴山下教育長が継続すべき。という意見が根拠の不同意について

さて、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」によると、

(任命)
第四条
教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有するもので、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律

そして、地方公務員法では、

(一般職に属する地方公務員及び特別職に属する地方公務員)
第三条
3 特別職は次に掲げる職とする。
一 就任について公選又は地方公共団体の議会の選挙、議決若しくは同意によることを必要とする職

地方公務員法

となっておりますので、任命に議会の同意が必要な「教育長」は"特別職"ということがわかります。

参考までに、「副町長」について、地方自治法では、

(副知事及び副市町村長の選任)
第百六十二条 副知事及び副市町村長は、普通地方公共団体の長が議会の同意を得てこれを選任する。

地方自治法

となっているので、「副町長」も"特別職"です。

この第百六十二条について、「逐条 地方自治法](松本英昭著 学陽書房)の解説によると

(解釈及び運用)
一 本条は、副知事又は副市町村長の選任手続きに関する規定である。本条の提案権は、都道府県知事又は市町村長に専属する。議案の形式は「何某を副知事又は副市町村長に選任したいから同意を求める」旨の議案で足りるものと解する。議会は、都道府県知事または市町村長から提出された右の議案に対して、その諾否を決するわけである。提案権は議会にないのであるから、当然議会は修正権を有せず、都道府県知事又は市町村長から示された副知事又は副市町村長の選任予定者について、その諾否を決するのみである。

「逐条 地方自治法](松本英昭著 学陽書房)

議決のうち、人事案件(特別職を含む)について、可とするのが同意、否とするのが不同意です。
同意を求める案件に対しては、議会は諾否の意思を表示するだけで、これに対する修正権はありません。

人事案件については、提案されている人物にフォーカスして諾否を決めるべきものだと私は考えます。
他の人物を引き合いに出して(例えば、議員が考える"もっと適している人物"について言及するなどして、それを不同意の理由とする)の不同意は、ルールから外れているのではないでしょうか。
それはつまり議会が修正権を持つことに等しいからです。

前述した『教育長人事について行政・議員にたずねる会』内での私の発言の中にもありますが、山下前教育長よりも新しく提案された石原氏の方が適しているかどうか(またはその逆)ということは論点ではないはずなのです。
(山下さんが川根本町の教育長としてどれくらい町のために尽力してくださったかは、たくさんのお話をさせていただいた中でよくわかっているつもりです。)

先に述べた通り、人事案件については、"提案されている人物にフォーカス"して諾否を決めるべきものなのです。
(もっと言うならば、法に則って「人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもの」であることに当てはまらないという明確な理由がなければ、同意すべき性質のものであると思います。繰り返しになりますが、人事案件については議会に提案権(修正権)はないのですから。)

>⑵町長の説明が納得できなかった。説明不足。

これは至極シンプル。
それならば、議員として、納得するまで説明を求めるべきでは?

>⑶新しく指名した方がどんな方かよくわからないので質問できなかった。

議会はこれまでも人事案件について、数多く"同意"してきました。
これまでの方々についてそのような理由で"不同意"をした議員はおりません。
これも⑵同様、よくわからなければ町長、行政に訊ねるべきでは?

>その後の動き

行政は、不同意の議員の方々と話をしているようです。
議会は、この件について、改めて集まって議論するということをしていません。

>教育長不在の影響は。

教育長という存在は、町内の学校を束ね、首長(町長)が考える"まちづくり"と重ねるような"まちの教育環境づくり"について首長に委ねられて指揮する役割です。
なので、不在だからといって、ただちに学校の運営が滞るということではありません。
ただ、不在によって、「教育長」がやるべき仕事をだれかが代わってやらなければならないので、教育委員や行政の担当課職員に負担がいきます。
今はまだ、それらの方々が踏ん張ってくれているのでなんとかなっていますが、長期化すると学校現場へ影響が大きくなってくると思います。

例えるならば、船長のいない船。店長のいない店。

今私ができることは、学校現場の困りごとや混乱状況を把握して、解決の手だてを関係者と協議するような動きをすることかなと思っています。

>今後どうなっていくのか。

行政側から、新たに人事案件が上程され、議会の同意がなされないことには、「教育長」は任命されません。

町長が同じ方を任命したい意志があるのであれば、今回不同意の議員の方々に納得していただくための、より丁寧な説明やまちづくりに対する想いを伝える必要がありますし、
別の方を任命することになれば、また一からの説明が必要です。

いずれにしても、
町長も、議会も、川根本町の未来がよりよいものになるための提案や判断をしていただきたいです。

議会6月定例会が6/4から始まります。
動きがでるのかでないのか、まだ不明ですが、前に進むことを期待しています。

そして、議会だよりの16ページにあるように、議会と町長が真に"車の両輪"であることを切に願います。

川根本町議会議員 佐々木直也

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