高校編は一旦最終回
ここからは駆け足で話を進めて行こうと思う。
当時バンドとバイトと女の子に現を抜かす高校生、安全ピン。勉強しなさい。いや、そのままでいいぞ安全ピン。
やはり同級生でもライブハウスで場数を踏んでるやつは手強かった。ライブハウスに居るといつもうずうずした。
あいつらも今はどうしてるのかわからない。
いまだにバンド一本道の馬鹿野郎は俺くらいかもしれない。
ストリップキングでもいろんな事があったはずなのだが、あまり思い出に残ってない。
正直あんまり楽しくなかったかも。
みんなそこまで本気じゃなかった。
だからいつもこんなもんじゃねぇと燻ってた。
文化祭でギターのイケメンと一緒にライブをやったけど別にそれで無双したという事もなく。
二つ上の先輩の卒業前のイベントでセルフカット先輩と二人でオリジナル曲をプレゼントしたりもした。がそれでなにかが変わったわけでもなく。
安全ピンの高校生活はなんとなく、バイトやバンド、恋愛にそれなりに過ぎ去っていく。
小話はたくさんある。
高一の時に隣の席の女の子と付き合ったがすぐに暴走族になってしまったり、その後付き合った彼女は教師に取られてしまったり、またケンシロウにフラれたり、友達のお母さんにキスされたり、いろんな事があった後にすごく長く付き合うことになる女の子に出会ったり。1000個のメロンパンを売らなきゃいけなくなったり。バイト先のスーパーが潰れたり。
世紀末過ぎる青春の話はバンドの事とはかけ離れていくから番外編で語るとしよう。
安全ピンは平凡だけど平凡じゃない変な青春を送りながら、部室を守る為に学校には休まず通った。
職員室に毎日鍵を取りに行くものだから先生とも仲良くしてたし、寝てばかりな割に成績も優秀だった。
なにせ学力的には底辺の公立高校だから、テストがとっても簡単だった。しかも教科が選択出来たので得意な事だけやってればよかった。
デザイン課だった安全ピンは、ほぼ絵を描いて過ごした。
そうすると何が起こるか。
高三で俺はこのまま就職だなと思っていた安全ピンにまさかの提案。
なんと三者面談の時に先生から進学を勧められたのである。
大学受験してみないかと。
この子がですか…?
みたいなリアクションの母。
いや、そうよね。
なんたって息子はバンドの事しか考えてなさそうだもんね。
信じられない母と安全ピンだったが、
北九州の大学に推薦でとんとん拍子で入学する事となる。
第一期生の大学合格は安全ピンを含め3名だけだったのででっかい垂れ幕が体育館に掛かった。
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