コーチングを受ける~ぽろりと漏れ出た本音に驚くの巻~(35/100日)
「時間をつくりたいんですよね」
と、わたしは言った。年明けくらいからずっといろいろなことに忙しく、自由時間なんてほとんど取れない日々が続いた。ここ最近はやっと落ち着いたはずなのだが、どうも効率が悪いらしい。やっぱり、なかなかゆっくりする時間は取れずにいる。
「なんのために時間をつくりたいですか?」
と、コーチングしてくれた人が聞いた。なんのために? そりゃあ、空いた時間で読書をしたり、ゲームをしたり、新しく始めたいアレコレのために考えたり、いろいろしたいんだけど。うーん、でも、それって一番なのかなあ。
「子どもと過ごす時間をつくりたい、からかな」
結局、わたしはそう答えていた。我が家の子ども達は、上は中1、下は小5。どちらもまだまだ、母のまわりをウロチョロしているが、もはやいつまで続くのか。タイムリミットが迫っているのは、明らかな年齢だ。だからせめて、子ども達が親にかまってくれる残りわずかの時間を、できるだけ一緒に楽しく過ごしたいのだと、わたしはそう言った。
(え、そうだったのか)
言っておいて、すごくびっくりした。母親になって12年とちょっと経つが、わたしは自分がちゃんと母をやっていると思ったことは一度もない。もともと、別に子ども好きでもなかったし。育児も常に自分優先で、手を抜きまくっていた。それでも、彼らが小さな頃はめちゃくちゃしんどかった記憶しかない。
子どものために母親は我慢すべきと思ったこともないし、母になったとてわたしはわたしよ! と言い続けてきた。そういうタイプなので、自分の口から「子どもと」と出てきたことに、我ながら驚いてしまったのだ。ゲームがしたいからじゃないんかい、と。(いや、その時間ももちろんほしいんですけど)
こうやって、思いがけない本音がぽろりと漏れ出てしまう。それがコーチングなのだという。おもしろいな、と思った。と同時に、今わたしが、子どもとの時間を一番大事にしたいと感じていることに気づかされた。なら、そこを一番大切にして動けばいいんだ、と。
あれもこれもやりたいけど、どうしたらいい? と迷ったら、一番の目的は何なのか、をじっくりと考えてみたらいい。そうしたら、もっとも重視したい行動指針みたいなものが見えてくるかもしれない。