いろんな「わたし」がいた方がいい
今日は母校の文化祭に顔を出した。特別悪い生徒でも、申し分のない優等生でもなかったはずで、あの頃はそりゃそれなりに「先生」に対して反発もしたし、腹を立てたりもした。
けれど時が経ってみれば、そんなのはみんな笑い話だ。知った顔を見れば「懐かしい」と感じるし、記憶の中の顔よりシワが増えている、とか白髪が生えている、とか妙な気持ちになったりもする。
卒業してから、20年にはまだ満たない…くらいの月日が流れて。気づけば当時の先生の年齢を軽く飛び越えて。それでも今会えば、やっぱりわたし達は「生徒」に戻る。
母でも、妻でも、働く人でもない。一人でいるときや友達といるときの「わたし」でもない。
この感覚はなんだか不思議で、そしてなんだか心地が良い。
少ない面しか持てない人は、あやういのではないかな、と思う。たとえば母としての自分が強すぎて、そこで自信をなくしてしまったら、人としても潰れてしまうから。
ともすると視野が狭くなりがちなわたしだけれど、ふと立ち止まってみるといろんな「わたし」がいて。わたしの世界はバランスよく回っているのだなと感じる。