かれとわたしのバランス
似た者夫婦という言葉があるように、たしかにわたしと夫には似たところがある。残念ながらそれは思いつく限り短所が多く、さっぱり威張れたものではないけれど。
一方、全然似ていないなと思うところもある。わたしは良くも悪くも考え込んでしまうタチなのだけど、夫は真逆。基本、面倒なことは考えない。また、わたしが基本ネガティブ思考なのに比べて、彼はポジティブ……というのかどうなのか、とにかく悪い方に考えることをしない。
たとえばわたしは、夫にはわりと何でも話してしまう。内緒にしておく、というのがどうも苦手なのだ。あと、単純に喋りたい。彼は夫である前は彼氏だったが、その前はもうずっと友達だった。いまの距離感として仲の良い友達といった感じが強く、話し相手としては最適なのだ。
その日あったこと、子どものこと、共通の友達の話題(共通じゃなくても勝手に話すけど)、あとは仕事の話も。
仕事で失敗をしたとき、内心ショックを受けて「あーーまただめだった。なんっでこんなポンコツなのわたし」とミジンコマインドに取り憑かれているときは、夫のテキトーな調子がかえって薬になったりする。
「今日こんな失敗してさー(いやマジ向いてないわこの仕事。辞めた方がいいかも)」
「まじか〜。ドンマーイw」
……万事こんな調子である。もしかすると、「真剣に悩んでるのに!」と腹をたてる人がいるかもしれないけれど、わたしの場合は、なんだか肩の荷が降りたように軽くなって。
あ、なんか重く考えすぎてたかも。
そう、楽になるのだ。夫のいい加減なところには不満も多いのだけど、こういうときはかえって嬉しい。ネガティブ沼に沈みかけた視点を、ぐっと上方に持ち上げてもらえるから。
これはこれで案外、バランス取れてるのかもなあと思う、そんな夜。