みんなと一緒じゃなくていい(5/100)
4月1日、土曜日。晴れ。市内にひとつしかない遊園地は、たくさんの人でごった返している。春休みだから、子連れが多い。あとは、子どもだけのグループ。もう少し大きなお兄さん、お姉さんのカップルもちらほら。
ご多分に漏れず、わたしも子連れ客のひとりだ。保育園時代から一緒の子ども達、ママ友とグループで遊びに来ていた。
上の子は春から中学生。もう親が一緒について回らなくても、子どもだけで勝手に遊び回っている。親はフードコートに拠点を構える。疲れたり、喉が渇いたり、お腹が空いたりした子ども達がかわるがわるやってきては、またふらりと遊びに戻っていく。
ある女の子が「疲れた」とひとりで戻ってきて、しばらくスマホをいじっていた。少しして他の子が「ここにいたんだ」とやってくる。続いて、「ねえ、あれ乗りに行くんだけど、○○も一緒に行こうよ」と誘う。ところがその女の子は、「やめとく。疲れたから」とあっさりと断った。断られた子も、「そっか」とあっさりだ。
それを見て咄嗟に、すごいなと思う。わたしなら、きっと相手に合わせてしまうから。
みんなと一緒じゃなくていい。それが自然にできるって、とても素敵なことだなと、子ども達を通して感じた瞬間だった。