【或る高校教師の苦悩19】夢の跡

(前話「岩倉のおもちゃ」の続きです。)

気が付くと俺は家に帰りついていた。
今日は事務作業がたまっており、結構残業してから家路についたはずだが、その間の記憶がすっぽりと抜け落ちてしまっている。
残業している間も、帰りの電車に揺られている間も、俺は完全にうわの空であった。
その代わり、今日あったことを頭の中で何度も反芻していた。
反芻したくなくても、何度も何度も思い出されて頭から離れない。
俺にとって、それくらい衝撃的な1日だった。

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