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未解答

" ほんとうに苦しいときにそれを口にしたとして、聞いた相手が「答え」を出したなら、その人のことを信頼してはならない。" 

すこし前、某現役医者がラジオで何気なく言っていたこの言葉は、文章にしたとして個人的には大変よく理解できる。苦しみは、死ねない限り続く。我々はそんなこと端から解っているのである。そのときに、" 答え" など何の意味も持たない。目の前にいる人が苦しみを言葉にしたのなら、貴方の役目はおそらく既に果たされているように思う。
(もちろんここでいう「信頼」というのは人としてだとか、その人を否定しているだとかではなく、もっと限定的、且つ抽象的な精神の領域を指している、と念の為付け加えておく。)


わたしは思う。普通のことがなんにもできないと。家族の風景も学校の風景も悍ましい。過去は重くて背負えない。全ては自分の責任であるにも関わらず、振り返るだけで簡単に崩れ落ちる。それどころか、うまく眠ることも、食べることもできない。"普通" の人たちは、死ぬことばかり考えて生きている訳ではないらしいけれど、そんな難しいことわたしには到底できない。


苦しいときに意味を持つのは、朦朧とした意識のなかで見る月であり、街灯の光であり、それに照らされる自分の皮膚であり、眠気であり、他人の体温であり、言葉にすることなのである。そのとき皮肉にも、わたしはここに肉体を持っていることを思い出す。もちろんそこにも答えなどはない。


死んで神様と言われるよりも、
生きて馬鹿だと言われましょうね?

命を捨てないようにね?
尻込みなさい、逃げなさい、隠れなさい

加川良


神さま、逃げ方を教えてください
一体どれだけの力があれば泣けるんですか。


死ねないわたしは今



【余談】
元気です。


加川良が力強くて圧巻。


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