アクティブ・ディフェンスの整備を 神保謙・慶大教授
アクティブ・ディフェンスはアメリカのサイバーセキュリティで長きに亘り一般用語。
各機関の連携とSecurity Operation Centerの運用管理を担う人材が益々求められるが現在はどうなんだろう。
日本の抑止力の課題として「積極的な防衛体制(アクティブ・ディフェンス)」の整備がある。航空・鉄道・電力などの重要インフラがサイバー攻撃にさらされ、物理的被害や人命が奪われるXデーが迫っていると考えるべきだ。
機能保証を重視した受動防衛だけでなく、攻撃者に反撃するアクティブ・ディフェンスが必要だ。
米国は法的に自衛権の範囲としている。国家サイバー長官が民間機関の防衛やサイバーセキュリティーの予算を監督し、国家安全保障会議(NSC)が指揮をとる。
日本は憲法21条の「通信の秘密」の制約があり、法的な整理ができていない。
自衛権として認めたとしても態勢は脆弱だ。軍事的な衝突に発展する可能性があるアクティブ・ディフェンスに関し、サイバー分野を所管する内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)や警察庁、総務省と防衛省がよく連携する必要がある。
バイデン米大統領は「自国を守る意志がなければ米軍が駐留しても意味がない」と語った。日本が独自の抑止力を強化してこそ日米同盟も機能する。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?