米シトリックス・システムズ上昇 「物言う株主」に思惑
2015年ゴロまではバーチャルデスクトップやTV会議などを業務でも活用していた。
物言う株主の成功事例となることに期待。
米ソフトウエア企業のシトリックス・システムズ株が8日の米株式市場で一時前日比9%高の112.3ドルまで上げた。米アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントが同社株を取得し、協力して企業価値を向上させたいと会社に申し出たと報じられた。
シトリックスはリモートアクセスなどを担うソフトを手掛ける。新型コロナウイルス禍でテレワーク特需への期待が高まり、2020年春以降、株価は急伸した。その後は業績が市場予測を下回ることが続き、7月を高値に下落基調に転じた。株価は昨年末から今月7日までに2割下がった。
「コロナ禍の追い風をかなり受ける業種なのに、この業績は経営陣に問題があると考えられていた。エリオットの参加を株主は歓迎している」(国内証券ストラテジスト)
エリオットは15年半ばにもシトリックスの株主となって最高経営責任者の交代や主力以外の事業の分離などを迫り、実現させた経緯がある。エリオットが20年4月に同社株を手放すまでに株価は約3倍の150ドル前後に上昇した。