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行動経済学についての学び③/認知のクセ

相良 奈美香さんの『行動経済学が最強の学問である』を読んで学んだことをまとめています。

 今日は、行動経済学についての学び②の投稿で紹介した「システム1VSシステム2」からつながる理論を説明していきます。

 ざっくりいうと、システム1とは直感的な判断によって行動すること、システム2とは理論的な判断によって行動することをいいます。特にシステム1によって人間は非合理な判断による意思決定をしてしまうので、上手に使いこなす必要があります。
 
 では、システム1によってどのような認知のクセが引き起こされるのか。それは、有名なものを挙げると「自制バイアス」、「メンタルアカウンティング」、「埋没コスト」、「機会コスト」、「ホットハンド効果」などがあります。

それぞれどのような認知のクセがあるのでしょうか??
「自制バイアス」、「埋没コスト」、「機会コスト」を取り上げて行きます。

①「自制バイアス」
買うつもりはないのに思わずポチってしまった。という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
人は、「私は誘惑に負けない。衝動的な行動を抑えられる」と自分を過大評価する認知の癖クセを持っています。 これを「自制バイアス」と呼びます。誘惑に弱いのに誘惑に弱いことを理解していないという非合理 さに対処するには誘惑されそうな状況に身を置かないことです。誘惑に負けないようにしようと意志の力で頑張るより、自分は誘惑に弱いと認識し仕組みを作ることが大切です。
 例えば買い物ではない例を1つ挙げられると、SNSの誘惑に負けたくない人は、誘惑に負けない仕組みを作ることが大切です。一番良いのはアプリを削除することですが、それが難しい場合、効果的なのは、使うたびにログアウトすることです。そうすることで、ログインする時に冷静になる時間があり、SNSを見ることにストップをかけることができます。

②「 埋没コスト」
 「埋没コスト」とは 一度何かを始めたら、たとえ成果が出ていなくてもそこに費やした時間、お金、労力を取り戻そうと継続してしまうという非合理なバイアスです。例えば ギャンブルで5万円もつぎ込んだんだからあと3万円入れて回収しようと 熱くなってしまうのも同じく埋没コストが働いています
 また、失うものよりも得るものの方が大きい場合でも、失うものに目を向けて非合理な結果を招いてしまうこともあります。

③「機会コスト」
埋没コストと合わせて知っておくべきなのは機会コストです。埋没コストは時間、お金、労力が無駄になるだけではありません。その時間で他にもっと成功につなげることができるはずなのにそれができなくなる。つまり、「機会損失が一番の痛手です。」例えばすでにうまくいっていないプロジェクトを継続するエネルギーや予算、人材を別のところに回したら新たな機械が生まれるはずです。これが機会コストです。
 時間で考えると、石の上にも3年という言葉がありますが、石の上にいる時間で他のことができる可能性がある。それが機会コストの考え方です。

メンタルアカウンティングとホットハンド効果については、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。今まで非合理だと思っていた心理的な動きが理論的に説明され、面白いです。


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