特例子会社の闇
昨日、卒業生がお世話になっている特例子会社で大人気なく泣いてしまいました…
特例子会社とは
特例子会社とは、障害者雇用の促進を図るため、障害者の雇用において特別の配慮をする子会社のことです。
障害者に合わせて設備や制度が整えている点が、大きな特徴です。また、全従業員のうち障害者が占める割合も、一般の企業と比較して非常に高くなります。障害に対する配慮も一般企業より手厚いです。
障害者に優しい世界はどこ!?
以前担任をしていた卒業生が特例子会社でお世話になっています。入社して約半年ですが、今まで何度か「緊急で来てください」と言われ、度々訪問しています。
昨日も訪問してきたのですが、そこで障害者に優しい世界はどこに存在するのだろうと悔しい気持ちでいっぱいになることがありました。
その卒業生は全体の前で指導された時やものを落とした時に「わたしなんてダメなんだ。死にたい。」とパニックになってしまうようです。
昔学校でも友達関係で悩んだとき、そういうことがありましたが、彼女の想いを受け止め、話を聞くことで、切り替えて頑張ることができていました。それを提案したところ「企業は福祉サービスではない」と怒鳴られました。いやいや、わたしだって職場でしんどいとき、管理職が話を聞いてくれたり声をかけてくれたりするし、働いてる人の安全と健康を守ることは企業の責任ではないのかと。
そして、企業の方からつらつらと彼女の失敗話、困っている話をされ、ついには「先生、こんな子が企業で働けると思いますか!?」と怒鳴られました。
衝撃でした。この言葉を聞いて、「あ、この人たちはわたしの大事な宝物の生徒を無碍に扱っているんだな」と。涙が出ました。
わたしが持っていた特例子会社のイメージは障害者に理解がある。配慮してくれる。でした。
これは間違っていたようです。
特例子会社によっては保護者と日誌でやり取りをしたり、個別に適切な配慮をしてくれたりするところがたくさんあるのを知っているので尚更なにやってんだよ!!!と腹が立ちました。
会社から戻り、彼女と彼女の保護者に電話で話を聞くと、会社の方に「落とし物をするような人はうちの会社にいりません」と言われたそうです。
わたしがもし「あなたはいらない存在です」と言われたら、また物を落とした時、彼女と同じようにパニックになると思います。「わたしはやっぱりいらない存在なんだ…」と本当に命を絶ってしまうかもしれません。
でも会社はアフターケアを徹底してほしい。彼女を入院させて治療するべきだ。と言うのです。会社に全く非はないようですね。
わたしは「あなたたちの指導方法を変えることが一番の解決方法だ」と心の中で叫びました。
彼女は社会人になってから自傷をするようになってしまいました。会社で頭を壁に何度も強く打ち付けたそうです。それを会社の人は「彼女のことが心配」ではなく、周りの人が怖いと思うからやめてほしいというのです。
そして「やめなさい!」と叱る。
障害のある人たちと関わっている人なら当然、自傷行為をしている人に大きな声で怒鳴ったり否定したりすることはNGであることは常識だと思っていました。
そんな知識も愛も配慮もない人たちだらけの会社で彼女は働くことが本当に幸せなのでしょうか。
障害のある人は苦手なことがたくさんあります。人に迷惑をかけてしまうこともたくさんあります。でもそれは私たちも一緒です。迷惑をかけるから「この子はだめだ」と言われているようで悔しかったです。
「扱いやすい」障害者
いらない存在だと言われてもめげずに頑張れる障害者もいます。そういういわゆる「扱いやすい」障害者だけしか日本では働けないのでしょうか?
障害のある人は、空気を読んだり暗黙の了解が苦手です。なので私たち教員はだめなものはだめとはっきり言うことも必要ですし、実際わたしもそう指導しています。
ただ、その会社は「障害のある人にはなにをいってもいい」とそう感じられましたし、何より愛がない。特例子会社という障害のある人を扱う会社がそんなんでいいのか!!!!
法定雇用率のためだけのコマとして扱われているようで腹立たしいです。
わたしはやはり担任だったので生徒寄りの見方で見てしまいます。ですので、皆さんがこの記事を読んで素直にどう思ったか知りたいです。
嫌なことは寝たら割と忘れるんですが、今回は思い出すたびに涙が止まりません。自分が育てた生徒を否定されるってこんなにも辛いんだ。
障害のある人に対してたくさんの愛と優しさでいっぱいの世界になればいいのにな。
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