往生際の意味を知れ!/米代恭
米代恭先生は前作のあげくの果てのカノンから気になっていた漫画家さん。
心酔した、ストーカーじみた愛情表現は今作も引き続きとってもお上手。それをするりするりと交わす相手役と、主人公が立ち向かっていく最凶なボスと、これが"米代恭構文"…なのか?
次回作はどう出てくるのか既に楽しみである。
前作のSF設定と比べて、現実味のある設定。
恋愛の軸はあるものの、やはりミステリー要素が読み進める手を加速させる。
自身の人生をめちゃくちゃにした母親へ復讐する日和と、その日和に心酔し利用され続ける主人公なわけだが、
最後まで日和が何を考えているのか分からず感情移入しきれなかった。
ある意味、主人公の目線に近いのかもしれない、とプラス思考に捉える。
母親の元を離れこれまで受けた仕打ちの復讐をすることでこれ以上の母親の暴走を止めようとする長女と次女も、正しくないとは知りながらもその比護下で利益を享受し続ける三女も、利用されていることは知りつつも好きな人の呪縛から逃れられない叔母さんも
誰もおかしくなくて、とても人間らしいな、と。
どれだけ憎んでも家族だから、愛してる!的なさむい締めくくりでなかったのがよかった。
消化しきれていない部分はこれからまた読み直そうと思います。