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色彩検定UC級:第4章 色覚異常による色の見え方

4-1.色覚の多様性

1.先天性の色覚異常(遺伝による錐体細胞の変異)

長波長:L錐体
中波長:M錐体
短波長:S錐体

2.後天性の色覚異常(病気、ケガ、心因性)

3.加齢による色覚変化(水晶体の光学特性などの変化)

・水晶体の黄変
・青系識別の低下(見ている世界から青い光が引かれた見え方になる)

4.ロービジョン(病気やけがによる視力低下と視野欠損)

・緑内障:視神経の障害が起こる(視野外側から見えなくなってくる)
・糖尿病網膜症:糖尿病により網膜の血管がつまったり、出血したり、網膜が剥離したりする(比較的ゆっくりと自覚症状がなく進行。失明原因の1位)
・網膜色素変性症:遺伝性。網膜の杆体から障害が始まり、錐体にも障害が及ぶ(夜盲となり、周辺→中心が見えなくなる。ゆっくりと障害が進む)
・黄斑変性症:加齢で起こる(視野中心が歪んだり、見えなくなったりする)

4-2.色覚異常とは

<日本人>
男性 5%
女性 0.2%

・人種により異なる
黒人男性 4%
白人男性 6~8%

・0.001%、1種類の錐体しかはたらかない人や杆体しか持たない人(1色覚)がいます。明るさの違いはわかりますが、色の区別をすることができず、視力も低くなる

4-3.色覚異常タイプ

3色覚 正常色覚:C型
1型色覚(Protan)L錐体異常:P型
2型色覚(Deutan)M錐体異常:D型
3型色覚(Tritan)S錐体異常:T型
1色覚:A型

4-4.色覚異常の見え

3型色覚
黄色と青紫の違いや、青と緑や青と黒の区別がつきにくい特性
後天的な原因により起こるのがほとんどであり、色覚の記憶を持つため日常生活の不便はあまりないといわれている

1型色覚と2型色覚
大きく見れば、赤系統と緑系統との間の区別がつきにくい
色相環の赤と緑の距離が近づいて見える特性

<色覚以上の人がより見えにくくなる条件(正常色覚の場合にも当てはまる>
・暗いところ
・対象物が小さい
・2色が離れている
・短時間で見る、ゆとりがない

4-5.タイプ別の混同しやすい色(混同色線)

4-6.色覚検査法

1.色覚検査表(仮性同色表)
(1)石原色覚検査表Ⅱ国際版38表
(2)標準色覚検査表(SPP)

2.色相配列検査
パネルD-15テスト

3.アノマロスコープ検査
先天性の赤緑色覚異常の特性を調べる

4-7.色覚異常と遺伝

ヒトの染色体は46個あり、計23対のうち22対を常染色体、残り1対を性染色体という。
女性 XX
男性 Xy

色覚異常の遺伝子はそのうちX染色体にある

<コラム>
色覚異常の最初の研究者 ジョン・ドルトン(1766-1844)

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