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色彩検定UC級:第7章 色のユニバーサルデザインの進め方
7-1.色のユニバーサルデザインの特徴
私たちはさまざまな行動を起こす前に、まずまわりにある視覚情報を探索し、そこから得た情報を元に行動の内容を決定しています。
視覚情報の制作者や送り手は、その情報が多くの人にとってわかりやすく的確に理解できるように留意しなければなりません。
さまざまな視覚特性を持ったエンドユーザーに最終案を確認してもらう
多様な視覚特性に配慮したシミュレーションソフトで確認する
問題あるデザインについてできるだけ多くの事例に接し、さらにその修正案を考えていくことによって、色のユニバーサルデザインに習慣的に取り組めるようになる
<色のユニバーサルデザインの対象>
製造業:製品、パッケージ、リモコン、取扱説明書
情報発信:テレビ、WEB、雑誌、広告
サイン表示:交通機関、屋外・室内サイン
その他:医療・福祉・教育機関
7-2.色の機能的役割とその配慮
色の機能的特徴
1.視認性
2.明視性・可読性
明度さを大きく取る
背景と文字の間にセパレーションカラーを使って文字のアウトラインをつける
3.誘目性
赤を用いる場合は、背景色を調整して明暗コントラスト強調するか、赤をオレンジの方向に変更すると、色を区別しにくい人たちでも対象物に気がつきやすくなる
4.識別性
線種によって識別の手がかりを与える
5.意味性・記号性
文字に白いアウトラインをつけると文字の可読性が高くなる
マークに文字を添えて表示
色だけではなく、文字や記号も添えた表示にすると、色覚特性の異なる人にも区別しやすくなる
7-3.色のユニバーサルデザインの手順
1.条件の整理
どのようなユーザー、どのような環境、場面で見たり使われたりするか
ユーザーの要望や問題点
2.基本方針の選定
情報伝達を高めるために使うか、印象の演出のために使うかを決める
色、形、書体、素材、仕上げなど
情報伝達性能:区別しやすく、見つけやすく、読みやすくする
印象演出効果
3.設計案の作成
多くの人に情報を的確に伝えやすい設計案を作成する
4.有効性のチェック
シミュレーションソフトやシミュレーションメガネ(フィルター)などを用いてチェック
色覚異常の方や、高齢者、ロービジョン、子どもや日本語のわからない海外の方などにも、実際に確認してもらうことが理想的
5.デザインの補正
6.完成
7-4.設計と修正のポイント
1.多くの人が区別しやすい色を用いる
(1)色の明度差をつける
(2)文字にアウトライン、背景と図に境界線を入れる
(3)色の再度差をつける、低彩度色の組み合わせは避ける
(4)区別しにくい色系統の組み合わせを避ける
(5)微妙な色違いも検討し、区別しやすくする
2.色以外の要素を活用する
(1)表示を大きくする、文字を太くする
(2)形を変える
(3)異なるハッチング(地模様)を入れる
(4)文字や番号をつける、アンダーラインを加える
3.色名をつける
7-5.チェックの方法
1.画像の白黒化
2.シミュレーションソフト
さまざまな人からどのような色に見えているかは容易には確かめようがない
(1)Webソフト
色覚異常
・Vischeck
・UDing(東洋インキ)
・Chromatic Vision Simulator(浅田一憲)
色覚異常と高齢者とロービジョン
視力、色覚異常タイプ、水晶体透過率(年齢)の変更
・miChecker(総務省)
・aDesigner(IBM)
(2)アプリ
・色のシミュレータ(浅田一憲)
(3)アドビソフト
イラストレーター、フォトショップ
3.色覚シミュレーション・モニター画面
4.フィルター(メガネ)
5.当事者に確認してもらう