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幸せ❤️自閉症な暮らし#7(ベルギー🇧🇪時代 4〜5歳)〜PECS

私達は夫の海外赴任により、Ryo 4〜5歳、Eri 3〜4歳の時、2年間、ベルギーで暮らした。

ベルギーでの成長は、なんといっても「PECS」により、言葉を獲得したことである。
PECSは写真カードを使ったコミュニケーションの方法で、日本人とベルギー人のハーフの言語訓練士のS先生に教わった。

Ryoは4歳で渡欧するまで、言葉を一言も話さなかった。Ryoは人に関心がなかったので、人が話している言葉にも関心がなかった。だから、言葉を話さなかった、と思う。

初めて、S先生の教室に行った時、「RyoくんにPECSで言葉を教えたいと思います。Ryoくんの好きな食べ物は何ですか?」と聞かれた。Ryoは小さい頃から「のり」が好きで、海苔はPECSの取っ掛かりとしてはベストだったと思う。たくさん食べても太らないし、小さく切れる(つまり、安い)、そして、発音しやすい、この後のRyoの成長において、海苔は随所に登場する。
日本🇯🇵に海苔があってよかった。
Ryoが日本人でよかった😊

S先生とRyoが対面で座り、私がRyoの後ろに座る。机の上に「のり」の写真を一枚置き、私が後ろからRyoの腕を動かし、のりの写真カードをS先生に渡すように促す。Ryoが先生に、のりカードを渡すと、先生が、
「のり」と言って、海苔をすぐにくれる。これを何回も繰り返す。だんだん、Ryoは「のりカード」を渡すと海苔がもらえることに気づく。「のりカード」はRyoの言葉を目で見える形にしたもので、言葉を渡せば、自分が欲しいものが手に入る!言葉って便利❗️言葉を使おう‼️となっていく。
ただ、これを獲得するまでは、繰り返し繰り返しの練習が必要だった。


海苔の写真カードは、理解が進むにつれ、だんだん小さくし、次に海苔の写真の上に
「のり」と読み仮名を書いて、音と字をセットで覚える。

Ryoが好きな食べ物のカードをプリン、チョコ、パンなど少しずつ増やす。

次に、「ください」カードを加えて、
「のり、ください」と2語文を作れるようにする。

カードが増えてきたら、PECSのファイルを作り、このページはおやつのページ、このページはご飯のページなど、分類分けする。

家では、PECSのファイルは常に同じ場所に置き、Ryoは欲しいものがある時は、PECSのファイルの所に行くようになった。
私はRyoが欲しいものは全て戸棚にしまい、Ryoがカードを持ってこない限り渡さないようにした。
その為、Ryoは一日に何回もPECSを使うようになった。

毎日の練習の繰り返しで、Ryoは「のり」「チップス」「あめ」など、単語が少しずつでてきて、そこに「ください」をつけて、「のり、ください」と2語文が言えるようになっていった。

Ryoが最初に言った言葉は、皆さんの想像通り、「ママ」でも「パパ」でもなく、
「のり」である😓

緑の台紙の食べ物カードの中から自分が欲しい物を選んで、手前の白い横長の台紙に、例えば、のり、ください、と貼って、言葉を作り、その白い横長のカードを人に渡すと、その人から、欲しい物をもらえる。

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