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寺田学議員(立憲)2024年4月5日衆議院法務委員会

寺田学議員(立憲)が4月3日行われました参考人聴取の際の与党側の姿勢を問いただしておりましたので書き起こしました。

寺田議員
寺田です。早速始めます。
この民法の改正案の提出には法制審含めて相当多くの議論が費やされて、 また、与党内においても慎重、賛成派両方から意見があって、それをなんとかまとめなきゃいけないという目的のもので、相当な部分が玉虫色の法案になってると。このままであれば、立法者の意思というものが全く示されないまま裁判所に丸投げするということになってしまうこと、大変危惧しております。そのような事態になったら、私は立法府の一員ではありますけども、立法府の怠慢そのもので職務放棄に近いと思ってますので、いろいろなご事情があると思いますが、その責務を果たすために十分な質疑時間を取ることを委員長含め各理事にはお願いを申し上げたいというふうに思ってます。
そのような大事な法案ではあるんですが、 一言苦言を申し上げたいんですけれども、この委員会の環境というものは、先日まで見る限り、本当にふさわしくないと思います。先日、参考人質疑を行いましたけれども、この2列目、誰もいなかったですよ、途中で。(右斜め後ろを指差し)
何考えてんですか。我々委員会側がお忙しい中、頭を下げて来ていただいてお話をしていただいてるにもかかわらず、離席をしてると。一瞬ならいいですよ。誰もいなかったですよ、この2列目。(そうだの声)自民党も公明党も。そういう態度でこの法案に向き合ってるということに私は甚だ、大きなその問題点を抱えてるというか、そういう態度でやるんだったら一回ひっこめて違う法案をやった方がいいですよ。
もっともっと時間とってやれるような環境で真摯に向き合う態度が私は欲しいと思っております。中野さんにも聞いときますが、あなた政務官ですよ。法案の提出をお願いしてる立場に関わらず、参考人質疑の時にどんな態度でした?ずっと寝てましたよ。(ふーん、の声)タバコも何度も吸いに行ってましたよね。そんな態度で政府がいるんだったら、立法府として受け止めて審議したくないですよ。どういう自覚してるんですか。

中野法務大臣政務官
ただ今、私が委員として法務委員会に出席する際の行動についてご指摘をいただきました。私の立場を踏まえ、自らの行動を正してまいりたいと存じます。
また、貴重な審議時間を使ってご質問をいただいたこと自体、国会議員として真摯に受け止めなければならないと認識をいたしております。大変に申し訳なく存じます。改めて、自らの重責を思いをいたし、このようなご指摘をいただくことが2度とないように、緊張感を持って職務に向き合ってまいりたいと存じます。大変に申し訳ございませんでした。

寺田議員
再三、与党の皆さんも野党の皆さんも、それぞれの価値観を持ちながら、ものすごく大事な法案で、誰かを救ってあげたいとして本気でやってる審議ですし、それぞれの悩みを抱え、代弁しながらやってると思いますので、大事だと思うんです。
なので、本当にそういう環境を整えることは、この委員会、この法案に対しても本当に大事だと思いますので、よろしくお願いします。
で、色々な価値観があるのであまり申し上げたくないんですが、先ほどから自民党さんの質疑を聞いていて、その家族感やその視点というものに強く違和感を持ちました。とむ、いらっしゃいますかね。
後でちゃんと機会を設けながらお話があってもいいと思うんですが。私は、先ほどの発言の中で、DVや児童虐待がなければ離婚しにくい社会がいいというのには、甚だ強い違和感を私は持ちました。(そうだの声)
DVがなくても両親の不仲や対立関係によって子どもに相当な影響を与えることは、先日の参考人の質疑の中でもはっきりとお述べになられてる方いらっしゃいましたけども、離婚することで守られる子どもの利益だってたくさんあるわけで。で、もちろん、子どもがいなくても、その共にいることが辛い関係ということも、継続することがどれだけ辛いことかってことは、自分の周辺の友人たちの悩みを見てみても思います。それと、自民党の先生から、子どもを連れて主にお母さんが逃げたことに関して、「子の連れ去り」と表現されてること、一般的に使われてることにも違和感を持ってます
色々なケースがありますので、全てが全てとは私は申し上げませんが、一般論として、何の理由もなく、一度築いた生活の基盤を全て投げ打って、子どもを連れて逃げていくことがどれだけ大変なのかっていうことを本当に理解されてその用語を使われてるのかなと私は思います。(そうだの声)
生活の基盤って皆さんなんか想像できますか、ちゃんと。
1個1個分解して申し上げたいんですけども、保育園を選んだり、幼稚園を選んだり、学校の先生がその友達との関係を一生懸命作ったり、どんな塾がいいだろう、どんな習い事がいいだろう、その習い事やってるようなクラブはどういうところなんだろうっていうことを情報収集して、ようやく選んで始まっている習い事や塾、困った時に頼ることができる、いわゆるママ友・パパ友・近所との子育ての関係のための人間関係。子どものことをよく知って、長年ずっと見てくれている小児科医だったり歯医者さん。使い慣れた公園だったり、何が危険かどうかってことをよくわかってる公園だったり、そして日常的に通ってるスーパーとか。そういうものが生活基盤であって、これらを築くのにどれぐらいの苦労をしているのかってことを、本当にわかって言ってるのかと私は思います。
これらのすべてのものをリセットしてやり直すっていうこと自体が、よほど相当大きな決意だということを私は理解した上で言葉選びするべきだと思います。そんな大変なことをリセットしてまでも逃げる大きな理由があるということは、私は一般的に想像がつきます。
こういうことを、おそらく子育てに本当に主体的に関わってないと理解できないですよ。やってます?(そうだの声)
私も今、子どもがバスケットボールクラブに通うために様々探して、それがどのような会場で、どのような頻度でやられ、どういう人が集まっていて、 で、それに通わせることによってどれくらいお金がかかって、どういう人間関係ができるのかということを1個1個時間作りながらやってますよ。皆さんそれやってます、本当に?そんなこともわからないで、一般的にその生活基盤を全て投げ打って出ていかざるを得ない環境を「子どもの連れ去り」と一般的に使ってることに私は強い違和感を思います。(複数の拍手)
具体的な質疑に入ります。あの819条、今日お手元の方に資料配りました。
あの条文に並べたことと簡単な絵を示してるんですが、最初に大臣にお聞きすること、ちょっと時間の問題があるので飛ばしますけれども、
離婚後の親権の指定判断において、一般的にいわゆる単独の指定よりも共同親権の指定の方が認められやすいというような話が流布されています。
局長、 この単独親権よりも共同親権の方が認められやすいんだ、というような見方に対して、どのようなお考えをお持ちですか。

法務省民事局長
本改正案では、裁判所が離婚後の親権者を判断するにあたっては、子の利益のため父母と子との関係や父と母との関係、その他一切の事情を考慮しなければならないこととしております。また、父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときは、裁判所は、必ず父母の一方を親権者と定めなければならないこととしております。
本改正案の趣旨でございますが、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことが子の利益の観点から重要であるとの理念に基づくものでございます。
その上で、離婚後の親権者を父母双方とするかその一方とするかについては、個別具体的な事情に即して子の利益の観点から最善の判断をすべきものでありまして、本改正案もこのような考え方に沿ったものでございます。
従って、父母双方を親権者とするか、その一方とするかについては個別具体的な事情によって判断されるものでございますので、どちらが認められやすいということは一概には言えないと考えております。

寺田議員
重ねて聞きますけれども、共同親権の方が認められやすいというような見方と同様の立場に立ちますか。

法務省民事局長
本改正の理念でございますが、先ほど申し上げました通り、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり責任を果たしていただくこと、その理念に基づいて、子の利益の観点から最善の判断すべきと考えておるものでございまして、そのどちらかということについては一概に言えないと考えております。

寺田議員
法文を素直にどのような価値観をもってみるかではなくて、法文を素直に読んでいくと、私自身は、この親権者を決める判断にあたっては、その単独親権よりも共同親権を判断する際の考慮要素が多いと思うんです。そのために、すごい当たり前のことですが、簡単なその絵を作りました。
単独の親権を判断する際には、例えば父と子の1番及び母と子の1番と2番、この1番と2番がどちらが親権者としてふさわしいのかということを判断の基本的な要素にすると思うんですが、共同親権になると、当然ながら父母間の関係が、この819条にも書かれてる通り、重要視されるわけですよね。これは単純な立て付けの説明の話ですけども、親権者の判断にあたって、単独親権よりも共同親権の方が判断の際の考慮要素が多いという考え方についてどうお考えですか。

法務省民事局長
本改正案におきましては、裁判所が父母の双方を親権者と定めるか、その一方を親権者と定めるかを判断するにあたりましては、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係、その他一切の情を考慮しなければならないこととしております。
そこで、離婚後、父母の一方を親権者と定める場合でも、父と母との関係が考慮されないこととなるものではないと考えております。
従いまして、個別具体的な事案に応じて一切の事情が考慮されることとなりますので、裁判所が、離婚後の父母の双方を親権者とめる際の考慮要素と離婚後の父母の一方を親権者と定める際の考慮要素の他可について一概にお答えすることは困難でございます。

寺田議員
どう考えてもどういうふうな説明をされるのかなと思って聞いてましたけれども。ただ共同で認める限りにおいて、この3番が法文に書かれてる通り、「父母が共同して親権を行うことが困難かどうか」ということが要件になって問われてるわけですから、この3番に関しては、当然ながら共同親権を認める際にあたっては1番重要視される、単独親権を判断する際よりも重要視される、そういう理解でよろしいですよね。

法務省民事局長
委員ご指摘の通り、共同親権、父母双方を親権者と定めるにあたっては、父と母との関係が重要な1つの要素になってくるかと思います。
比べるとどうかというのは一概には言えないとは思いますが、双方を親権者と定める場合には、父と母との関係というのが重要な要素になってくるとは思います。

寺田議員
私、法曹家でも何でもないのであれですけども、この子どもにとってどちらが親権者としてふさわしいのかという一方を決める際においては、当然ながら、父親と子どもの関係、母親と子どもの関係、母親と父親の親権者としてのふさわしさというものを子どもと照らし合わせながらやるでしょうから、 父母間の関係というものがそれ以上に優先して評価される対象にはならないはずですよ。
ただ、今回の法案の規定の中において、共同、正しく書いてるこの2号に書いてる通り、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるときは単独にしますって言ってるわけですから、この3番自体は単独親権を決める際よりもものすごく重要視されますよね。共同親権を考える際にはって言ってるんです。これ、当たり前のことじゃないですか。

法務省民事局長
父母双方を親権者と定めるにあたっては、委員ご指摘の通り、この資料の丸3番でございますか、父と母との関係が授与されることはそうだろうと思います。

寺田議員
単独親権と比べてって言ってるんです。

法務省民事局長
単独親権になる場合、父母のどちらか一方を親権者とする場合と比べますと、父と母を双方親権者とすることを考える場合の方が父と母との関係は重視されるかと思います。

寺田議員
いや、それで終わりのはずだったんですけど、長かったですね。
あと、先ほどからDVの話も出てますけれども、 先日のしばはし参考人が言われていたことは非常に示唆に富んでるんですが、親が争わないことがとても大事で、それが子どもの福祉であり、子どもの利益だということを言われてました。
DVのような関係ではなくても、いわゆる不仲、不和。
私が実例として、周りであるのは食卓を囲んでも父母感が全く喋らないとか、 あからさまにお互いが冷たい対応し合ってるということ自体は、幼児であれば別として、一定程度の物心がついた子どもであれば、夫婦感がおかしいことはよくわかって通じるし、それ自体がものすごい子どもの心理に与えることは、これは子どもを育てたことがある人は当然目の前で見てるでしょうし、周りの方から危機感もあると思いますが、DVのみならずです。父母の関係が不和不仲、今申し上げたような、もう冷戦関係も含めてです。DVはしてないですよ。ただ、もう完全に不仲の場合においても共同親権が認められる余地ってあるんですか。

法務省民事局長
個別具体的な事情によるため一概にお答えすることはなかなか困難ではございますが、父母同士の喧嘩によって子の心身の健全な発達を害するような場合には、子の影響を損ねるという意味で単独親権になる場合があると考えられます。

寺田議員
想像するんですよ、お互いが、この819条の2号の中で、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められた。これ、ちょっと来週の火曜日の質疑に立ちますので、もっとブレイクダウンしてやりたいと思うんですけれども、 一般的に、私離婚したことはないので、どういう関係の中で物事を話し合っていくのかっていうのは当事者としてわからないんですけれども、多分、相当な お互いの中での葛藤というか対立がある中で話し合いが進められていくと思うんです。
で、その中において、お互いが、まあ調停に入りましたと、調停の方々含めて背中さすられながら、お互いに子どものため考えようよということを言いつつも、それでも整わないものが審判として上がってくると思うんですよね。私は、そういう状況の中で、この819条の2号の、「父母が共同して親権を行うことが困難」でないと審判できるケースってどれぐらいあるんだろうと思うんです。
本当に父母が共同して親権を行うことができるような環境であるなら、審判になる前にお互い話し合って何か決めてるはずですよ。それか、一定程度、いや、もうそれは片方だというふうに話で決まってるのかもしれません。
本当にこれがこういうふうに上がってきた時に、どのようなケースが想像されて、そこに対してどういう判断を下すべきかというのが、冒頭申し上げた立法者としての意思をちゃんと定めておかないと、あまりにもその部分に関して裁判所に丸投げするのは私は問題があると思ってます。これは来週含めてやりたいと思います。
これ、すでに離婚が成立されている方にも、当然ながら今もありますけれども、親権を変えるという申し立てが行われる中で、共同親権というものが施行されれば申し立てられますが、 離婚後に関しては、昨日も色々話を聞きましたが、離婚直後が最も葛藤が高い。お互いが離婚するって大きな決断をする上で対立してるわけですが、ただ、時間が置いたら少しずつカルムダウンしていくというのが一般的な傾向だと思うんですが、それでもなお、お互いの対立、お互いが合意を見出せず審判まで上がってくるというのは、離婚時よりも相当もう根本的に難しい間柄なんだろうなと想像できますが、これ、
制度的には離婚後の人に対しても共同親権に親権変更する申し立てができるように、成立すればなるんでしょうけども、 これ本当に認められるケースあるんですかね。

法務省民事局長
委員ご指摘の親権者変更の申し立てでございますが、子の利益のため必要がある場合に認められるという要件になっております。
そして、改正案におきまして、親権者変更裁判において考慮すべき事情や単独親権を維持しなければならない場合につきましては、親権者指定の場合と同様としております。
従いましてご指摘のように、例えば単独親権を共同親権に変更するというような場合には、父母と子との関係、父と母との関係、その他一切の事情を考慮した結果、親権者を父母の双方に変更することが子の利益のために必要であると認められることが必要となり、また、DVや虐待のほか、父母が共同して親権を行うことが困難である場合は、親権者を父母の双方に変更することはできないこととなります。

寺田議員
一般論を述べていただきましたけども、普通に運用を想像していて、離婚、の直後というか、離婚の話し合いをしてる最中は最も高葛藤ですよ。
それで時間がおいているにもかかわらず、調停でも落ち着かず、お互いの当然ながら合意も整わず、審判まで上がってくるレベルのものが、改めて5年経って、お互い争って、調停でもうまくいかなかったけれども、裁判官として、やっぱりこの人たちは2人でやった方がいいよねという結論になるにはどういう要素なんだろうと、逆に探しきれないので思うんです。
これ、来週含めてやりたいと思います。残り3分なのであれですけども、824条、裏側の方にその条文だけ載せてますけれども、一方の親が単独で行うことができる行為の範囲について、先日はパスポートの取得を枝野委員がやられてましたけれども、人工妊娠中絶の手術に関して、一方の親が単独で行うことができる行為かどうか、ご判断をお示しください。

法務省民事局長
まず現行民法でございますが、父母の婚姻中、すなわち父母の双方が親権者であるときは、父母が共同して親権を行うと定めておりますが、親権の単独行使が許容される範囲についての明文の規定がなく、解釈に委ねられているところでございます。
本改正案では、この点を明確化するため、父母双方が親権者であるときは父母が共同して親権を行うこととしつつ、子の利益のため、急迫の事情があるときは親権の単独使が可能であるとしております。
この急迫の事情があるときでございますが、父母の協議や家庭裁判所の手続きを経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として子の利益を害する恐れがあるような場合を言いまして、緊急の医療行為を受けるため医療機関との間で診療契約を締結する必要がある場合は、これに該当すると考えられます。
そこで、ご指摘のような中絶手術につきましても、母体保護法によってこれが可能な期間が制限されていること等を踏まえれば、急迫の事情に該当し得ると考えられます。いずれにしましても、父母双方が親権者である場合であっても、現行民法において親権の単独交渉が認められるときは、改正法案によりその範囲が制限されることはないと考えております。

寺田議員
一般原則を並べていて、最後に当てはめをいただいて、最後、一般原則、お話をされましたけれども、一方の親の判断で、急迫というその部分に依拠しながらできるということでよろしいですよね、

法務省民事局長
委員ご指摘の通りでございます。

寺田議員
ワクチン接種はいかがですか、

法務省民事局長
本改正案では、父母の双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うとした上で、監護または教育に関する日常の行為をするときは親権を単独で行使することができることとしております。
どのような場合にこれに当たるかについては、個別具体的な事情に応じて判断されるべきではありますが、一般論として申し上げれば、通常のワクチン接種であれば、監護または教育に関する日常の行為として単独で行うことができると考えております。

寺田議員
時間が来ました。先ほど与党議員の出席の態度やら政務官の態度について言及もしましたので、時間が足りなくなりました。牧原さん、ちゃんと弁償してくださいね。
質疑時間ちゃんと取らないと、これ本当に現場困りますよ。(そうだの声)裁判官たちも困るでしょうし、もちろん裁判官たちによって判断される、ご家族、お子さん、お父さん、お母さん、全員困りますよ。
立法者の意思をちゃんとこの審議の中で示すべきです。様々な事情はあると思いますが、しっかりと質疑時間取っていただくことをお願いして、終わります。

以上
誤字脱字がありましたらすみません。

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