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鈴木庸介議員(立憲)2024年2月28日衆議院予算委員会 第三分科会質疑

本日、ハンガリー邦人殺害事件について鈴木庸介議員(立憲)が質疑してくださったのでお知らせします。

鈴木議員
立憲民主党・無所属 鈴木庸介です。よろしくお願い申し上げます。
ハンガリーの邦人殺害について伺います。
繰り返し政府の方は、対応は必ずしも不適切ではなかったということでお話を伺っていますが、今日は、もう届いてるかと思いますけれども、友人からのお手紙を紹介するところから始めたいと思います。
岩屋外務大臣、岩本領事局長、小野日子駐ハンガリー日本大使宛のお手紙です。

今日はですね、まさに今日、2月28日は、亡くなった私たちの大事な友人、Aさんの誕生日です。本当だったら、私たちはこの日、彼女のアパートに集まり、ささやかに彼女の44歳の誕生日を祝っていたはずです。

彼女は離婚後、子どもたち2人をシングルマザーとして一生懸命育ててきました。元夫からの仕送りもなく、実家からの援助に頼りながらも、母親として強く生きてきました。彼女は元夫からの暴力に怯えながらも、子どもたちと私たちの前ではいつも笑顔を絶やさず、頑張っていました。彼女は、いつか子どもたちと一緒に、元夫からの危害の及ばない日本で暮らすことを1年以上も希望していました。
その彼女があまりにも悲しい最期を迎えたこと、その人生の最後の瞬間にもきっと子どもたちのことを想っていただろうことを思うと、私たちの胸は張り裂けそうです。元夫からの暴力に何年も耐えながら、それでも子どもたちを守ろうとしたこと、どれだけ辛かっただろうと、私たちは思います。彼女は母親として強く、私たちが誇りにしている友人です。

私たちは、子どもたちと一緒に帰国したいことを、彼女が何度も大使館に伝えていたことを知っています。彼女は、元夫に取り上げられた子どもたちのパスポートを再発行してほしい、と何回も大使館に懇願していました。
大使館に連絡する度、元夫からの度重なる暴力や家庭の状況を訴え、助けてほしいとお願いしたのに、子どものパスポートは出せない、元夫と話すよう何度も言われ、落ち込んだ彼女を私たちは何回励ましたことでしょう。大使館との相談ごとに、「またダメだった」と私たちに結果を伝える彼女の悲しい目をどうして忘れることができるでしょうか。

外務大臣と外務省領事局長は、2月14日と17日の国会で、彼女からはDV被害等の具体的な相談がなかったため対応できなかった、子のパスポートの手続きを丁寧に説明したが、その後申請がなかった、よって大使館の対応に問題はなかった、と話しています。どうして彼女から具体的な相談がなかったなどと、国会で嘘をつくのですか?亡くなった彼女が反論できないので、嘘をついて責任を逃れてもよいと思っているのですか。

これでは、事情を知らない人は、どうして彼女は大使館にちゃんと相談をしなかったのだろう、大使館は助けることが出来たと言っているんだから、助けを求めればよかったのに、と思うことでしょう。どうして彼女は、大使館の人に丁寧に教えてもらったのに子どものパスポートの申請書すら書けなかったのか、と誤解してしまいます。

あなたたちは、彼女の助けを求める声を無視したばかりでなく、国会で事実を捻じ曲げ、亡くなった彼女が相談しなかったので助けようがなかった、子のパスポートを申請しなかったのは本人の責任だ、とあたかも彼女に非があったかのように話しています。国会の場で、死後なお彼女の尊厳と名誉が傷つけられたことに憤りを感じます。

彼女の名誉と尊厳を国会の場で回復してください。彼女に非はありません。
彼女はDV被害のことも大使館に何度も伝えています。彼女が子どものパスポートを申請できなかったのは、何度も大使館に断られ、元夫から同意を得るように言われたからです。彼女は元夫の暴力に怯えていました。元夫の目を見るのも怖い、と生前私たちに話していました。そんな彼女が、子のパスポート申請を諦めてしまったのは、大使館に元夫と話すように何度も言われたからです。

彼女のDV被害を知っていたのに、どうして加害者である元夫と話すように促したのですか。DV被害者のトラウマや精神的苦痛を知らなかったのですか。
それとも、ハーグ条約を守り、子の連れ去りを防止することの方が、彼女の命よりも、母親を失うことになってしまった子どもたちの癒せない悲しみよりも、大事だったからですか。

彼女のような犠牲者が今後出ないようにすることを誓ってください。大使館や領事館で、助けを求める日本人女性の声にちゃんと耳を傾け、真摯に対応してください。子の親権を争っていて子の出国が叶わない状況下で、暴力の被害を受けている人たちがいることを知ってください。こうした海外在住のDV被害者の中には生命が危険にさらされている人たちもいます。

海外でDVや虐待の被害に遭っている人たちが、どのような状況に置かれるのか、理解してください。
ハーグ条約を守ることよりも、女性の命を守ることを優先するよう、世界の在外公館に指示してください。
お願いします。

2025年2月25日
ハンガリー国ブダペストにて、故Aさんの友人として 友人1友人2

ちょっと長かったんですが、ご紹介させていただきました。
もうこの時点で、先日の予算委員会でお2人のおっしゃったことと、現地で取る情報が全く違うんですね。
これちょっと配ってもよかったんですけど、こちらはですね、元夫がこのハーグ条約に基づく援助決定を外務省から出されていた、その証拠の紙になります。これ、夫のInstagramに出てます。もう消されてしまいましたけれど。
これ、集英社オンラインの記事でも紹介されてますけれども、Aさんは元夫に銃を突きつけられてるわけですよ、頭に。頭に銃を突きつけられて、命の危険を感じて、2人いる子どものうちの1人を日本に連れ帰ってるわけです。
そこで夫が連れ去りだと騒いで日本大使館に訴えて、この援助決定が出てますよね。
私も、この何人もAさんの友人や弁護士の方に取材させていただきましたけれども、この援助決定に大使館側が囚われすぎて、結果的にAさんに必要な保護を与えることができなかったのではないかという疑念を持っています。
在外邦人の保護という極めて重要で本質的な問題であり、話せることと話せないことがある、当然承知しておりますが、ただ、この今日の質疑の最後に、責任の所在と再発防止への対策についてだけは、具体的にしっかりとお伝えをいただきたいと思います。
また、この質疑がちょうど今日、Aさんの誕生日と重なったということに、不思議な縁を感じています。世界中の在外公館で働く職員の皆さんの意識改革につながって、このようなむごい結末を繰り返さないことをもって亡くなった方への誕生日プレゼントにしたいと、そういう覚悟で今日は質問をさせていただきます。

まず、切迫感がないとした理由について大臣に伺います。
2月14日の衆議院予算委員会で、井坂議員からDV被害者への大使館の対応についての質問に対し、大臣は、「切迫度にもよる」とおっしゃっています。
また、同質疑において領事局長は、「差し迫った状況があれば、当然それを総合的に判断して日本側の対応を判断します」と答弁しています。
しかしながら、このハンガリーの事件では、元夫に首を絞められて殺されそうになった。殺されそうになったと言っても、切迫度が低いと大使館に判断されてしまい、結果として邦人女性の命を救えなかったわけです。
では、まず一般論として聞きます。
在外公館では、この大臣のおっしゃる切迫度と、そして領事局長のおっしゃる差し迫った状況、これ一体誰がどのような基準で判断してるんでしょうか。領事局長のおっしゃる総合的な判断というのは、一体どのような要素を考慮して、どういった判定から判断してるんでしょうか。

外務省岩本領事局長
ご質問ありがとうございます。まずは、私からも、今回亡くなられた日本の女性のご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族に対しましても心からお悔やみを申し上げたいと思います。
また、今回の事件を受けまして、その現地の日本大使館は、ご遺族様のサポート、これできる限りさせてきていただいております。
今も、残されたお子様のことも含めて、大使館の方でご遺族様と緊密に連絡を取らせていただいてサポートさせていただいております。
その過程でですね、ご遺族の方からは、やはりこの案件についてのプライバシーの保護、これはしっかり守ってくださいということを私ども強く言われております。
そして、お子様のこともありますので、できるだけ静かな環境でですね、この後のプロセスも進めてほしいということも申し付かっております。
したがいまして、この個別の案件の詳細について、どうしても公の場で申し上げられないことも多々あるとは思いますけれども、この点は委員にもご了解をいただければと思っております。
その上で、一般論として、いろいろな制度については当然ながら私どもも丁寧にご説明をさせていただきたいと思っております。
すいません、前置きが長くなりましたけれども、ご質問のその切迫度を、またその危険が差し迫っている、それをどう判断するかということでございますけれども、これはやはりそれぞれ個別のケースに応じて、そのご相談の内容、これいろんなケースございます。世界中で様々いろんなご相談を日々受けておりますが、そこで、どれぐらい身の危険が迫っているのか、そういったことをお聞きした上で、それを現場でもしっかりと判断をして、その後取るべき対応、これを1つ1つのケースに応じて判断させていただいております。

岩屋外務大臣
先刻委員がお読みになった手紙、届いておりましたので、私も読ましていただいております。
この邦人がご逝去されたことについては大変痛ましい事案でありまして、私も改めて心よりお悔やみを申し上げたいと思います。
2022年6月に当該の邦人から元夫との関係などについて在ハンガリー日本国大使館が相談を受けた際においては、DVについての具体的な状況についての相談はなされなかったと承知をしております。
また、2024年の8月に当該邦人からお子様の旅券申請について大使館が照会を受けた際においても、具体的なDVについての状況についてのご相談はなかったと承知をしております。こうした事実関係を踏まえて、先般、私は切迫度にもよると思うというふうに申し上げたところでございます。
ただ、今般の事案を受けてですね、これまでも在外公館しっかり対応してきていると思いますけれども、改めて私の方から、領事局長を通じまして、この個別の事情を十分に踏まえながら丁寧に対応していくことが重要であると、そのようにせよという指示を、すべての在外公館に向けて出したところでございます。

鈴木議員
そうなんです。要は基準がないんですよ。お2人のおっしゃってること、今申し上げていただいたことについて基準がないんです。
邦人の生命を左右するようなこの重大な判断が、基準もなく、今回のハンガリーの事件では大使館が切迫度および総合的な判断を誤ったということになるかと思うんですけれども、そもそもこの行政官の裁量に邦人の保護の判断が委ねられているところが恐ろしいところなんです。もう憲法25条の国民の生存権という話にも繋がりかねないと思うんですけれども、これ本当に改善していただかないといけない事態だと思います。
先ほど申し上げたように、首を絞められているという話は大使館の方に話しているということは複数の友人が証言していて、ここでもう1つ紹介させていただきます。友人がAさんとの会話を残していたものです。

2024年8月8日、被害者女性・Aさんはパソコンを元夫に盗まれました。
この後に色々といろんなところにメールおくられたりしてるんですけれども、子どもを友人A宅に預け、警察に行き被害を申告。その日の夕方の会話です。

友人A「もう危ないよ。日本に帰らないと」
被害者女性「子どものパスポートがないから無理」
友人A「子どものパスポートを無くしたことにしたから、パスポートを出してもらえるはずだよ」
被害者女性「もうそれはできないよ。大使館は皆知ってるから、今更嘘つけないよ。元夫からの首絞めのことも知ってるし、これ以上方法はない」

2024年8月20日、友人A・Bと被害者女性が長距離電話の中でした会話です。A「その後パスポートどうなったの」
被害者女性「大使館に再発行できないかと問い合わせたの。でもそれは盗難ではないので再発行できないって言われたの」
A・B「パスポートがない理由とか、ちゃんと伝えたの。どんな言い方で伝えたの。ちゃんとDVのこと大使館に言った?」
被害者女性「もう言ってる。元夫のことも知ってるし、パスポートをなくしたと言っても通らないと思う。そして(首を絞めるしぐさをして)これも言った」
A「友人へ大使館にもう1回お願いしてみたら」
被害者女性「でも、大使館は元夫の同意があればパスポートを出せますって言うし、無理ですって言ったら「元夫と話し合ってください」って。だって、元夫と目を合わせるだけでも恐怖だよ」
友人B「それは信じられない。言い方変えてみるなり、他の理由でパスポートお願いしてみたら」
被害者女性「うーん」
「Aちゃんの代わりに大使館に電話しようか。私が大使館に行こうか」
被害者女性「もう向こうは私の顔もわかってるし、全部わかってるからすぐバレるからできないよ」
その後、友人Aが2024年8月22日に領事館の予約取ったと被害女性にメールを送っていますが、その時にはとっていないと諦めちゃっています。

ここで伺いたいんですけれども、大臣、先ほどおっしゃってたんですけれども、この衆議院の予算委員会の段階で、この首絞めの話は大臣に入ってますか。入ってないんですよね。はい、そうなんですよ。
だから、もしこの話が、大臣のところに首絞めの話がもし入ってないとなると、ハンガリー大使館から外務省の本省領事局に行った状況なのか、それとも領事局から大臣に情報が上がっていなかったのか、いずれにしても、外務省のどこかの段階でこの情報が隠されてるわけです。ですよね。
もう1つ申し上げるとするならば、この切迫感の首絞めの話とか、もう本当いろんな話が出てるんですけれども、これ、電話を何度もしてるっておっしゃってるわけですよね、電話を。一般論としてでも結構です。この電話対応の記録というのは、相談、接触の記録として残してるんでしょうか。

岩本領事局長
この電話でご相談、これはハンガリーに限らずですね、世界色々な大使館、総領事館でも電話でのご相談というのはたくさん受け付けております。
で、その電話の記録を取るかどうか、これはそれぞれの国の、この制度ございますので、勝手にそういう電話の録音してはいけないとか、国によってはそういうところもありますので、国によりますけれども、それはもうまちまちな形になると思っております。

鈴木議員
というと、大使館の中にハンガリーの法律が適用されているということになりますね、そうなるとね。

岩本領事局長
すみません。今私申し上げた、そのハンガリーが、特定の国がどうということではございませんけれども、一般論で申し上げればですね、その国の法律については、それは当然大使館を含めてですね、それは遵守する義務がございますので、それはそういうことになっております。

鈴木議員
ちょっと意味不明な答弁なんですけれども、邦人保護最優先以前の問題で、大使館の中のことも、まあわかりました、おっしゃってることはわかるんですけれども、要はイエスかノーかで答えてください。2回相談があったと言っています。電話で何回も相談をしている、何度も電話してダメだった、諦めたっていう現地の皆さんの話と極めて乖離があるわけですね。
電話の相談はカウントしてないということなんですか。そうじゃなかったら、2回って話出てきませんよね。

岩本領事局長
今回の事案につきまして、私、以前も色々な形でご相談があったと申し上げました。
そして、そういう意味ではですね、今回のケースについて、ご相談は2回だけという趣旨は趣旨ではございません。

鈴木議員
ごめんなさい。そうすると、どこで情報が止まってたんですか。
領事局から大臣のところには行ってなかった。ある意味安心しました。
これ、拳銃突きつけられた、首絞められた。それでも大臣が問題ないとおっしゃってるんだったら、ちょっと外務省大丈夫かなって感じですけども、ここでまず情報がいってないということが分かったのは1つ安心しました。
じゃあ、領事局と大使館の間、領事局長はこの報告を受けてますか。

岩本領事局長
先ほど来、議員からいろいろな当該邦人とお友達とのやりとり、ご紹介ありましたけれども、従来から申し上げましている通り、私どもの方も、大使館にはしっかりと確認をいたしましたけれども、そのいわゆるDVについての具体的なやり取りについてご相談がなかったということですので、そういう意味では、今おっしゃった内容については確認が取れておりません。

鈴木議員
そうなると、大使館が隠していたということになりますよね、領事局長のところに来てないということは。これも当然のことながら、大使館の責任は、別に人が死んだことについて直接的な責任があるとまでは言わないですよ。
でも、守れるところで邦人を守らなかったのは、これは明確にハンガリー大使館の責任と言えるのではないでしょうか。
元夫はですね、ガンマニアで銃持ってたわけですよね。頭に突きつけられて。ただ、その時に彼女は身の危険を感じて日本に子ども1人連れて逃げ帰っている。その逃げ帰られたことによって、旦那は騒ぎ始めて、ハーグ条約の援助決定許可が出てるわけです。

第三分科会主査
鈴木くん、物を示すには主査の許可を得てからにしてください。

鈴木議員
失礼しました。申し訳ありません。
決定許可が出ているわけです。その場合、この援助決定となった時に、具体的に、この旦那にどんな援助を外務省はしたんでしょうか。

岩本領事局長
すいません、あくまで一般論としてこのハーグ条約の制度をご説明させていただきたいと思いますが、ハーグ条約で言うところのこの援助決定というのは、そのハーグ条約に基づいて、ある親御さんが、自分の子どもが連れ去られたということを、それぞれの国の中央当局に申し出ることができるようになっております。その国から、例えば日本に子どもを連れ去ったということであれば、日本の中央当局にその情報が入ってきます。日本の地方当局は外務省でございます。その外務省の方でいただいた情報を精査しまして、そのハーグ条約、いくつか条件がございます。そのハーグ条約のプロセスを始めるかどうか。その条件に合致していると判断すると、その援助決定というものがなされます。ただ、その上で、最終的にそのお子さんを元いた国に戻すかどうか、ここの判断は、司法のプロセスに入っていきますので、これ自体を外務省が決定するということはございません。

鈴木議員
要はですね、その彼女のDV被害は承知していたけれども、なぜその上でも夫と繰り返し話すように、外務省の職員の方はその時に伝えていたのかということを客観的に考えると、これハーグ条約で援助決定が出ていたので、基本的にこの夫側の立場に立ってしまったんじゃないかなという疑念が湧いてくるわけです。
この手続き自体、今領事局長おっしゃった、手続き自体は書類揃ってれば多分受けますよ。ただ、書類揃って受けたとしても、少なくとも彼女にどれだけのヒアリングをした上でこの援助決定が出たのかということ、例えば、その時点で彼女が拳銃突きつけられました、首縮められましたという話を改めて言ったといてたとするならば、この決定は出ていたのか。この決定にちょっと外務省としてとらわれてしまったんじゃないのかなと。
それであればその運用は変えていただかないと、今後世界中でこのような、同じようなのがあった時に、もう言った者勝ちで、とりあえずハーグで援助決定出てるんだからこの人のサイドに立たないといけない、みたいなことにならないでいただきたいなというのが私の今日の趣旨の1つでございます。ちょっと時間もなくなってきたんで、ちょっと飛ばさせていただいて申し訳ないんですけれども。
とにかくですね、断定はできませんけれども、この現地の大使館から本省に、ここのどこかで出されるべき情報が出されなかったんじゃないかなという推測を今してるんですけれども、政府参考人はこの予算委員会で、旅券の発給の手続き自体について「当該女性から、今もそうですが、ご相談はありましたけれども、具体的な状況について相談があったわけではない」。
また、「去年夏の時点では、具体的な状況について私たちの方に」と、具体的、具体的っていう言葉を極めて使ってるんですけれども、今の状況から考えるとかなり具体的だと僕は思います。僕は思います。じゃあ、一般論で結構です。具体的って何、どういうことを具体的に被害を受けている女性は現地の大使館に伝えれば、まともな対応をしていただけるんでしょうか。

岩本領事局長
はい。一般論で申し上げますけれども、おそらく様々なケースございますが、例えばですけれども、今にも相手の配偶者から殺されそうになってるとか、殺されないにしても、危害を加えられるもう状況にあるとか、そういうことになれば当然切迫度もございますし、その具体的なご相談ということになろうかと思います。

鈴木議員
今のご答弁でもそうだったんですけど、理由はともあれ、援助決定がされてからどういう運用をしているのか、極めて不透明なところがあると思っています。ですから、対応を打ちようがないわけですよね。
今回もこの女性は、おそらくですよ、外務省さんに、現地の大使館に、この元夫から旅券の不同意書が出ていたということを知らされてなかったんじゃないかと思ってます。知らされてたらこんな対応になりませんから。
じゃあ、その不同意書が出ていることを仮に知らせてないとするならば、なぜ知らせなかったのかっていうところのパズルを埋めてくれるのが、僕はハーグ条約の援助決定だと思っているんです。要はそこを明確に基準を出していただきたいんです。
援助決定が出ていても、こうこうこういうプロセスをする、結果的にもう人が殺されて亡くなってしまってるわけですから、そこのハーグ条約についての決定プロセスというのをしっかりと、明確に出していただく。そして、今後、DV被害を受けていらっしゃる方に同じようなことを繰り返さないということは、彼女への最大の供養かなと思っております。
もっとばーっと5、6問飛ばしてしまうんですけれども、最後、領事局長に、これ大臣でも領事局長どちらでもお答えいただければと思うんですけど、端的に、なぜ守れなかったんでしょうか、これは。

岩本領事局長
繰り返しになって申し訳ございませんけれども、今回の事案につきましては、これまで累次ご説明させていただいた通りですね、当該邦人からは様々な形でご相談がございました。
ただ、残念ながら、その具体的なやり取りについてご相談がなかったということもありまして、その旅券の発給の手続きにも最終的には至らなかったということだとは思います。
ですので、いずれにしましても、先ほど大臣からもご答弁ありましたけれども、今、全在外公館におきまして、こういったDVの問題も含めてですね、窓口での対応、これについて遺漏がないかどうかということを改めて点検、そして再確認をしているところでございますので、その状況も見ながら、今後もしっかりとした対応ができるように努力をしていきたいという具合に思っております。

鈴木議員
引き続き不適切ではなかったという理解でよろしいんでしょうか、ご認識は。

岩本領事局長
もうこれも累次ご説明申し上げている通りで、大使館としましては、ご相談に応じてですね、その都度適切に対応させてきていただいたという具合に考えております。

鈴木議員
ちょっとこれ以上堂々巡りになっちゃうんですけども、もしそう問題なしとするならば、今後検証するということも言ったんですけど、本当は、これ外部の機関とか入れていってやっていただきたいと思うんですよ。
僕、これ、ハンガリー大使館自身にものすごい責任があると感じております。
大使館って、ご存知のように、ご案内のように、もう邦人が最後に頼れるところなので、そこがこんな感じだときついなっていうのがあるんですが、大臣、この責任を誰かが、やっぱりこう、僕はもうこのまま、こういう質疑もあって、マスコミでもかなり騒がれている中で、今の領事局長のご答弁だと、責任ないとこのままスルーしてる感じになっていくんですけれども、何らかの責任を誰かが取る、または責任を取らないとしても、徹底した調査、徹底した体制の変革等々をお願いしたいんですが、いかがでしょうか、大臣。

岩屋外務大臣
はい。これまでもですね、繰り返し申し上げてまいりましたが、我が方の大使館は当該邦人の相談に対してできる限りの対応を行ってきたと考えております。
その上で、今般の事案も踏まえつつ、私から先ほど申し上げたように、全在外公館の対応について点検、再確認をするように指示をいたしました。
これからも、邦人保護の観点から、個別の事情を踏まえながら丁寧な対応及び必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

鈴木議員
今日の質疑で1つ明らかになったのは、予算委員会の段階で本省の方から大臣の方にその情報が伝わっていなかったということだと。それは大変大きいことだと私は思っております。
外務省の職員の方にもご家族いらっしゃると思うんですけれども、本当にですね、今日、44歳の誕生日をささやかながらも、お子さんと、お友達と迎えるはずだったこのAさんですよね、本当に自分事と捉えていただいてですね、本当にこの皆さんの領事業務が人の命を左右するようなこともありますので、この女性の無念を領事業務をするたびに思い出していただいて、この皆さんの対応がこの在留邦人、在外邦人の最後の頼りだということを肝に銘じていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

以上
誤字脱字がありましたらすみません

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