鎌田さゆり議員(立憲)2024年4月10日衆議院法務委員会
本日の鎌田さゆり議員(立憲)の質疑を書き起こしました。
法改正案は下記をご覧ください。
001414764.pdf (moj.go.jp)
鎌田議員
おはようございます。鎌田でございます。よろしくお願いします。
まず、述べておきたいことが私、ございます。 幸せの形は人それぞれだと、私は思ってます。 国家権力から法律で定められるものではないと思います。
今回の法改定は、決してDVや虐待以外は離婚禁止のような条文や運用ではいけないと思っております。そのことをまず述べておきたいと思います。
それでは、伺っていきます。戸籍制度と子の氏について、裁判所の判決によって共同親権となった場合、両親は別の戸籍になって、なかには別々の氏となる方もいると思います。その際、子の氏の変更申請、法定代理人となる両親の意見が一致しなければ、子の氏の決定も裁判所が判断するのか、伺います。政務官、いかがでしょうか。
中野法務大臣政務官
婚姻によって氏を改めたものは、離婚によって婚姻前の氏に復し、婚姻前の戸籍に復籍いたしますが、その戸籍が既に除かれている時、またはそのものが新戸籍編成の申し出をした時は、 新戸籍を編成することとなります。
この場合、婚姻中の該当夫婦の子については、離婚により、それだけではその氏に変動は生じないことから戸籍に変動はなく、婚姻の際に氏を改めなかった親の戸籍にとどまることとなります。本法案は、こうした取り扱いを変更するものでないことをぜひご理解いただきたいと存じます。
鎌田議員
現行法とその手続きを変更するものではないということなんですけれども、現行法の場合ですと、単独親権でしたらば、親権者が申請して即日で審判・許可が出て、そして役所に届け出をして、それで完了になります、氏の変更。
ですが共同親権の場合、これ何日、何時間、この手続きにかかる時間というものが私は増えると思うんですけど、その増えるということが子の不利益になる可能性が私は危惧しています。専務官、いかがでしょうか。
中野法務大臣政務官
婚姻をしておりますお2人の合意があれば、特に現行法では変わりがないと存じます。意見の不一致があれば裁判所の手続きが必要になると考えております。(政務官後ろの座席の2人の官僚が顔を見合わせる)※質疑終盤、訂正あり
鎌田議員
その最後の裁判所の手続きが必要になるということで、現行法とこの共同親権になった場合と、時間がどうしても増えると思うんですね。それが私は子の不利益になるのではないかと心配しております。そこは不安は払拭していただけますでしょうか。
法務省民事局長
まず氏の変更の手続きでございますが、先ほど政務官もご答弁なされたように、子が父または母と氏を異にする場合には、民法第791条第1項の規定によりまして、子は家庭裁判所の許可を得て、 戸籍法の定めるところにより届けることによって、その父または母の氏を称することができるとされております。また、子が15歳未満であるときは、同条3項の規定によりまして、その法定代理人がすることができるところ、父母の双方が親権者であるときは、父母の双方が法定代理人となり、父母が共同して行うこととなります。委員ご指摘の通りですが、この場合において父母の意見が対立した時は、改正民法第824条の2第3項の規定によりまして、家庭裁判所が父母の一方を当該事項についての親権行使者と定めることができるとされております。
なお本改正案では、子の氏の変更に関する親権行使者の指定の裁判には離婚訴訟の付帯処分として申し立てることができることとしておりまして、そのような申し立てがあった場合には、離婚判決におきまして親権行使者が定められることとなるとなると考えます。
鎌田議員
ありがとうございました。その最後の付帯処分のところなんですね。
そこを、その付帯処分ではなくて、私はちゃんとこの本条文の方で定めるべきではないかなと思うんです。何を定めるべきかと言いますと、その共同親権となっての離婚成立の場合、両親は別の戸籍、別の氏、子は元の戸籍のまま、同居している親と戸籍は違う、氏も違う、こういうケースも起こりうると思うんです。
子の成長に伴って、3歳だったら自己の意思表明ができなくても、8歳とか10歳とか13歳とか、成長するにつれてどちらかの氏に変更したいと表明すると、その意思というものに基づいて、その都度その氏の変更という手続きを親も子もやっていかなくちゃいけないわけで。ですから、私はちゃんと、後の方で付帯処分じゃなくて、ちゃんと離婚の時にそのこともきちんと話し合いで決めておくべきだと、保証されるように条文の方で明確にしておくべきだと私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
法務省民事局長
子の氏の点についてお尋ねで、先ほど申し上げましたように、仮に父母双方が親権者であるとして、父母の意見が対立した時には、改正法の824条2の第3項の規定によりまして、家庭裁判所が父母の一方を当該事項についての親権行使者と定めるということになります。
で、子の氏が父母の氏と同一であることが子の利益かというご視点からのご指摘かというふうに思いますが、その際、先ほどの家庭裁判所の審判におきまして、子の利益の観点から、それが適当かどうかということを判断されることになると思われますので、なかなか一概にお答えすることは困難ではございますが、家庭裁判所におきましても、一般論といたしましては、親と共同生活を営む子の社会生活上の必要性等を考慮するほか、子の年齢及び発達の程度において子の意思等を考慮することになると考えられます。
鎌田議員
子の氏の変更の審判は毎年およそ12万件と、司法統計資料、最高裁からいただきました。この、子の氏を巡ってはですね、現在も両親の間で鋭い対立が 起きています。だから、離婚裁判後にさらに難しい裁判が残るということを私は懸念として、ここで議事録に残しておきたいと思います。
裁判所任せにしないでですね、法務省民事局さんの方できちんとこの辺のところ整理をしていただきたいと思います。
次に、行政による支援措置について伺います。共同親権の導入は、自治体でDV被害者への支援措置担当にとっても懸念が残っています。現在、支援措置の更新を許さないと言って役所の窓口に来るケースは、これは総務省さんとしては統計は取っていますでしょうか、伺います。
総務省大臣官房審議官
住民基本台帳事務におきましては、DV等の被害者の相手方が住民票の写しの交付等を不当に利用して被害者の住所を探索することを防止するDV等支援措置を実施しております。 本制度の運用実態を把握するため、毎年度、DV等支援措置の実施件数及び支援を受けるものの対象者数などについて調査、集計を行っておりますが、委員ご指摘のような、支援対象者の相手方からの支援措置に対するご意見などの件数については把握はしておりません。
鎌田議員
統計を取っていらっしゃらないということです。
そうなるとですね、次の質問に移るんですが、DV支援対象者の一方の共同親権者となった方が、別居親が、役所を訪ねてきて、自分は共同親権者なんだからと自分の子の住民票を移しの交付を求めたら、自治体の役所はどういう対応を取ることになるのか、共同親権者だということで訴訟を起こされることへの役所の窓口が萎縮をするというリスク対応、これ全国的に周知はもうされてるんでしょうか。
総務省大臣官房審議官
住民基本台帳事務につきましては、先ほど申し上げました通り、DV等の被害者の相手方が住民票の写し等の交付等を不当に利用して被害者の住所の探索をすることを防止するDV等支援措置を実施しております。
この措置は、住民基本台帳法第12条第6項の規定を根拠に住民票の写し等を制限できることとしているものでございます。本支援措置の実施にあたりましては、専門的知見を有する警察、配偶者暴力相談支援センター等の相談機関から支援の必要性を確認することとしておりまして、DV等を受けた申し出者が子どもとともに同一の住所に避難している場合に、申し出者の相手方が当該申出者の住所を探索する目的で子どもの住民票の写しの交付の申し出等を行う恐れがあると認められる場合には、当該子どもについても支援措置を実施するということにしております。
現在の婚姻中の場合におきましても、申し出者の相手方への住民票の写しの交付制限等の措置は行われているものでございまして、今回の民法改正により、離婚後に父母双方が親権者と定められた場合におきましても、DV支援措置の必要性が認められる場合には、これを実施するという基本的な考え方に変更はないものと考えております。
また、交付制限等を受ける場合につきましては、住民票の写し等の交付の不決定、交付をしないという決定に対しまして、ご質問のように審査請求でありますとか処分の取り消し等の訴えなどが提起されるということはあり得るものと考えておりますが、この場合におきましては、当該DV支援措置が適切に運用されたか否かが問われることとなりますため、本措置の実施にあたっての専門的知見を有する警察等の相談機関からの意見聴取等による支援の必要性の確認が重要でございまして、総務省としては、引き続き各自治体に対して必要な助言等を行い、 制度の適正な運用に努めてまいります。
鎌田議員
申し訳ございませんけれども、大変恐れ入りますが、私なるべく端的に質問してるつもりなので、ご答弁の方も端的にお願いをしたいと思います。すみません、お願いします。
あの、私が聞きたかったのは、今、自治体の職員の方々が、こういう事例で訴訟を起こされるかもしれないということで、役所窓口で委縮をしてしまうと、この間は医療のことでも聞きましたけれども、そういうことがあってはならないわけですので、全国的に周知されてますかとお聞きしたので、もうされてるんだと、大丈夫ですと言うんだったら大丈夫ですとおっしゃっていただいて、いや、まだ不十分なんですと言うんだったら、これから不十分なところをちゃんとやっていけますというふうにお答えをいただきたいと思います。
でも、今のご答弁だとまだ不十分なようですので、これ徹底していただかないと自治体の窓口が本当に困ってしまいますので、総務省さん、ぜひ肝に銘じていただきたいと思います。総務省さんの方はこれで、あとは予定がないですので、よろしかったらご退席いただいて結構です。
続いて、765条の離婚の届け出の受理及び766条、離婚後の子の監護に関する事項の定め、これについて伺っていきたいと思います。765条なんですけれども、ここに、離婚届け出の受理の改定、青年に達しない子がある場合、親権者の定めがされていること、親権者の指定を求める家事審判または家事調停の申し出立てがなされていることが認められなければ受理されないこととされています。
ただ、今我々が審議してるのは大体揉めてるケースなんです。大体うまくいかない、話し合いもうまくできない、それでもうお別れしなければいけないという方々で、話し合いができなくて離婚ができないまま、今のこの届け出の受理のこの条文の規定のままだとですよ、話し合いができない、離婚ができないまま時間だけが経過してしまうという恐れがあると思うんですが、いかがでしょうか。
法務省民事局長
現行の民法の規定ですと、離婚届の新権者の指定について決めないと離婚が受理されないということになりますが、今回の改正案で、その手続きの申し立てをしていれば、それで離婚は成立するということにしておるものでございます。
鎌田議員
私がお聞きしたのは、話し合いもできない、それから親権者の指定を求める家事審判または家事調停の申し立てもすることができない、お互いに、じゃあもう裁判所行きましょうとか、ちゃんと話し合いしましょうとか、そういうこともできない、そういう父母にとって、離婚ができないまま、離婚が成立しないまま時間だけが経過してしまうとなると、父母にとっても子にとっても、これは私は不利益になると思うんですよ。
それで次に質問いきますね。
で、続けてなんですが766条のところ、もう皆様もご存知の通りだと思いますが、父母が協議上の離婚をするときは云々と書いてあるんですが、最後にその協議で定めるとなってます。つまり、この離婚の届け出の受理とか離婚後の子の監護に関する事項の定め等についてなんですけど、これ両方とも結局白地規定ですよね。
父母の双方を親権者と定める場合においては、子の監護をすべきものを定めなければならない、こういう一言、文言を加えて修正しておかないと、父母にとっても子にとっても不利益になると私は思うんです。結局、これ、白地規定で、「はい、話し合ってください」、「はい、ダメなら裁判所行ってください」、裁判所に行けない人は離婚ができないまま、そういう白地規定のままでは、私は子にとっても父母にとっても不利益のままが続くんじゃないかと思います。
今質問したところ、修正をすること、これは子の利益にとって重要なことではないかと思いますので、大臣に伺いたいと思います。
小泉法務大臣
父母の離婚に直面するこの子どもの利益、それを確保するためには、父母が離婚後も適切な形で子どもの養育に関わり、その責任を果たすことは重要であります。その中で、父母の離婚後に子の身上監護をどのように分担するか、これはそれぞれの事情により異なってまいります。そのため、離婚後の父母の一方を監護者と定めることを必須とするとの規定を設けることは相当ではないと考えております。
監護者を定めることを必須とした上で、その定めがなければ離婚の届け出を受理できない制度を設けることについては、協議離婚が困難となる事案を生じさせ、かえって子の利益に反するとの懸念もあり、慎重に検討すべきと考えます。
鎌田議員
これ見解の相違として済ませていいのかどうか私は大いに疑問なんですけれども、 先ほどから申し上げている通り、この白地規定で、お互いで、はい、話し合ってください、話し合いができないなら裁判、裁判にも持っていくのが嫌だと言ったら時間だけが経過する。
結局766条で、このままの条文ですと、父母の双方を親権者と定める場合においては、子の監護をすべきものを定めなければならないと加えておけば、修正することができれば、これは私は、最初にちゃんとそういうことを決めておけば、子にとっても父母にとっても、私は不利益は少なからずとも減っていって、利益に繋がると思うんですね。中ぶらりんのまま、子どもも父母も離婚も成立しない、届け出もできないという状況を私は回避すべきだと思うんです。
そのことは 大臣にもぜひご理解いただきたいと思うんですが、重ねてご質問しても同じご答弁ですよね。なんですね。
私は、ここの修正は非常に重要だと思っております。で、今、国会のすぐ前で、当事者の方々、顔も名前も、今自分が住んでるところも、絶対に、DVの加害をした元パートナー、離婚が成立してませんからまだパートナーと呼んだ方がいいかもしれませんけれども、その方々は今、国会の前で集まって公道で身の危険があります。
だけれども、今のままのこの民法の改定の条文のままでは、その方たちの命の危険だとか不安だとか怯えだとか、そういったものが消えないんです、払拭されないんです。
ですから、私は、大臣におかれてはですね、頑なにならずに、お互いに歩み寄って修正をするべきところはする、そして子の利益、父母の利益、私たち政治がきちんと守っていく、確保していくというお考えはちょっとでも心の中にお持ちいただきたいんです。いかがでしょうか、
小泉法務大臣
修正協議については、国会の場で、また委員会等の場でや党間の協議の場でお話をいただくということだと思います。
で、制度のあり方については先ほど答弁させていただいた通りでありますけど、先生が真剣にこの問題を考え、そして被害者の側の立場に立って懸念を持っておられるということは重々伝わってまいりますし、私の心にもそれは入ってきていますので、しっかりそれは受け止めていきたいと思っております。
鎌田議員
はい。精一杯の答弁だったのかなと思います。ありがとうございました。819条の離婚等の場合の親権者の定めに関する条文についてです。
819条、これに基づきますと、例えばですが、父または母が嫌ですと、共同親権嫌と表明しても、夫婦間で不同意、不同意であっても裁判所からの強制的共同親権はあり得ると思うんです。これは、私は子の利益になるとは言い切れないと思うんです、はっきり言って、これは不同意強制的共同親権。不同意強制的共同親権だと私は思います。子の利益になると思いますでしょうか、大臣から。
小泉法務大臣
父母の合意ができない理由は様々なものがあると思われます。
おっしゃったように、その共同親権、そしてそれを共同で行使することについて、意見がなかなか合わない、整わない、そういう場合には共同親権にならないケースの方がもちろん多くなると思いますが、しかし、その時点でそのことだけを思ってもうこれは単独ですという結論を出すのではなくて、その整わない理由になるようしっかりと裁判所も把握して、そして子どもの利益という価値をもう1つそこへ持ってきて、どっちを選ぶかという判断をやはり丁寧にするべきであるという考え方で、この立法がなされようとしているわけでございます。
ケースから言えば、それは圧倒的に単独親権に行く可能性の方がそれはもちろん多いわけです。
でも、それが子どもの利益だということであれば、もう1回その内容に入り、理由に入り、協議をする、特定をする、そこで親の考え方も変わる可能性もあるかもしれない、そこを丁寧にやっていこう、そういう考え方でござい。
鎌田議員
ちょっと具体に伺っていきます。
人によってはですね、一子目の父、それから二子目の父が違ってて、 三子目の父と今所帯を営んでいるという方もいると思うんですね。これ、父母どちらでも。
そういう場合、それぞれ1つの家庭の中に、親権者が共同親権導入によって親権者が違う、1番目の子はあの親権者、2番目の子はあの親権者、3番目は今同居している、そういうことが起こり得ると思うんですけれども、それってとても複雑な、まあまあレアケースだと思うんですが、もちろん起こり得ますよね。
法務省民事局長
現行法の離婚後単独親権になる制度の下でも同じだと思いますが、改正法の下でも現行法の下でもそのような事態は起こり得ると思います。
鎌田議員
じゃあ次に、母の浪費が原因で離婚をして、3人の子を今単独で育てている、穏やかに親権を行使している父で、浪費が原因で離婚した母が共同親権を申し立てしてきたら、今穏やかに3人の子供の親権者として育てているその父は、裁判に臨まなければならない、ということでよろしいですよね。
法務省民事局長
親権者変更の審判の申し立てについてご言及をいただいているものと思います。もし元の妻からの申し立てがあれば、それは審判に臨むということになろうかと思いますし、実際に親権者の変更がされるかどうかということについては、子の利益のため必要がある時という要件がありますので、その要件に当てはまるかどうかということになろうかと思います。
鎌田議員
はい。今のご答弁のようにですね、いろんなケースがそれぞれのご家庭であるんです。 そのいろんなケースの方々が、DV被害ではない、虐待もなかった、モラハラもなかった、だけれども、あれ、うちの場合どうなんだろうかということで、いろんなケースの方々がこの民法の改定というものを非常に注視をしています。
そこで、さらに伺いますが、 私、この法律がもし成立したらですが、すごく矛盾に感じてることがあるんですね。DVで、例えば半年、1年、子連れ避難をしていた例えば母親がいるとします。
その人にとっては法定養育費の遡及は認められませんよね。だけれども、共同親権は遡及して、親権の申し立て・共同親権の申し立てはそれには応じなくちゃいけない、裁判に応じなくちゃいけない。これ、私はすごく矛盾に感じるんですが、法務省さんとしてはここら辺の矛盾については何か感じられますか。
法務省民事局長
まず法定養育費につきましては、既に離婚した方に対してこれを適用いたしますと、その制度がない条件の下で離婚をされた方に対して予測可能性を外すということで、遡及的な適用はしないということにしております。
他方、親権につきましては、委員ご言及に遡及をするというわけではございませんで、すでに決められた親権者が当然に何か変更されるというものではございません。ただ、親権者変更の審判の手続きがございますので、それを現行法でもある手続きではございますが、それを使って、子の利益のため必要がある時という要件に当てはまるかどうかということで審議がされるものと考えております。
鎌田議員
そこが私はこの法律が寄り添ってないなと思うところなんです。
DV子連れ避難してもう6ヶ月も1年も経ってる。今、相手に知られないところで静かに暮らしている。でも、その間、もちろん離婚成立してませんから、法廷養育費が出てるわけではない。だけど、その後、共同親権だといざなりました。そうすると、離婚するために共同親権を選ばなくちゃいけない。
だけども、これまでの6か月、1年間は何の法廷養育費とされる定めのあるものは何の保証もなく、静かに必死に生きてきた人たちにとっては、この法律は寄り添ってないと私は思います。
さらに伺いますが、親権者変更、これ家庭裁判所は、家庭裁判所はとずっと819条に家庭裁判所がすごく重い役割を担わなければいけないことが明文化されてるんですが、父または母が子の心身に害悪を及ぼす恐れがあると認められる時等々と書いてあります。
この「恐れ」っていうのはどうやって見抜くんでしょうか。法務省さん、その辺、裁判所とはどのようにすり合わせしていますか。
法務省民事局長
委員ご指摘の819条、改正法の819条7項の「恐れ」という言葉でございますが、これは、その具体的な状況に照らしまして、そのような害悪や暴力等を及ぼす可能性があるということを意味しておる言葉でございます。
この恐れにつきましては、裁判所において、個別の事案ごとに、それを基礎付ける方向の事実と、それを否定する方向の事実と総合的に考慮して判断されるということになっております。
裁判所からは法制審議会にもご参加いただいて、この法律の運用について協議をしてきたところでございますし、今後もしっかりと連携をしてまいりたいと考えております。
鎌田議員
裁判所にはっきり言って申し訳ないんですが、丸投げの状態だと私は言わざるを得ないと思います。人が足りない、場所も足りない、年間12万件の氏の変更の審判もある。そして、この子連れ避難でこの対象になりうるんじゃないかという子どもさんも15万人を超えているという推計も出されてます。
今のこの法律のままでは、私は、裁判所に丸投げでというふうに取られるような状況が続いている中では、 とても今のこのままでは、なかなか我々賛同しにくいという気持ちを拭えないということは申し上げておきたいと思います。
824条なんですけれども、ここで親権の行使方法を定めているところがあります。この824条の2ですが、これをそのまま読みますと、「親権は父母が共同して行う」というふうにまず頭に書かれてるんですね。
親権は、父母が共同して行うということを最初に書かれてると、これは原則共同親権というふうに読めてしまうんです。
法務省の方々は、これは原則共同親権ではないとおっしゃいますけれども、824条でこのように書かれてあって、そしてその次に、次の3つに当たるもの、あるいはそれに当たるそれ以外にここに書かれているものは、それは単独親権ですというふうに書いてますが、この824条の2のこの条文の書きぶりでは、どうしても原則共同親権というふうに読めます。そこのところ、誤解を招かないためにも、この条文の修正。
例えばですよ、824条の2をですね、「父母の双方が親権者であるときの共同親権行使と、父母の一方のみが親権者であるときの単独親権行使」と、分かりやすく誤解を招かないためにも条文の修正欠かせないと思いますが、大臣、ご見解ありましたらお願いいたします。
法務省民事局長
改正民法の824条の2の第1項の規定ぶりについてのお尋ねであると思います。
本改正案でございますが、全体として、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことが子の利益の観点から重要であるという理念に基づくものでございます。
父母双方が親権者である場合の親権の行使方法につきましては、現行民法におきましても親権は父母が共同で行うこととした上で、一定の場合にはその一方が単独で行うことができるという枠組みの規定となっておりまして、本改正案はこのような現行法の枠組みを変更するものではございません。
そのうえで、現行民法におきましては、親権の単独行式が許容される範囲が解釈に委ねられているため不明確であることから、本改正案におきましては、その解釈を明確化するために、 子の利益のため急迫の事情があるときや監護または教育に関する日常の行為をするときは親権の単独行使が可能だということを定めておるものでございます。
このように、本改正案は現行民法の枠組みを維持した上でその内容を明確化するものでございまして、文言を改める必要はないと考えておるところでございます。
鎌田議員
修正の意思は法務省さんにはないということはわかりますが、でも、このままでは誤解も招くし、そして不安材料も払拭できません。
今おっしゃった通り、その急迫の事情、それから日常の行為、それから特定の事項など、法文には、条文には書かれてありますけれども、ちょっと具体的に伺っていきますね。
医療受診の場面についてなんですが、例えば障がい児の養育・治療、児童精神科などの受診、服薬治療の決定は日常の監護に入るということでよろしいですね。
法務省民事局長
本改正案におきましては、父母の双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うこととした上で、監護または教育に関する日常の行為をするときは単独で親権を行使することができることとしております。
どのような場合がこれに当たるかにつきましては、個別具体的な事情に応じて判断されるべきではありますが、一般論として申し上げれば、子の心身に重大な影響を与えないような受診、 治療、日常的に使用する薬の決定については、基本的には監護または教育に関する日常の行為の範囲内であると考えられます。
鎌田議員
じゃあ喘息やアレルギーなど、それの治療の医療受診、また、障がいのある子どもさんは、毎日が保護者として本当ににあらゆる判断をしなければなりません。これらも日常の監護の解釈でよろしいかということ、それから合わせて進学先の決定について。先日、本村委員も質問されていたと思うんですが、特別支援学校に入学するという申し込み期限、これ1カ月後に迫っているような場合は、これは急迫の事情なんでしょうか、日常の監護にあたるんでしょうか。
法務省民事局長
まず、委員ご指摘の喘息のアレルギー等の治療のお話でございますが、これは日常の行為として捉えられるものだというふうに一般的には考えられると思います。
それから、先ほどの進学先の決定で申し込み期限が迫っているという状況ですが、本改正案におきましては先ほど申し上げました通り、父母双方が親権者である場合でも、子の利益のため急迫の事情がある時には親権の単独行使が可能であると いうふうにしておりまして、特別支援学校への入学手続き等の期限が間近に迫っているような場合には、子の利益のため、急迫の事情があるときに当たりうると考えます。
鎌田議員
ありがとうございます。
大臣、このようにですね、もう本当に具体的にこの条文に基づいて、いろんなケースを確認していかないと、 もう本当に当事者の方、あるいはもう当事者じゃないとしても、これから結婚する若者、これから子どもを産もうという、所帯を組もうという人たちにとってもこれ重大に関わってくる法律の改定なんですね。
ですから、私は重ねて申し上げますけれども、 この特にこの急迫のところ、ここはですね、私たち立憲民主党が修正案として提案をしていますけれども、この急迫状態っていうのは、辞書で引けばですよ、「事態が差し迫ること」とか「切羽詰まること」とか、あるいは「敵などが急速に迫ってくること」を指すわけですよ。
ですから、この急迫の事情というところは、子の利益のために必要かつ相当、必要かつ相当である場合には父母の一方が単独で親権を行使できるという規定に修正するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
小泉法務大臣
ご指摘のように、急迫の事情を必要かつ相当に修正することについては、その結果として、これまでご説明させていただいた場合・ケースに加えて、 親権の単独行使が可能な場合を拡大し、子の養育に関し、父母双方が熟慮の上で慎重に協議する機会を狭めることになるため、子の利益の観点から相当ではなく、ご指摘のような修正は難しいと考えております。
鎌田議員
私の質疑間がもう終了しておりますので、おおつき委員にご配慮いただきまして、最後、1つで終わりにいたしたいと思います。
施行期日、これなんですけれども、施行期日について。
交付の日から2年というふうに定められてます。ですが、この委員会でも様々な問題が指摘されてます。家裁の件、調停委員・調査官への研修、DV加害者の濫訴防止、何よりDV加害者が、加害の自覚を持ててないというところも非常に大きい問題なんです。
いや、俺はと言ったら、これ片方になりますから、偏見になるので。例えば俺は、例えば私は、例えば自分がDVなんて、モラハラなんてやってない。けれども、相手が勝手に子ども連れて居なくなっちゃったんだ、というケースも非常に多いんです。だから、加害の自覚がない、つまり、加害をさらに産んでいく可能性がある・含んでいるこの法案なんです。
ですので、大臣これ2年ではなくて、せめて5年。交付の日から5年、準備必要じゃないですか。
衆・法務委員長
小泉法務大臣の前に発言の訂正があります。中野法務大臣政務官。
中野法務大臣政務官
冒頭の私の答弁につきまして誤りがありましたので、申し上げます。
冒頭、「婚姻をしている2人の合意があれば現行法とは変わらないで良い」と申し上げましたが、「離婚した2人の」と修正させていただきたいと存じます。
小泉法務大臣
本改正案の円滑な施行のためには、おっしゃる通り、国民の十分な周知、関係機関による理解、準備、これは必要です。重々それは承知をしておりますが、一方で、子どもの利益、これを確保するためには速やかな施行も必要であるという考え方もございます。
これを総合的に考慮して、交付の日から2年以内において政令で定める日というふうに考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
鎌田議員
私は、お言葉ですが理解できません。とてもじゃないけど、2年では時間が足りないと思います。(そうだの声)せめて4年、5年がダメなら4年ということも質問したかったんですが、もう終わりにしたいと思います。
2年では足りない、そのことを申し上げて、終わります。ありがとうございました。
以上
誤字脱字がありましたらすみません。
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