嘉田由紀子議員(維新)質疑 2024年12月16日参議院予算委員会
本日行われました予算委員会で、嘉田由紀子議員が「子の連れ去り」の質疑をしましたのでお知らせいたします。
このテーマが怖いという方、閲覧はどうぞご無理なくお願いいたします。
※文字起こしは、下記質問要旨の3と4に限ってさせていただきました。
質問3 子育ての壁
嘉田議員
次に、質問3点目ですけど、今少子化大変だということでようやく国全体が理解をしていただいたんですけど、私知事になって最初に「子育て3方よし」と。子どもが幸せ、親も幸せ、そして社会も幸せということで仕組みを作ってまいりました。
これはどちらかというと福祉政策というよりは社会政策、女性が仕事と家事育児両立できる、そして男性も参画できる、特にまた非正規を正規にというような形で、幸い滋賀県では、就任の時に1.4だったんですが、出生率が1.54まで回復しました。
やればできるという例でございますけれども、石破総理、実は2011年の自民党政調時代に、この子ども手当はいわば悪法だということで撤回をさせたと言ってらしたんですけど、2011年、子どもは家族が守るんだということだったんですけど、今もそういう考えお持ちでしょうか。いかがでしょうか。
石破総理
2011年は、私ども野党でございました。谷垣総裁の下で、私政務調査会長をいたしておりました。その時に子ども手当ってのが随分議論になりました時に、子どもは誰が育てるんだいと。家庭なのかい、社会なのかいというようなお話でございまして、私ども、やはり基本、子どもさんというのは、家庭で育てることを基本とするのだという考え方でそのような論を展開をしたということと記憶をいたしております。13年前のことでございます。
それから随分と時代も変わりましたし、当時から少子化というのは大問題だったのですが、今はもう本当に、1年間に生まれるお子さんの数がその時よりも3割から4割減ってきたんだと思っております。そうしますと、子どもは誰が育てるんだ、社会なのか家庭なのかという二項対立ではないのだと思っております。
昨年4月に施行され、成立は令和4年の6月なのですが、御党にもご賛同を得た議員立法、自民党と公明党が提案しております、御党にもご賛同いただきました子ども基本法というのが基本法としてあるわけで、その中に、基本理念といたしまして、子どもの養育は家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識のもと、十分な支援を行うということになっております。
私ども、二項対立でやってはいかんと思っておりますし、この後ご議論があるのかもしれませんが、お子さんっていうのは夫婦の子どもであって、お母さんの子どもではない。いかにして共同参画をするか、男性の家事分担率をどこまで高めるかというようなことを考えていかねばならないのだと思っております。二項対立的なことをかって申し上げたとすれば、そこは反省するべき点が多々あると思っております。
嘉田議員
はい、二項対立ではない。ただ、その比重の問題なんですね。
総裁選の時に総理が、少子化は少母化、母が少ないんだということで、今103万円の壁あるいは130万円の崖とか言われておりますけれども、これはどっちかっていうと所得税の問題あるいは労働法制の問題ですが、その根っこのところに私自身は母の壁があり、そこが女性が子どもを産みにくいということだと理解をしております。
私自身は、50年前に仕事しながら長男授かったんですけど、50年間、ある意味で母の壁、そして一方で父の壁もあります。戦い続けなけれいけないような状態でしたが、総理、この母の壁にはどういう項目があるか。これ個人というよりは職場、社会、家庭です。列挙していただき、それを超える方策などご示唆いただけるでしょうか。
石破総理
これは厚労大臣からお答えすべきものかもしれませんが、委員のご指摘をこう私なりに勉強もしてみました。壁というのは、まず家庭の壁、お家の壁。
つまり、育児とか家事負担ってのはお母さんが、女性がやるもんなんですよっていう家庭の壁がある。
地域において保育サービスが十分に提供されてない場合もあって、この地域の、職場の壁というのがある。そして、地域の壁もある。つまり、職場の壁ってのは、女性に対して仕事と育児どっちかを取りなさいという二者択一を迫るというのは職場の壁なのだと。そして、委員のご指摘を踏まえますと、女性自身が仕事に対する意識という自分の壁というのもあって、それが気づかない、アンコンシャスバイアスになっているというのがあるのだろうというのは、私は委員のいろんなご指摘から学ばせていただいたところでございます。
こういうのは意外と思い込みみたいなところがあって、気仙沼の例をあちこちでご紹介をしておるのですが、いやいやと、うちの会社に限って男女間格差なんかないんだということで、本当かねということを検証してみると、いや、随分あるねと。気が付かない、そういう壁。今委員が御指摘の4つの壁、これを1つ1つ取り払うことが肝要なことだと改めてご教示いただいたところでございます。
嘉田議員
ご丁寧にありがとうございます。実はここに、アンコンシャスバイアスのところに父の壁の大きなものがあります。
去年、一昨年も実は岸田総理にもお伺いしたんですが、それ以降新しいエビデンスが出てまいりました。
私の知り合いに京都大学教育学部の明和政子教授がおられます。人間が成長するプロセスを脳科学からかなり科学的に究明しているんですが、子育て親の愛情ホルモンは母だけではなくて父も十分に出すと。しかも、この愛情ホルモンが前頭葉をフルに働かせて、子育ては知的な修行の場である、男性もこの知的な修行の場に入れるように、それこそ会社で社長さんが子育ての場で育ってらっしゃいということを言った方が、結果的には家庭だけではなくて、職場もより人間力の高い男性社員が育つということが新しいエビデンスであります。
ですから、今、育児介護休業法、労働法制的には休業ですけれども、ここを育児介護参画法と名前を変える、このような指示を、ぜひ石破総理らしく、ここは挑戦をしていただけませんでしょうか。
できない理由をたくさん言われます、官僚さんは。でも、総理が方針を出していただいたらできると。そして、職場も、また家庭も、より一層男性の育児参画が進むと、そして出生率も上がります。
このあたり、ぜひお願いいたします。
石破総理
なぜできないかという理屈は朝から晩まで聞いておりまして、なかなかそれと戦うのも大変なことで、そこに与党も野党もございません。
理屈っぽく申しますと、育児休業という言葉を使っているのは、労働者の休業の権利を保障する法律だからこういう名前なのだという説明をたぶん委員にもしたんだろうと思います。それはギリギリ詰めりゃそうなのかもしれませんが、そこを参画と変えると一体法的な性格が変わるのかということは詰めて考えたいと思っております。そこはもう休業の権利は当然保証すると。 だけども、お休みするんだけど参画ちゃんとしなきゃダメなんだよねって担保も取っていかなければならないことであって、お休みをする権利さえきちんと保証すればいいということで良いのかどうか、少し検討させてください。
そこでまた戦いがあるのかもしれませんので、場合によってはまたご教示を賜ることがあるかもしれません。
嘉田議員
はい、ありがとうございます。1歩も2歩も去年より進んでおります。検討していただけたらと思います。
実は女性が、例えば仕事してたら育児休業取ってもフルにオムツ変えてご飯、大変です。
私は仕事をしながら子育てしてて、仕事場が息抜きでした。これ言うと叱られるんですけれども、それくらい子育てというのは大変。でも、結果的に前頭葉を発達させて人間を育てるということが最近分かってきましたので、ここはぜひとも前向きに検討していただけたらと思います。
質問4 子どもの連れ去りと判検交流
嘉田議員
時間かなり迫っているんですけど、実は日本の家族法、民法が126年ぶりに変わりました。
明治では、離婚の後、子供は単独親権。というか、家の跡取りだったんです。そこをようやく共同親権が選択できるようになりました。しかし、毎年 20万人近くの未成年の子が70万人しか生まれないのに、つまり3.5人に1人の子どもが親から分離される恐れがあります。
実は、ちょうど1か月前の11月16日に、私の知り合いの弁護士さんがケアをしていた関東圏域のK市の父親、FFさんが自殺をしてしまいました。
本当に辛いんですが、3月24日の終業式の日に小学校2年の息子さんを母親が前触れなく連れ去り、それ以降、DV父親として市役所や学校や弁護士から個人非難をされ、子どもの居場所もわからず、子どもに会うこともできず、11月16日に自殺をしてしまいました。
周囲から聞くと、決してDVも児童虐待もしてなかった。ただ、本当に行政やあるいは弁護士からそう言われて心が折れてしまったっていうことです。で、実は、ここはかなり隠れているんですけれども、3年半前に参議院の法務委員会で上川陽子法務大臣は、川原隆司刑事局長共々もですね、「子どもの連れ去りは今の日本でも刑事罰になり得る」と答弁してくださっております。
それで、総理にぜひ3点調べていただきたいんですけど、連れ去られた子どものうち、事実上一方の親との関係が断絶されている子どもの数、子どもを連れ去られた親のうち自死に至ってしまった人の数、それから、連れ去られた後虐待で殺害される子ども、毎年おられます。
この数字をぜひ総理大臣として、この共同親権の立法事実としてお調べいただけたらと思います。
鈴木法務大臣
今先生ご指摘の3点の調査、数字ということでございますけれども、この不当な子の連れ去りなのかどうかというその判断、これは極めて難しいところが正直あると承知しています。
これはそれぞれケースバイケースということでありますけれども、やはりDVや虐待からの避難ということも当然ありますし、そこの区別が極めて難しい中で、どのような形で統計をとることができるかということは、極めてこれ難しいということについては、ぜひご理解をいただきたいと思っております。
嘉田議員
はい。明日もまた法務委員会でここ追及させていただきますけれども、実は 今回の法案も裁判官丸投げの法案ということで、この背景には、判事が検事になって官僚組織に送り込まれると、判検交流というのがございます。
ここは総理でないと答弁できないと思うんですが、この判検交流、法制度の改革はいりません。もう総理の方針で判検交流をやめることができます。
今、全体で150人ほど、法務省だけで35人、資料8で出しておりますけれども、ここは総理のご決意をお願いいたします。
石破総理
今委員のご指摘という見方もありますが、判検交流にはそれなりの意義がある。つまり、判事として裁判を行います時に、やはり検事の経験というものも必要であるという見方もございます。
現在のところ、私といたしまして、政府といたしまして、これは検察の立場でございますが、裁判所、両方にとって意義があるというふうに承知をいたしております。ですから、委員ご指摘のようなこういう問題があるということを承りましたので、またそれは私として考えてまいりますが、現在のところ判検交流には大きな意義があると考えております。
嘉田議員
はい。ここもまた議論したら時間が足らないと思いますので、じきさせていただきます。
以上
誤字脱字がありましたらすみません