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枝野幸男議員(立憲)2024年4月2日衆議院法務委員会

枝野幸男議員(立憲)が、親権の単独行使ができる場合等について質疑してくださったので書き起こしました。
35分という長時間の書き起こしのため大変長くなっております。どうぞご無理なくご覧ください。
また今回の民法改正案の条文は、下記をご参照ください。
001414764.pdf (moj.go.jp)

枝野議員
久しぶりに法務委員会で質問させていただきます。差し替えで機会を作っていただいた我が党の理事と委員の皆さんに感謝申し上げたいと思います。
今回、共同親権が注目されていますが、この共同親権について、今回の法改正で親権は父母が共同して行うということが明記されております。
問題は、離婚の場合は、もちろん例外はありますが、多くの場合、夫婦間で、つまり父母間で円滑なコミュニケーションが取れなくなったから離婚するケースが圧倒的多数で、夫婦間で円滑なコミュニケーションが取れているのに離婚されるケースというのは全くないわけではないでしょうが、ごく一部だと。その前提の上でですね、今回の法改正は実務的に、家族外の第三者の立場からも大変な混乱をもたらすというふうに思いますので、その点についてお尋ねをしたいと思います。
まず前提として、今の離婚する場合は、大部分は夫婦間のコミュニケーションがうまくいってないからで、うまくいってたら普通離婚しない。そうですよね、大臣。

小泉法務大臣
家族というものは、ちょっと生意気な口を聞きますけど、親子関係と夫婦関係と、これによって形成されているわけで、離婚というのは夫婦関係がうまくいかなくなる、あるいは破綻するということでございますが、その時に自動的に親子関係も断絶するのだろうか、する法制でいいんだろうかいう問題意識から議論が始まってきたというふうに私は認識しております。多くの場合はコミュニケーションが取れない、合意ができない、そういうことはままあろうかと思いますけども、しかし、かといって、親の離婚=親子の断絶にイコールにしていくことについての問題意識、そういったところから、この問題は議論が始められて今日に至ってると理解をしております。

枝野議員
別に共同親権認めないから親子断絶させる現行もそんな制度じゃないですし、面接交渉についてどうするのか等、そちらの方でいろんなことを考えなければいけないのは確かですが、結局、共同親権とは広い意味での法定代理をどっちがするのかという話ですので、実は夫婦が婚姻中だったとしても、実はこの共同行使は問題だというところも含めて進めさせていただきたいです。
ここからは民事局で結構ですが、婚姻中も含めてですが、共同親権者が共同行使する場合、改正案の824条の2、1項但し書3項は、「子の利益のため、急迫な事情があるときは例外的に単独行使が可能」だとしています。
当然のことだと思いますが、例えば、まず子供が手術をしなきゃならない、こうした医療行為に親権者の同意を求めるケースがあります。というか、未成年者が緊急手術する場合は、多分求めるのはもう原則だと思いますが、この場合は、これはこの1項但し書3項にあたりますね?

法務省民事局長
委員ご指摘の通り、本改正案では、父母双方が親権者である場合には、子の利益のため、急迫の事情があるときは親権を単独で行使することができることともしております。
この「子の利益のため、急迫の事情があるとき」とは、父母の協議や家庭裁判所の手続きを経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として、その子の利益を害する恐れがあるような場合を指します。
従いまして、委員ご指摘になられました緊急の医療行為、手術等を受けるため医療機関との間で診療契約を締結する必要がある場合等は、これに該当すると考えられます。

枝野議員
問題は、交通事故にあって手術する場合とか、発作性の病気で、子どもがそんなになるのかどうかわかりませんが脳梗塞とか、そういう場合の緊急の手術が急迫だと思うのですが、 お子さんが慢性的な病気で、でも手術が必要だと、早く手術した方がいいと。
こうしたケースで、父母がなかなかコミュニケーションが取れない。この場合、この3項にあたります?

法務省民事局長
委員ご指摘になったようなケースは、その当該手術の緊急性によるのではないかというふうに思われます。

枝野議員
そうですね、どこか明確な基準、ここからは読み取れないんですよ。
じゃあですね、実は離婚後共同親権の場合には、824条の3に、「監護者は、単独で、子の監護及び教育、居所の指定及び変更並びに営業の許可、その許可の取消し及びその制限をすることができる」と言って、単独行使が事実上可能になっています。
医療契約を結ぶ場合について、この「子の監護」に当たるでしょうか?

法務省民事局長
医療機関との間の医療契約の締結につきましては、子の身の回りの事項として身上監護にあたるものと解されます。

枝野議員
ということは、離婚後であれば、先ほどの緊急・慢性の手術の場合でも、子の監護者が単独で契約できる。いいですね?

法務省民事局長
改正後の民法824の3の規定に従って、子の監護者が指定された場合には、子の身上監護権については監護者の判断が優先されますので、委員ご指摘の通りかと思います。

枝野議員
次にですね、最近は海外留学をする高校生も多くいらっしゃいます。
また、修学旅行先が海外である場合も、少なくなくなっております。そうすするとパスポートの取得が必要になります。
この場合、パスポートの取得は改正案824条の3に基づいて、離婚後共同親権の場合、子の教育の範囲として監護権者が単独で可能にすべきだと思いますが、どうでしょう?

法務省民事局長
パスポートの取得に関しましては、それはもう国外への旅行を前提と致しますので、恐らくそれは、基本的には、共同親権の場合には父母共同で決していただくということになろうかと思いますが、実務的にどうされているかということに関しましては、旅券法の解釈・適用の問題になりますので、法務省から答弁することは差し控えたいと思います。

枝野議員
今時、公立の高校でも海外修学旅行は行われてるところありますよ。
教育の範囲ってどこなんですか。だって、教育を受ける上でパスポート持ってなければその研修に行けないわけですから、子の教育に入らなきゃまずんじゃないですか。違いますか?外務省以前の問題です。

法務省民事局長
未成年者の旅券発行の際の手続きにおきましては、父母双方が親権者である場合における親権行使に関する民法の規定の解釈が参考になるというふうに考えられますため、法務省といたしましては、所管省庁は外務省でございますが、これとも連携協力して都道府県の旅券事務所等への十分な周知、広報に努めてまいりたいと考えております。

枝野議員
答えてないですよ。教育の範囲に入るのか入らないのか。まず、この法律の解釈、法案の解釈として法務省が見解示さなければ、外務省は対応しようがない。パスポートを取るだなんてのは今時当たり前なんだから、教育受ける上で。だから、これは教育の範囲、監護権者が単独でできる、じゃないとおかしくないですか?

法務省民事局長
繰り返しになりますが、パスポートの取り扱いに関しましては、旅券法の解釈・適用の問題と考えますので、法務省から答弁することは差し控えたいと思います。

枝野議員
いや、こんな法案審議できませんよ。だって、この法律の解釈聞いてるんですから。 外務省がどういう運用するかじゃない。ちょっと時計止めて。相談して。こんなのダメだよ、法の解釈聞いてるんだから。(「答えてない質問に」「時計止めて」という趣旨の複数の発言)

法務省民事局長
未成年者の子どもにかかる日本国旅券の発給申請につきましては、親権者である両親のいずれか一方の申請処理面の法定代理人署名欄への署名により手続きを行っていると伺っております。
ただし、旅券申請に際して、もう一方の親権者から子どもの旅券申請に同意しない旨の意思表示が予め都道府県旅券事務所や在外公館に対してなされている時は、旅券の発給は、通常、その当該申請が両親の合意によるものとなったことが確認されてからとなるものと承知しております。

枝野議員
それは法務省さん、その運用は外務省、おかしいと思いませんか。法律の、民法の解釈として、単独行使が可能な範囲の行為なのか、それとも共同行使しないといけない範囲なのかは民法で決まるんです。外務省の運用で勝手に決められてはいけません。(「そうだ」の複数の声)
法務省としてどっちなんですか、ということを聞いてるんです。答えられないなら時計止めて調べてきてください。(「時計止めて」「通告してます」という声。法務省ら複数で協議中、速記止まる)

法務省民事局長
当初申し上げました通り、パスポートの申請・取得に関しましては、基本的には共同親権の場合には父母共同で行っていただく必要があるというふうに考えておりますが、外務省の実務として、先ほど申し上げたようなことになっていると承知しております。

枝野議員
はい、わかりました。法務省の見解がようやく出てきました。
じゃあ、なんで教育の範囲じゃないという解釈になるのか、それを説明してください。監護者による単独行使ができる、今回の824条の3に書いてある単独行使が可能な教育の範囲ではないというのであるならば、修学旅行に行けないわけですよ。修学旅行に行けないということについて、教育の範囲を超えるという解釈はなぜ出てくるのか、説明してください。(法務省ら複数で協議中、「時計止めてください」の声、速記止まる)

法務省民事局長
パスポートの取得は、国外への旅行に直結するものでございます。
例えば短期の旅行につきましては、それは委員おっしゃるような監護の範囲というところで考えられるところがあるかと思いますが、長期の海外留学とかですね、旅行とかいうことになりますと、それは転居ということにもなりかねませんので、そのような場合には、…失礼しました。ちょっと違いますね。失礼しました。長期の場合には、共同での行使が必要になるというふうに考えるところです。はい。

枝野議員
途中でお気づきになってると思いますけど、監護権者が単独でできる行為の中に居所の指定変更を書いてあるんですよ。居所の指定、これは国内に限るのはどこか民法上制約あるんですか?民法上、国内の居所の変更しかだめだなんてどこにも書いてないですよ。海外でも監護者が単独でできるという条文ですよ。外務省は勝手に解釈の外でやってるんですか。そんなおかしなことダメですよ、逆に言ったら外務省は勝手にやったのなら。
違うでしょう、居所の変更が可能なんだから、海外に旅行するのだってOKじゃないですか。どこで制約してるんですか。(法務省ら協議中、「時計を止めてください」の声。速記再び止まる)

法務省民事局長
パスポートの取得申請は法定代理の範囲になってまいります。
両親が子を代理してパスポートを取得するということになってまいりますので、そういう意味で監護権者の、監護権の範囲には入ってこないという整理でございます。

枝野議員
あの、お気づきだと思うんですよ、民事局長。やっぱりちょっと休憩して、ちゃんとすり合わせた方がいいですよ。
だって、先ほど、医療契約は法定代理でしょう、親が契約するのあれ。代理じゃないの?法定代理の場合もあるでしょう、監護とか。(「いっかい整理しよ」のヤジ)はい。ちゃんと整理した方がいい。
全部法定代理以外のものなんですか。全部親が契約して子に効果が及ぶものだけなんですか、監護の範囲って。どこでそんな制約あるんですか。子どもの法定代理してるケース他にもあるでしょう、子の監護とか教育とか。違いますか。

法務省民事局長
医療契約との比較について言及されたところですが、パスポートの場合には、子どもを代理して親が申請するということになりますと、法定代理ということになろうかと思いますが、医療契約の場合には、親が締結するというようなことに…(民事局長言葉に詰まる)
すいません、ちょっとパスポートだけ答弁させてください。
パスポートにつきましては、先ほどのように、子を代理して親が締結するということになりますので、法定代理の範囲という理解でございます。

枝野議員
本当に監護や教育の範囲には法定代理行為は入らない、そう法務省は解釈しているということでいいんですね。
そして、医療契約は全部法定代理行為であって、子が契約当事者ではない、これでいいんですね。後で誰かが厚労省かなんかとやりますよ。間違ってたら全部審議やり直しですよ。

法務省民事局長
親が子を代理して契約を締結した場合には、その契約上の義務が子に帰属するという重大な結果を伴いますため、親権者でない者に法定代理権を付与するということは慎重に検討すべきだと考えております。

枝野議員
共同親権の場合の条文ですから、親権はあるんだよ。共同行使の例外をここで決めてるんですから、法定代理権は元々あるんですよ。ただ、共同行使じゃなくて単独行使できる範囲がどこかって聞いてるわけですよ。
で、子どもに影響を与えるのは、医療行為がね、法定代理でやっていようが、子どもが契約して親が承認しようが、同じように、医療行為の結果、子どもに重大な帰結、影響を与えるのは一緒じゃないですか。 契約の形態でなんて変わらないし。
そもそも子の監護や教育の範囲には法定代理行為は含まないなんて、条文のどこから読めるんですか。どこにも書いてないじゃないですか。
監護や教育についての親権の行使でしょ。親権の中には法定代理行為もあるし承諾行為もあるけれども、だけど制約なんかつけてないのに、なんで法定代理行為に限るって勝手に解釈出てくるんですか。

法務省民事局長
現行の民法のもとでも、親権者と別に監護者の定めがされることがありますが、現行民法の解釈について、裁判例によれば、子の財産を管理することや、子を代理して契約を締結すること等は、監護者の権利義務には帰属しないとされております。 本改正案は、現行民法の解釈を明確化するものでありまして、このような裁判例に変更を加えるものではないと承知しております。

枝野議員
いいですか。その判例は、子の固有の財産について、親権者である親が勝手に処分とかしては困るから、それはせめて共同親権で2人いるんだったら両方いるよね。そりゃそうですよ、事柄の性格上。
だけど、子どもが病気ですとか、海外修学旅行ってパスポート早く取らなきゃならないという話の、親が持ってなくて子どもだけ持ってるって人、かなり特殊なケースですよ。
そういうケースでね、親が勝手に処分しちゃいかんとかね、子どもに借金を負わせるような契約を親が勝手に単独でやっちゃ困るとかね、そういう話と全然性格が違うんで、法定代理全般について共同じゃなきゃいけないだなんて、その判例の解釈で1回集中審議やってもいいぐらいですよ。いいですか、本当にそれで。

法務省民事局長
今委員ご指摘なさったのは東京高裁の平成18年9月11日の決定のことかと思いますが、この決定は財産処分に関する事例ではないというふうに承知をしております。

枝野議員
財産処分のようなケースが典型の、子どもに多大な債務を負わせたりするようなこととか、子の財産を侵害するようなことになるとか、労働契約みたいに子どもにものすごい負担を与えるかもしれないようなことについては、それは法定代理、ちゃんと2人でやってくださいと。だけど、子どもの利益になるための教育や監護の話については、ちょっと性格が違うでしょ。
これだけやってやるわけにいかないので、いずれにしろここでも、この単独で監護者ができるかどうかという範囲について、明確な答えは出てこないわけです。
実はもうひとつ申し上げると、 実は共同行しなきゃならないというのは離婚後だけじゃないんです。これは離婚後共同親権だけ問われているんですが、婚姻中でも、例えば協議離婚中であるとか、裁判離婚・裁判調停中であるとか、 DVから逃げてる場合とか、それでも、今回の改正法で共同親権で共同行使が明文化されたわけです。従来の解釈ではそうなんですけど。その場合ね、これ離婚後なんですよ、この監護者の単独行使が可能になるのは、この824条の3っていうのはね。で、そうすると、824条の2を使わなきゃいけないんです。
DVから逃げています。だけど、例えば子どもの手術だという場合、子どもの手術は、先ほど急迫の事情がある時で可能かもしれないけど、例えばそれ以外の日常の教育のこととか、日常の監護に関することとか、そういうことは824条の3は使えませんので、824条の2でこの1項但し書の3項とか使って、単独でできる範囲はどこなんでしょうね?
どうなってるんですか。従来の解釈を明文化したんだと思いますけど、どこまでできるんですか、このDVで逃げてる親が単独で、その離婚協議の相手方と意見が一致しなくても子どもの教育や監護のために単独でできるというのは、範囲どこなんですか。

法務省民事局長
委員お尋ねのところは、改正案の民法824条の2第2項の監護及び教育に関する日常の行為の範囲というふうに理解してよろしいでしょうか。
本改正案は、父母の双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うこととした上で、監護または教育に関する日常の行為をするときは、親権を単独で行使することができることとしております。
本法律案における監護及び教育に関する日常の行為とは、日々の生活の中で生ずる身上監護に関する行為で、子に対して重大な影響を与えないものを指しております。
例えば、その日の子の食事といった身の回りの世話や、子の習い事の選択、 子の心身に重大な影響を与えないような治療やワクチン接種、あるいは高校生が放課後にアルバイトをするような場合等がこれに該当すると考えられます。

枝野議員
はい。今時、修学旅行は当たり前です。日常ですよね。
だって、国内の修学旅行ならOKなのに、海外の修学旅行パスポート取れないから行けないのでは子どもも可哀想じゃないですか。(「そうだ」の複数の声)子の日常に入りますよね。

法務省民事局長
まず国内の修学旅行は学校行事の一環でございますので、それは身上監護に関する行為に入ろうかと思いますが、パスポートの取得という面ではやはり法定代理ということになってまいりますので、そこは父母の代理権の有無ということになろうかと思います。

枝野議員
じゃあ、外務省、本人申請で親の承諾にしてください。親権者の承諾に変えてください。そしたら楽になるから。どうですか外務省。

外務省大臣官房参事官
未成年者にかかる旅券発給申請については、現状においては、旅券発給申請の法定代理人署名欄に一方の親権者の署名を求めているところでございます。 他方、外務省としましては、本改正案の議論を踏まえて、本改正案のその解釈に基づき、今後未成年者の旅権取得について、適切な手続きを定めていきたいというふうに考えております。

枝野議員
採決までに結論出してくださいよ。論点わかりましたでしょ?今みたいなところで皆不安に思ってるわけですよ。
いちいち子供が修学旅行行くのに、別れてうまくいってない、顔も見たくない、別れた元の配偶者と意見すり合わせて了解もらわないと、いちゃもんつけられて子供が修学旅行行けなくなるなんて不安なわけですよ。早くこの法案の採決までには、委員会採決まで結論出してください。
こればっかりやってられないので、「父母の協議が整わない時」の話をしたいのですが、改正案の824条2の3項で家庭裁判所が単独行使を認めることができるとしますが、この手続きは家庭裁判所、例えば民事事件における保全処分、差し押さえみたいな処分、即日ぐらいにやってくれますよね、多くの場合は。それから、刑事事件における逮捕状手続き、こんなもの即日くらいにやってくれますよね。必要に応じてこれぐらいのスピードでやってください。できますか。

最高裁事務総局家庭局長
現時点で法改正後の裁判所の運用について具体的に申し上げることは困難でございますが、 改正案にある改正後、民法824条の2第3項により、特定事項に係る親権の行使を父母の一方が単独ですることができる旨の定める手続きにつきましては、一概には言えないものの、親権行使の内容、時期その他の状況に応じましてスピード感を持った審理が必要な場合があることは当然考えられるところでございます。
仮に家族法が改正された場合には、今後、そのような場合も想定しながら、 例えば、改正法施行後の運用に関する大規模庁での集中的な検討、全国規模での検討会の機会を設ける等いたしまして、各裁判所における施行に向けた準備、検討が適切に図られるよう、必要な情報提供やサポートを我々として行ってまいりたいと思っております。

枝野議員
現実に、刑事司法では逮捕状というのは人の身柄を拘束するというすごく強力な方向使を即日やってくれるんですよ。
同じようなことができる体制整えてください。そうじゃないと、これ危なくて使えませんよ。裁判所にもおっしゃったけど、普通の家裁の手続き、何ヶ月も先の話にいくら指定されて審判やられたって何の意味もないですから。できますね。やってください。

最高裁事務総局家庭局長
仮に改正法が施行された場合の運用についてはこれからの検討になってまいりますが、 これまでの運用、今の運用にとらわれることなく、しっかりと検討する必要があるというふうに考えているとこでございます。

枝野議員
外務省も、家庭裁判所すら、これからの話だと言ってるんですよ。これがどうなるかでこれについての評価全然変わるんですよ。
私は一般的にも共同親権が必要かどうかは疑問に思ってますけれども、仮にこれを認めるとしたって、今みたいなところ、はっきりしなかったら賛成できるわけないじゃないですか。 大前提の準備ができてないんですよ。生煮えで出してきてるんですよ。
最後に、実はこれは、夫婦間とか親子の関係だけを問題にしてますが、例えば医療機関。今ここのやり取りで、緊急の手術は片方の親がOKですってサインしたら、やっちゃっても問題ない。 だけど、何か裁判ありましたよね。俺は同意してないって言って、父母の一方が文句つけた裁判がありましたでしょう。 そういったケース、怖いですよね医療機関としても。
片方の親、父母の一方の署名もらったから大丈夫だと思ってやったら、もう片方の親から「いや、俺は同意してない、俺は親権者だ」とかって言われたら困るじゃないですか。
外務省だってそういうのは警戒してるから、片方からいちゃもんつけられたら止めるっていう、そういう手続きしてるわけでしょ。こういうところばかりじゃないわけです。
例えば、取引の相手方、広い意味での取引の相手方は法定代理であるにしても、日常行為の契約行為があるわけですよね。その相手方、この子どもの親が婚姻中であるのかどうかだなんてわからないわけです。
婚姻中であるかどうかわからない上に、離婚後の共同親権なのか単独親権なのか、相手方は全然わかんないんですよ。違いますか。そうなりませんか。

法務省民事局長
例えば取引行為を前提にいたしますと、確かに取引の相手方にとってみれば、婚姻中で共同親権なのか、離婚後で単独親権になってるのかというようなことは、確かに分からないこともあるかと思います。

枝野議員
例えば子どもの不動産を処分するとか、子どもの連帯保証人するとかね、こういう契約であれば、相手方も相当な慎重なことしてくださいという話は分からないではないです。
だけどね、例えば医療行為であるとかパスポートを取るとか、まさに日常の範囲がどこまでか分からないから、どこまで確認をしなきゃならないのか、大混乱起きますよ、これ。共同親権、離婚後で見ても、今なら離婚してることは聞いたりとか、例えば学校とかそういったところで言って把握をしようと思ったらある程度できるかもしれないけど、共同親権か単独親権かまでちゃんと確認しないと、そういう、しかも日常の範囲がここでのやり取りでもはっきりしない。そしたらもう全部両方取れという話になりかねませんよ。だから、こういうとんでもない弊害が起こるんですよ。
私は、100歩譲って、子の日常の範囲とかね、急迫の行為とか、こういったところの範囲もよくわからないということを考えると、私は、仮に共同親権、つまり婚姻中であったとしても、親権者の外形を持ったものの1人が、父母の1人がちゃんと親権行使の形を作ってね、代理行為とか承諾行為をしていれば相手方は免責されると、重大な過失がなければ、故意または重過失でなければ免責される。もちろん不動産の取引であるとか連帯保証人にするとかであれば、それはちゃんと確認しなければ、それは相手方の重大な過失でしょう。
でも、医療機関とか、学校でいろんな関係があるとか、普通の日常の取引、まさにかなり幅広い範囲については、この法律をどうあろうと、親の1人と思われる人が外形的に親権の行使として行った行為については、相手方は免責される。この条文を入れてください。これを入れてくれれば相当不安が解消される。つまり、実態として監護してる人が子どものために良かれと思ってやることは、多額の財産の処分とか保証人になるとか、そういうちゃんと確認しない、相手方に重過失を取れるようなケース以外は何でもできちゃう。こうしないと危なくてしょうがないです。どうです?

法務省民事局長
本改正案では、父母双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うこととした上で、親権の単独行使が許容される範囲を明確化するために、 子の利益のために、急迫の事情があるときや監護または教育に関する日常の行為をするときは親権の単独行使が可能であると定めております。
親権者が未成年の子を代理して法律行為を行おうとする場合等において、
当該代理行為等の相手方の判断に支障を生ずることがないよう、委員ご指摘の通りですが、先ほど述べたような親権の単独行使が許容される範囲を含め、改正後の民法の内容について、関係府省庁等とも連携して適切かつ十分な周知・広報に努めたいと考えております。
また、取引の相手方の保護につきましては、現行民法の第825条によりまして、 父母が共同して親権を行う場合において、その一方が共同の名義で子に代わって法律行為等をした時は、取引の相手方が悪意でない限り、その行為が他の親権者の意思に反した時であっても、そのためにその効力を妨げられないとされておりまして、この条文を改正する予定はしておりません。

枝野議員
それを単独行為で大丈夫ですよと、824条の3はいい規定だと思うんですよ、これを設けたことは。これ作ったことで、離婚する時は必ず監護者の指定、協議離婚の場合でもこの議事録使って周知をしてください。もしこの法案が本当に通ってしまったら、協議離婚であろうが何だろうが、監護者をちゃんと指定して、監護者であれば単独でかなりのことができる、大部分のことができると。
問題は、その範囲が、今のやり取りのパスポートの話にしろ、はっきりしない。はっきりしないんだから、もう基本的には単独でOKで、 相手に悪意か重大な過失の場合もいいですよ。だって、本当に多額の子の不動産をね、親が勝手にやっちゃいますって時は相当慎重な手続き、相手に求めていいと思うんですよ。 だけど、そういう情報を1個置けば相当不安解消する。監護者さえちゃんとしておけば、共同親権だろうとなんだろうと、子どもとか監護してる親が別れた元の配偶者との関係でその承諾取らなきゃいけない、判子も取らなきゃいけない。そういったことで苦労することなくなるわけですよ。そうすれば、この法案に対する世の中の評価、見方、全然変わってきますよ。
だから、これ設けませんか。この親権行使の相手方は、監護してると思われるものの父母の一方の親権行使で、悪意または重大な過失がなければ免責されるっていう条文1個置けばいいんです。どうです?

法務省民事局長
委員のご趣旨は、現行民法の825条による、先ほど申し上げました、夫婦が共同指定親権を行う場合において、その一方が共同の名義で子に代わって法律行為をした時は、その取引の相手方が悪意でない限り、その行為が他の親権者の意思に反した時であっても、その効力を妨げられないというこの規定がございまして、改正後におきましても、この規定、同じようにありますので、それで達成されるところがあるかと存じます。

枝野議員
ただその条文だけで十分に機能しないのは今の外務省ですよ。単独で出されても、パスポート出してるけども、片方の親から文句つけられたら止めるって言ってるんでしょ。それされちゃうと動かなくなるんですよ。
だから、行為の時点でOKだったら、もうそれで自動的にOKにしてあげてください。そういう書き方にしてもらわないといけない。いちゃもんつけられるまでに法律行為の効果が、例えばパスポートの発行が終わってなければ、そのいちゃもんついたところで止めるということを外務省がやってるからいけないんだ。それをやらないでください。出てきたところで自動的にやりゃいいだけですよ。そうでしょう。
例えば医療行為であろうが、様々な日常の売買とかそういう取引であろうと、その行為の時点で後から言ってきてもダメだと。行為の時点で、その外形が整ってたら、後からいちゃもんつけてもそれは構わないと、気にしなくていい、そういう規定にしなきゃいけないということを申し上げたい。これ、ぜひ考えていただきたい。
もう時間がなくなったんですが、これ最後に、共同親権を認めるケースであっても、今のようなことをやればだいぶ心配は収まるんじゃないかと思っている一方で、ただやっぱり本質的に、やっぱりこの共同親権って離婚後も共同して親権行使することを前提にしてるわけですよ。
さっき言った通り、離婚の場合でも、仲良く離婚するケースも例外的にある。芸能人の離婚なんかのニュース見てると、本当かどうか知らないけどそういう話もあるから、一概に全否定はしないけれども、逆にしないといけないじゃないですか。協議離婚の場合だと、早く離婚しないといけないとかって事情に追われてるから、もうとにかく共同親権だろうと何だろうと、とにかく離婚したいというような話で、真意でなく共同親権で離婚しちゃうケースが、 それ事後に家庭裁判所に持って行って単独親権に変更とかって言ったって、なかなかそうした方は経済的にも困窮してるケースが多くて、なかなかそんな手続きに持っていけない。
だから例外的に共同親権のケースがあっても構いませんから、その代わり、例外と原則を逆にして、双方の真摯な合意がある場合に限って、家庭裁判所の審判を経た場合だけ共同親権にできる。これならば、私、100歩譲ってOKだと思う。逆に、家庭裁判所が責任持ってくれと。家庭裁判所に必ず持っていってくれと、協議離婚じゃダメだと。協議離婚であっても、その親権者の決定については、共同親権にする場合は必ず家庭裁判所に持っていって、家庭裁判所の審判、そのかわり家庭裁判所の責任重いですよ。それで、間違ってそこで共同親権にしたせいで結果的にDVで人が死んだってのは家庭裁判所の責任だから。せめてそういうケースに変えてほしいんですが、これ法務大臣に聞いた方がいいのかな。どっちでもいいです。はい。

法務省民事局長
本改正案の趣旨でございますが、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たすことが子の利益の観点から重要であるという理念に基づいております。そのうえで、離婚後の親権者を父母双方とするかその一方とするかについては、そのご家庭の個別具体的な事情に即して子の利益の観点から最善の判断をしていただきたいというふうに考えておりまして、本改正案もこのような考え方に沿ったものでございます。

枝野議員
確かに大口先生が先ほど質疑されてたのを院内放送で見させていただいてて、確かに例えば裁判離婚になって、裁判所がこの条文の解釈どう考えてどう判断するかと。 DVの具体的な証拠まであげろだなんて言わないということは、多分そういう運用してくれると僕も思うんですが、だけど、そこまで持っていけない、離婚の時に、もう協議離婚でもなんでも、とにかく早く離婚しないとというのは、やっぱり離婚のケースの相当なケースであり得るんですよ、 逼迫してて。その場合には真意でなく共同親権にしてしまう、合意してしまう。そうすると子どもが不幸ですよ。
本当に双方でコミュニケーション取って、まあ夫婦仲は悪くなったけど子どものことは一緒にやろう、そういうケースありますよ、確かに。そういうケースは共同親権にしてもいいけど、そうじゃないケースも協議離婚では共同親権になってしまいかねない。それは排除しないと子の利益にならないから、共同親権にする場合は必ず親権者の指定を家庭裁判所に持ち込む。家庭裁判所の責任で大丈夫だな、真摯な合意だな、これならば僕は100歩譲ってこれありだと思うんです。先ほど、取引の安定の話を合わせて。どうですか?

法務省民事局長
本改正案におきましては、裁判所が父母の双方を親権者と定めるか、その一方と定めるかを判断するにあたっては、子の利益のため、父母と子の関係のほか、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならないということとしております。
その結果、例えば父母間での協議ができない理由等から父母が共同して親権を行うことは困難であると認められるような場合には、その一方を親権者と指定することとなると考えられます。

枝野議員
だからそれはわかってて、それはそれなりに適正に運用されると期待したいですし、まあまあ100%ではないけど一定信頼しますが、家庭裁判所に持ち込まないで共同親権が行われるんですよ、協議離婚で。
そこから審判に持って家庭裁判所に落ち込むっていうのは相当なエネルギーがないとできないんですよ、特に貧困のシングルファザー、シングルマザーは。だから必ず裁判所に持っていって、今のような基準で裁判所が適正にOKだなっていう確認できる時だけにしてくださいと私は申し上げてるんで。
大臣は本当に同じ埼玉で非常に優秀な方と存じ上げてるので、わからんふりしてずっと聞いてらっしゃったと思うので、ご理解をいただけると思うので、今の私の申し上げた2点を最低限変えていただかないと、とても賛成できないなと申し上げて、あとは、まさに今申し上げた、 そうは言ったって離婚のその現実の場面ではね、もう共同親権だろうが何だろうがもうこの人の顔とか見たくないし無理だとかっていうケースであっても、とにかくまず離婚を取ることが大事だからっていうことが実態で行われてる話等は同僚議員がやってくれると思いますので、引き続き真摯に受け止めて、別にこの法律は、目指すものは私たちも否定しないんですから、まともなものにするためにぜひ柔軟に修正を考えていただきたいということを申し上げて、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

最高裁「改正法が施行された場合の運用についてはこれからの検討になってまいります」に不安しか感じないし、もう法案審議に入っているというのに、単独で監護者ができるかどうかという範囲について明確な答えが出てこないのは、大変に問題であると思います。

書き起こしは以上です。
誤字脱字がありましたらすみません。

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