韓国アイドルへの入り口
私はアイドルが好きだ。
とりわけ女性アイドルが好きだ。
同年代の方ならわかってもらえると思うが
松田聖子、中森明菜(敬称略)から始まり
浅香唯、南野陽子、はたまたアイドルグループも好きだ。
(微かな抵抗として聖子ちゃんと明菜ちゃんにおいてはリアルタイムではないことをここに示しておきます)
とにかく愛くるしく、いつもニコニコして
ベレー帽を被り、ふわふわの衣装を着ている。
好きな食べ物は苺で、トイレには行かない。
縁がヒラヒラになったクッションを抱き、
ブランコに乗れば、傾げた小首の空いた隙間に小鳥が乗る。
そんなアイドルが大好きだ。
テレビに映るアイドルに憧れ
そうなりたいと真似して歌い踊った事は
誰でも一度はあるのでないかと思う。
平凡な家庭に生まれた私にとって
アイドルは憧れであり、手の届かない存在として
いつも私の心の中の神々しい位置にいた。
そんなアイドルへの憧れが薄くなりつつある日
私はAKBに出会い、はまった。
とは言え現場に行くことなく様々なコンテンツを見てはワクワクし時には涙するただの茶の間オタク。
私がAKBを知った時にはすでにAKBだけでなく派生グループのSKEとNMBもあったので
当時の私はとんでもない人数の48グループのアイドルを記憶していた。
そして、総選挙や組閣、シングルの選抜発表からじゃんけん大会、ドラフト会議等、寝不足になりながらもコンテンツを消費しては一喜一憂の生活をしていた。
今思えばあの時、めちゃくちゃ疲れていました。
昼はコールセンターで働いて、
趣味レベルではあるものの夜はバーに歌いに行き
日が変わる頃に家に帰ってまた朝起きて仕事に行く。
テレビをリアルタイムで見ることも無く、
あの時、世界で何がニュースになっていて
何が流行っていたのか今になっても思い出せないけれど合間で覗いたネットだけがお友達で、
がむしゃらに頑張る彼女たちに想いを重ねて頑張る力にしていたのかもしれません。
そんなある日、AKBが韓国のサバイバル番組に出るという記事を見かけた。
サバイバル番組ってなんぞ?
てかさくちゃんでるやん!!
え?なこちゃんも出るの??
え、観たい!
そんなの観たすぎるうううう!!
produce48をみた方ならお分かりであろう。
いや、韓国アイドルオタクの先輩方ならあの番組を見てイライラした事でしょう。
韓国と日本のアイドルの違い。
本国では色々物議を醸し出していたようだが、私は意外と客観的であり、新鮮な目で楽しんでいた。
そのうち私は韓国のアイドルのストイックさと
韓国アイドル業界における理不尽さの虜になった。
それまでの私が思うアイドルは
好きな食べ物が塩辛であっても苺と言い、
お腹が痛くてもニコニコと笑う。
ほんとはスエットの上下で過ごしたいのに、ふわふわの衣装を着こなしてニコリと微笑む。
そんな姿をストイックだと思い憧れていた。
韓国のアイドルは違う。
心を隠す事を美徳としていない。
目標とゴールをしっかり見据えた上で
今何をしなくてはいけないのか、なにをしたいのかを発信していた。
それが身の丈に合っているかどうかは二の次だ。
自分が10代の頃、こんな考えが出来ていただろうか。
10代だった己の姿を思い出してみても、うまい棒チーズ味を爆買いしていた事しか思い出せない。
なぜ私はうまい棒チーズ味を爆買いしていたのかさえ思い出せない。
なんなんだ。
うまい棒でなくてもいいじゃないか。
コンポタ味だってうまいじゃないか。
いや、今はそんな事はどうでもいい
その後、さくちゃんとなこちゃんはめでたくデビューした。
韓国アイドルのコンテンツの多さにも驚いたが
デビュー(カムバックも)までのスケジュールが出る事も、ティザーがある事も、全てが新鮮だった。
それでも私はアイドルに
キレキレで踊る姿を期待していないし求めてもいなかった。
韓国アイドルのストイックさに心奪われはしても
私がアイドルに求めることは癒しであり、アイドルを演じる姿。
そして、アイドルスキルで求めることはただ一つ
歌をちゃんと理解して歌う事だった。
そんな想いを持ってはいたが
La Vie en roseのMVをみた時
韓国アイドルへの入り口が開かれた気がした。