まさかまた出ることがあるだなんて
次回出演が発表されました。
これを読むのは僕が(gekidanU)というクレジットを付けてから知り合った方がけっこういると思うのですが、僕は大学一年生の時にこの「劇団唐ゼミ☆」で演劇を始め、3年弱ほど劇団員として活動してきました。
そもそも大学でも野球を続けたくて死ぬ気で勉強して入った横浜国立大学で、入学直後に当時大学構内を拠点にしていた唐ゼミのプレ公演を観て、ンなんだか得も言われぬ衝撃を受け、「なんか…もういいかな」と思って野球部入部を辞め、気付いたら長野の広場で初舞台を踏んでいました。
当初は特段演劇が好きなわけではなかったと思います。
幼少期から打ち込んだ野球に変わって持て余した体力と「なんだかともかくなんかしたい」という若さゆえの謎の熱意をぶつける対象として、アングラテント演劇のパワーだったり、いい具合の劇団の規律と厳格さ、そして何より唐さんの脚本の「わからなさ」、それをできる限り論理的に読み解き具現化してお芝居にする唐ゼミの面白さに、ついつい付いていってしまったのが最初でした。
※大学3年春…若い。
加入当初はまさか27歳の今まで演劇を続けているとは夢にも思いませんでしたし、その後劇団員として活動し、神奈川芸術劇場で公演したり、音響を担当したり、トラックの荷台2台をステージにした野外劇で4都市ツアーしたり、さまざまな経験をさせていただいた後、大学3年末で退団し就職活動を始めた段階で、演劇はやっても大学までだろうなと思っていました。
それが今所属してるgekiganU(これも唐ゼミのツアー公演の前座で参加してた主宰と出会ったのがきっかけ)を軸とした活動が思いの外上手くいったり、就職した会社が思った以上に理解があったり、なんやかんやで今もしっかり演劇をしてしまっています。
ものすごく月並みな言い方ですが、ここまできたのは唐ゼミでの経験と教えがほぼベースになっていると思います。
特にこの2〜3年位、演出を本格的に始めてたりする中で、特に顕著に思うようになりました。
正直在籍時はものすごくしんどかったときもたくさんあったし、僕自身がもう今思い出しても本当に恥ずかしくなるくらい、自意識を処理しきれない未熟な文系芸術かぶれ大学生男子で、全然言われたことの何割も理解できてなかったしご迷惑もおかけしてたので、とても申し訳ない気持ちになるとともに、こうして改めて体験して学んできたことを噛みしめることができて、「続けててよかったな」と近頃思っています。
そんな中で、演出の中野さんから今回の「唐版 風の又三郎」への出演のお誘いがありました。
既に情報公開がされている中、それことチケット発売日でのご連絡だったのはもちろん、まさかまたお声がけいただけるとは夢にも思わなかったのでめっためたにびっくりしました。
中野さんがブログでお話されていた通り、コロナの影響で出演が難しくなった方もいてあと数人人数が足りないとのことで、恩返しの念も込めて僕でよければお力を…と、実はゴリゴリの会社員であったり12月頭からgekidanUでの家公演があったりすることは一旦半目で見送り、取り急ぎお返事させていただきました。スケジュールエグいことになりそうですが、生き抜いていきます。
上記のような状況があったとはいえ、お声がけいただいてまた唐ゼミで唐さんの作品をやれることがとっても嬉しいです。僕は唐ゼミがやる唐十郎作品が演劇で一番好きだと思っているので、ご迷惑おかけしないように頑張ります(意外と出番が多い、そわそわしてる)。
先週末に稽古場に伺い、役決めのために軽く稽古しましたが(もうマジで超緊張した)、久々の唐さんのセリフ、とっても楽しかったです。
興味があってもなかなかテント芝居とか唐十郎作品を観るきっかけもないと思うので、僕が出ることが一つの理由になって、ご観劇検討いただけたら本当に嬉しいなぁと思います。マチネのみ、既に週末は完売ということで他の回も少なくなってますので、よろしければご検討ください。
劇団唐ゼミ☆ 第30回特別公演
『唐版 風の又三郎』
作=唐十郎 演出=中野敦之
【公演日程/場所】
2020年
11月17日(火)〜22日(日)
開演14:00(開場13:40)
場所:新宿中央公園 水の広場 特設劇場
【料金】前売/3,600円 当日/4,000円
【ご予約】https://www.quartet-online.net/ticket/karazemi?m=0qdhgff