図書館で見つけた『 教育』の本について

今回の日本語表現法で、図書館にあった『 教育』に関する本について紹介する。

学校ってなんだ!

1冊目は工藤勇一、鴻上尚史『 学校ってなんだ!』図書館の分類番号は370.4。


著者の工藤勇一は日本の教育者で昨年度まで横浜創英中学・高等学校の校長先生を務めていた人である。

この本は学校のブラック校則、いじめ、不登校、教師の長時間労働などの学校に関する問題を全四章で筆者の考えとともに綴られている。

作者である工藤勇一と鴻上尚史の会話を文字で表したような本で、「本を読む」というより、「会話を聞いている」という感じが強かった。章ごとにとても多くの小見出しが使われていて、読んでいて区切りがつけやすい構造だった。

学校が抱える問題から自立をさせない日本の学校、そして対話する技術など「学校」という枠に囚われず話の輪が広がっていく。

子どもが育つ心理と教育5つのポイント

2冊目は栗原くり『 子どもが育つ心理と教育5つのポイント』図書館の分類番号は371.4。

著者の栗原くりは、千葉大学教育学部、東京学芸大学大学院総合教育開発科修士卒業。公立小学校教諭、副校長、校長を歴任し、現在は大学非常勤講師などをしている。


この本は根をしっかり張った子供を育てるためのポイントや、子供の学力だけでなく、性格についての指導の仕方も書かれている。子供の中でも問題行動を起こしがちな、いわゆる問題児と呼ばれる子との向き合い方、学校がより良い方へ変わるためのポイントも書かれていた。

この写真のように、箇条書きでポイントが綴られていることが多く、長文を読んだ後でも見やすい工夫がされていた。

さまざまな学校生活に意欲を示す小学校6年生のIがいました。
ー 中略 ー
校庭で6年生の男女一緒にクラス全員が、ドッジボール遊びをしていました。もちろん、Iも参加していました。休み時間が終了した合図のチャイムが鳴りました。それぞれの6年生は、ドッジボールをやめ、教室へ向かいました。ところが、Iは、止めどもなく涙を流して職員室に駆け込みました。担任が驚いて、そのわけを聞くと「ドッジボールのボールが当たったとき、自分以外の女の子には、『 大丈夫か?』と声をかけるのに、私がボールに当たった時は誰も声をかけてくれなかった...」と言い終わると、また、さめざめと泣くのでした。担任が、黙って聞いて、気持ちを受止め、慰めるとしばらくして気を取り直して、スッキリした顔になり教室に向かいました。大人でもできないくらいに、自分の感情を律しているIが、このときのように感情をあふれさせる一面を見せることがありました。
ー 中略 ー
Iは6年生という発達過程を忘れてしまうほど、学校への適応度が高く、何にでも意欲的で、低学年への配慮もあるほど自律しているところがあります。ですから、しっかり者と見られ、周囲の友達、教師、家族までもが、我慢してあたりまえ、自律している人と思ってしまうところがあるようです。しかし、Iは発達途上の12歳、「自分にも配慮がほしい」と、涙を流し、自分の存在を訴えたように、あたたかい配慮で育むことを大人は忘れてはいけないと思いました。また、仲間からの受容も大切であり、生徒指導においてあたたかい共感関係の重要性が示唆されている事例でした。

77-80ページ



この事例は、著者自身が体験した生徒の自己肯定感についてが書かれており、どれだけしっかりしていて自律できている生徒でも小学6年生だということを忘れないで寄り添っていくことが大事だと思い知らせてくれる。


不登校にしない先生・登校を支援できる先生

3冊目は小林正幸・大熊雅士『 不登校にしない先生・登校を支援できる先生』図書館の分類番号は371.42。

著者の小林正幸は、臨床心理学者で、日本カウンセリング学会認定カウンセラーであり、スーパーバイザー。

この本は、不登校はなぜ起きるのか、なぜ続くのかという疑問や、不登校の生徒に教師がするべき対応、未然防止など不登校について色々な観点から述べている。

先程の本同様、実際に起きた事例が沢山乗っていて、会話になっているものも多く、読み進めやすい構造だった。小見出しも多く用意されていた。

まとめ

今回「教育」をテーマに3冊の本を紹介した。
学校の教師側をテーマに書かれていた本だったり不登校の生徒をテーマに書かれている本を読んで、色々な観点で「教育」考えることが出来た。実例を多く読むことで実際に想像してみたり、自分に当てはめて考えてみたりして身近に感じることが出来た。

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