
1000万円を手に入れた!?利益を生み出した私たちの城
1 失われた時間と、今ここにある現実
我が家の城はマンションだ。
離婚する前、前妻と購入したマンション。
今、そこには再婚した妻と妻との間に生まれた息子と三人で暮らしている。
人生は不思議なもので、同じ場所に住みながらも、そこにある意味は刻々と変わる。
再婚時、「このマンションに住む」と言ってくれた妻には感謝してもしきれない。
そして数々の思い出を生み出してきた。私にとっても思い入れのある私の城だ。
しかし、私には消えない記憶がある。
「パパ、僕、必ず帰ってくるからここで待ってて。僕はパパと暮らしたいんだ。」
前妻との子供が最後に言った言葉だ。
その言葉が、時間が経っても私の脳に焼き付いて離れなかった。
住み続けて10年。住み続けた理由はここにある。
子供は今どこで何をしているのか。
あの時の約束を覚えているのか。
そんな考えがいつも頭の片隅にあった。
2 手に入れたものは、いずれ手放す運命にある
出会いがあれば、必ず別れがある。
子供が生まれたということは、いずれ別れの日がくる。
欲しい車を買ったということは、いずれ手放す日が来る。
結婚したということは必ず別れの日が来る。
手に入れた日からの日々が別れへの1日の始まりだ。
私たちは得たものを失うことを恐れ、手にしたときの喜びに浸り続ける。
しかし、必ず別れが訪れる。
その覚悟があれば、日々の生き方は変わる。
今ここにあるものを「いつか失うもの」として意識すれば、より大切にできる。
当時、若さゆえに買えたマンション。
勢いで購入したが、今の生活を考えれば決して無理のない選択だったとは言えない。
もし今の自分が過去の自分に助言できるなら、マンションの購入をすすめるかは微妙なところだ。
あれから10年が経ち、私はこの家を手放すことを決めた。
大きなものを手放せばより大きなものを手にできることを私は体感している。
今の家族は私にとって最大の財産だ。
さらに飛躍できると確信している。
3 大きな決断と、その先にある未来
突然、自分の中に降りてきた『手放しなさい』のおつげ。
めんどくさがりの私が突然動き業者に査定を出した。
驚くことに購入当時2070万円だったマンションの価値が2500万円に高騰していた。
現在のローンの残高が1500万。
単純に1000万のお金が我が家に舞い降りる。
差額がなくなるだけでもありがたいと思っていたが、むしろ利益が出る形となった。
「投資のようなものやな」と、妻と顔を見合わせて笑った。
再婚時、妻と交わした約束がある。
我が家は、家族で株式会社や。お互い自己投資を惜しまず家族で財を成すことを目標にしよう。
誰もがうらやむ株式会社 我が家や。
今回の査定で我が家に1000万円以上の現金が入る。
そこで妻とゲーム感覚で勝負する。
どちらがお金をうまく働かせて増やせるか、勝負や。
今後の人生も人が選ばない道を選択し学びを得たい。
私は強運だ。
妻も強運だ。
そして息子はさらに強運だ。
家計も経営のように管理し、二人で会社を成長させる感覚で人生の1日1日を楽しむ。
マンションを売ることで、大きなものを手放すことになる。
しかし、それより大きな財を手に入れられると感じている。
物事はすべて表裏一体だ。
出会いがあれば、必ず別れがある。
マンションを購入したということは、1日1日が手放す日へのカウントダウンが始まったということだ。
そう考えると、どんな出会いも、どんな喜びも、決して当たり前ではないと実感する。
一瞬一瞬を大切にしなければならない。
4 進化し続ける自分であるために
私はマンションを手放す。
それは単なる住む場所の変更ではない。
息子がいつか私を訪ねてくるかもしれない。
その時、胸を張って「俺は前に進み続けている」と言えるようにしたい。
過去に縛られるのではなく、未来に向かって成長し続ける父親の姿を見せたい。
アップデートし続けるスーパーおっさんであり続ける。
そのために、私は常に学び続ける。
自己投資を惜しまず、自分をアップデートし続ける。
住む家を整えることは、人生の分岐点の一つだ。
そして、私には確信がある。
「私は強運の持ち主だ。」
そう信じている限り、人生は前に進む。
過去を振り返るのではなく、未来を見据える。
別れは終わりではない。新しい出発の始まりなのだから。
ありがとう。私の愛する城。