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宮之浦岳縦走編③
3日目。
5時起床。
荷物を整理したりして、朝ご飯。
【食べたもの】
ナッツとレーズン入りシリアルにチャイを注いだものたっぷり(友人提供)、レーズンパン残り(誰よりも炭水化物を摂るように、と多く分けてもらった)、コーヒー
支度を整えているうち、プロセスおじさんが出発していく。
「またゴール地点で」と友人と話しているのが聞こえ、今日もデッドヒートを繰り広げるのだろう、と思った。(が、結局お会いしたのはこの時が最後となった)
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6時半、出発。
雨。
前日から「明日は雨だ」「明日で山を下りるのだから濡れたって構わない」などと言い合っていたが、その言葉のとおり、がっつり雨装備も気は楽。
ぐっすり眠ってかなり元気も回復していたし、膝ももう痛まない。
雨で苔や植物たちが生き生き。
水気をたっぷりまとわせ、つやつやふくふくとしている。
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機嫌よく歩き始めたはずであったが、気がつくと、私はせわしないループの中にいた。
かむっているレインウェアのフードが、顔へばさばさと当たる。視界が悪くなり、音が聞こえづらい。暑い。
かくして生まれた、雨の加減に応じてフードを脱いだりかむったり、の、せわしないループ。
やがて私は、もう金輪際フードをかむらない、と決意した。
髪や顔が濡れることは全く気にならなかった。山に入ってから向こう、化粧もしていなかったし。雨はこの時点でかなり降っていたが、身体が濡れなければそれでいい。
ああ、決めてしまえば何とすっきり。
自分にとって何が快で何が不快か、を知っておくことの大事さを、ひしひしと思う。
(道中度々一緒になった、台湾人(友人推察。中国の方だったのかもしれない)4人組の中の一人の女性が、ずぶ濡れに濡れた私の顔をじっと見る。「あなた、帽子、ないの?」と、同情と驚きの混ざったトーンでたずねる。
「暑いから。着ていないだけ。」と笑って答えると、「おお…」と言葉にならない声を発させてしまう。彼女はその後出会うたび、私を励まし続けてくれた)
8時。縄文杉に到着。
樹齢2,000年とも7,000年とも言われる、木。
保護のため杉の周囲に巡らされたデッキから、眺める。
音を持たない水分が、辺りを漂う。
満ちて、あふれる。
声を持たない巨大な木が、そこに佇む。
強く、しずかに。
雨と鳥たちの声を聴きながら、私が抱いた印象はそんなふうだった。
雨が似合う木だと思い、その中で見ることができてよかった、と思った。
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縄文杉を後にし、ひたすら下る。
杉をたくさん見る。
夫婦杉。2本の杉が支え合っているように見える。(ような気もする)
大王杉。貫禄。一本筋が通ってます、という感じがする。(し、実際何かばしっと、線が入っていた)
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本格的な雨に、さらに鈍る下り。
前を歩く友人は、たびたび後ろから「あっ」とか「うう…」などと聞こえるので心臓に悪い、と言っていた。
が、「今日はバテない」とレーズンとナッツをたくさん食べていたのと、「バテさせない」と友人たちからもアミノ酸やらボンタンアメなど定期支給されていたおかげか、元気。
「元気そうだから、計画通り白谷雲水峡まで行けるかな」と言われ、驚く。
当然のように、最終目的地のそこまで歩くつもりであったし、それについて考えすらしなかった。が、昨日のことがあるのでそりゃそうか、と思う。
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9時半、ウィルソン株に到着。
土砂降り、激混み。(この縦走中こんなにたくさんの人を見たのはこの時きりだった)
株の中のあるスポットから見ると、上部のぽっかり空いたところがハート型に見えるのだという。
皆んな見たいので、行列。私たちも並ぶ。
こんなに降っているのに、暗い株の中から見上げる光は明るい。
「あるスポット」はなかなかむつかしくて、皆んなよく知っているなあと思う。順番が来るまでに、立ち位置や角度など学ぶ。
(人がいなければ、どこから撮るのか分からなかったかもしれない。が、それを探し出すのも面白かったかもしれない)
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10時。トロッコ道に出る。
きれいなトイレがあったので立ち寄り、湧水も補充。
残っていた水を捨て、新鮮な水をワンカップ三岳にたっぷりと汲み、ごくごく飲み干す。また携帯用の水を満たし、出発。
下調べをあまりしないようにしている中で、とくに写真は極力見ないようにしている。
が、このトロッコ道に出れば平坦が続くことは知っていた。
そして嗚呼、散々登って下ってきた後の平坦の、何と歩きやすいこと!
ご褒美ロード!
天国!
いくらでも歩ける!
と、下りで遅れに遅れた(遅らせた)分を取り戻すべく、猛烈な追い上げを見せる私たち。
ペースの違いで離れがちであった個々人の距離も近づき、口数も増える。
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あんなに降っていた雨が、いつしかやんでいる。
森に、光が射す。
苔、細い葉、枝。
どれもがそこいらじゅうで光と水の玉をたたえる。きらり。
皆、上を見上げたり、木々に触れてみたり、足元の植物や石をためつすがめつしてみたり。
それぞれがくつろいで、思い思いに歩いていたと思う。歌なんかも歌い始めたかもしれない。
ペースは上がっていたはずだけれど、2泊3日の行程の中でいっとうゆったりした時間。
という気が、あとになって、した。
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11時半、楠川分れ着。
楽しかったトロッコ道に別れを告げ、ここからは少し上り。
台湾人女性2人と一緒になり、持っていた何かパンのようなものを勧めてくれる。
友人は遠慮していたが、私はためらうことなく謝々、といただく。炭水化物には貪欲である必要があるのだ。友人も、やはりもらう。
充電のち、歩く。
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お昼過ぎ、辻峠に到着。
同時、唐突に、本格的に、晴れ。
ここから太鼓岩に登る計画を立てていたので、行けそう、行くぞ!と盛り上がる。
荷物は、またその辺のベンチにデポ。
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登ること10分。
ひといきに開ける視界、見晴るかす緑、真ん中に川。
雨で増水した川を道中いく度も見たが、あのすごかった川たちのどれかだろうか。
今、広がる穏やかに、呼吸がしずまっていく。
着いた時にはそれなりに人がいたのに、いつの間にか、3人だけになっていた。
ごろん、と寝転がる。
ざらざらぽこぽこ、ぺたんとしてあたたかみがある。
空が青い。
突然、すごいスピードで雲が流れ込み始める。
谷の左右から、生き物のように、手を取り合うように、扉が閉まるように、雲が伸びる。
やがて、閉じられる。
人が登ってくる。
つい今さっきまで晴れてたんですよ、と友人が言う。
10分、15分もいたろうか。
少しでもタイミングがずれていれば、見ることのなかった、景色。
足を引っ張り続けた下りも、あながち無駄ではなかったのかもしれない。(などと調子のいいことを、今となってみれば、思う)
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太鼓岩を下り、進む。
白谷小屋までがんばって歩き、そこでお昼ご飯にしよう、ということになる。今日はきちんと温かいものを食べよう、と聞く。わくわく。
途中、「もののけ姫」のモデルになったと言われる苔むす森を通る。
(なるほど、雰囲気。と、写真を撮りながらもずっと、お昼のことを考えていた。)
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お昼、お昼、と心で唱えながら歩く。
ようやく白谷小屋が見える。
また雨がぱらつき始めていたが、到着してうれしかった(お昼)。
小屋で、し尿搬出をしている方たちに会う。
タンクのようなものに入れてあるそれを担ぎ、雨の中を数往復するのだという。重さは50kg近くあるとのことだった。
この後も何度かお会いしたが、皆かなりのスピードで昇り降りされていた。頭が下がる。
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お湯を沸かし、テーブル代わりのベンチに敷物を敷き、せっせとお昼の支度をする友人たち。
たまに後ろから覗き込んだり、それ混ぜようか、とか言いながらうろつき、何もしていない感をなきものにしようと努める私。
【食べたもの】
アルファ米(青菜ご飯×2、梅じゃこご飯×1)、レトルトカレー、レトルトビーフシチュー、麺のようなものと鶏スープ(全て友人提供)
この時食べた温かいご飯は、本当においしかった。
とくにカレーがおいしくて、青菜ご飯とたくさん食べる。
食べながら「ねえ、白谷雲水峡ってどこなのかな」とたずねる。
その時点で14時半。
なかなか着かないんだなあ、と思っていたのだが、ふと、そういえば私が辿り着けるかどうか懸念されていたし、これは行くことを諦めさせてしまったのではないか、と思ったのだった。
すると「どことかじゃない。もうさっきからずっといる。今、通ってきたこのあたり、全部」との返事。
まさか。
そのネーミングから何となく、水がたくさんあって苔なんかも生えていて、幻想的なところなのかな、とぼんやり想像し、楽しみにもしていた。
言われてみれば、ここへ来るまで水も苔もたくさん見たな...と思い出す。そういえば、小屋の名前も「白谷」ではないか。
下調べをしないから、こういうことになるのだろう。
が、まあいいのだ。楽しく歩いたのだし。
これから先の旅も、前もって写真は、見ない。たぶん。
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温かいご飯パワーで、一路、ゴールである白谷雲水峡の入口を目指す。
途中、川を渡るところがあった。
水のある場所を歩くのはとても好き。が、後ろから迫りくる人に焦り、また思考停止。
どう足を踏み出したものか分からない私に、渡り終えた友人が指示を出してくれ、とんでもないのろさで、どうにか渡り終える。
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終盤に向け、下りの冴えなさに拍車。
おしりを打ち付ける回数も増える。
前をゆく友人たちを度々見失うくらいに、パフォーマンスは下がっていた。
いく度目かに見失ったのち、下の方で友人が待ってくれているのが見えた。
追いついてみると、友人は1人で、もう1人は、ゴール地点まで迎えに来てくれる宿のお母さんに電話をかけるため、先に行ったのだという。(山中はほぼ電波が入らない)
ごうごうと川がさかまくのをいくつも見ながら、歩く。
いいかげんよれよれ、歩くのがやっと、の私を見て友人がストックを貸してくれる。すこし楽になる。
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とうとう、地面が土から人工物に変わる。
もうすぐ、終わってしまう。
あとすこしで、終わる。
16時。
白谷雲水峡の入口が見える。
先に着いていた友人、道中一緒になった他のグループの人たちが見える。
その瞬間。
自分でも全く予想していなかったことだったが、涙が溢れた。
私たちが到着したことに、先着の友人が気がつく。
慌てて、「写真!写真撮ってないから!もう一回向こうから歩いてきて!」とゴールやり直しの命。
泣きながら笑って、引き返す。
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涙は止まらなかった。
笑う友人たち。
号泣に驚きながら「オツカレサマー!」と労ってくれる台湾人4人組。
疲れ切ってはいたが、痛みなどはなかった。
何の、どういう心の動きなのか。
分からなかった。
言葉を持たない心と身体の、行きどころだったのか、と、今は、思ったりする。
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皆んなバスに乗って、去ってゆく。
徐々に、落ち着きを取り戻す。
すこし荷物の整理をしたりして、宿のお母さんのお迎えを待つ。
気がつくと濃い霧が出ていて、お母さんがなかなか着かないので一同心配になる。
ややあってLINEが来て、胸を撫で下ろす。
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お母さん、着。
やはり途中から霧がすごくて、運転するのに難儀したのだという。
確かに、どうして運転してこられたのかと思うほどの霧。
お母さんの無事に改めてほっとし、申し訳なく、ただただありがたい。
「飲み物持ってきたんよ」と、クーラーバッグから取り出した栄養ドリンクを渡してくれる。
感激して一気に飲み干す。
冷えて、おいしい。
車の中ではずっと、Hi-STANDARDのMDがかかっていた。
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宿に着き、とりあえずとにかく、お風呂!
打ち上げにおさえてあった店の予約時間が迫っていたので、40秒で支度して近くの温泉へ。
実に3日ぶりのお風呂。
最高!
女湯には、地元のおばあちゃん2人と、車中泊で屋久島を回っている、という女性が入っていた。
車中泊の女性は気さくでフレンドリー。
彼女も登山をするとのことで、縦走の話を聞いてくれる。お湯に浸かって話しながら、ああがんばったのかも、という気持ちになる。
92歳のおばあちゃんは、遠方にいる娘さん家族とお孫さんに久々会った話をしてくれる。
またばあちゃんが元気なうちに島行くねえ、言うとったけど、会えんと思う。ずっと島で暮らしてきて、若い頃は畑していた。そんな話。
お嫁さんが迎えに来て、おばあちゃん元気でね、と見送る。
どうしてもしておきたかった歯磨き粉での歯磨きもねじ込み、待たせていた友人たちと車に乗り込む。
宿に戻ってお母さんをピック、友人1人と先に店に行ってもらい、もう1人の友人と私は少し用事など済ませる。
用事の一つ、どうしてもしておきたかった(2)島サンダル(通称ギョサン)を調達に、近くの店へ向かう。
今まさに閉店するところへ滑り込み。お願いして、3人分のギョサンを買わせてもらう。
晴れて靴紐の心配と、サヨナラ!
お母さんたちに合流し、いざ打ち上げ。
一杯目のビールのうまさたるや!(これだから登山はやめられない)
このお母さんが本当に可愛らしくてチャーミングで、すぐにだいすき。
そのお母さんに「似てるとこあんねやわ、愉快な人」と言ってもらい、うれしい。
ケラケラ笑って、飲んで食べる。
長命草の天ぷらがとてもおいしい。
が、最近までずっと、「多年草」と勘違いして覚えていた。(間違っているな、と認識したはずだが、こうして書く今も「長年草」ともはや存在しない植物の名を記し、書き直した)
【食べたもの】
お酒たくさん、お刺身盛り合わせ(鯛、カンパチ、首折れ鯖など)、山芋千切り、冷奴、ポテトサラダ、おっきいハムカツ、赤鶏のたたき、長命草の天ぷら、天ぷら盛り合わせ(海老、なす、さつまいも、舞茸など)、飛魚(多分)のさつま揚げ、茶碗蒸し(大)、魚のとろろ蒸し、鯖スタミナ丼
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宿に帰り、ドライバーをしてくれたお母さんと飲み直し。
お母さんの包容力と人間力に三岳が進むばかり。
頭も身体もふわふわになって、就寝。
何時だったのか、全然、分からない。
明日の朝は早いんだよなあ、とよぎりつつ、お布団と溶け合う。