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鮮度が命やろ
京都で豆腐屋なんてやってると時々試食販売のお声が掛かることがある。
そりゃ、お客様の生の声を聞ける機会なので喜んでうかがうんだけど…
そこで、かなりのお客様からたずねられるのが「いつまでもつの?」と言う言葉。
南禅寺豆腐屋の豆腐は消費期限が4日なのでその旨お伝えすると「えぇ〜短いのね」とおっしゃる。
僕は「出来るだけ早く召し上がってください。豆腐は鮮度が大事ですので」と伝えるようにしている。
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いつから消費者は食品を買う時に(日保ち)を気にするようになったのだろう?
そりゃ傷んでおなかをこわすのはごめんだけど…
こどもの頃は食べ物の匂いをかいで「これ、まだいけるで」と言っていたのを思い出す。
ライフスタイルの変化もあり、1週間分を買っておかないといけないのも理解する。
毎日の献立を考えながら買い物をするなんてサザエさんの世界だろう。
日保ち期限というのは検査して、そこまでは菌類が増殖せず食べることが可能な期限。
そこまでは美味しいよというものじゃない。
美味しいものの期間は短い。せっかく買った物なら美味しい時期にたべてもらいたいものだ。
冷凍技術や物流の進化で遠方の美味しい食べ物が手に入る時代になったけれど、旬というのは、その時期、その場所でしか味わえない物だと思う。
鮮度というのは、その素材が持つ命の期限。持っているエネルギーを伝えるリミットがあって、その中で渡せるもの。
鮮度が命やろ、と心から思う。