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サービス提供型職種の人は、どこに無料ゾーンを設定しようか
わたしの職業(言語聴覚士・げんごちょうかくし)は医療職のひとつで、広くサービス業に属する。
具体的な商品を生産したり販売するのではなく、サービス(相談・支援・セラピー・リハビリ)を提供し、生計を立てる。
さらには、特定の手技がいくら、とかサービスごとに価格が変わる形態を取ることは稀で、基本的には提供する時間単位で売上が決まる。
わたしは保険診療ではなくて、自費でスピーチ・セラピーを提供しているが、基本的に仕事内容は変わらない。
自分的にはこの仕事をとても楽しんでやっているし、性に合ってると思う。
ただひとつ悩んできたことは、「成果をストックすること」の難しさだ。1回1回が代えの効かない本番で、常に生身で勝負しなければならない。同時に、ストックが難しい仕事で宣伝・集客に必要な「無料ゾーン」をどこに設定するのがよいかということにも頭を抱えてきた。
相談支援サービスと初回無料の相性の悪さ
自営業になるために、自分で値決めをする必要が生じ、値決めの本をいろいろ読んだ。
ざっくりわかったこととして、人件費にコストがかかる系の職種が無料や割引で集客する戦略を立ててしまうと、基本的には苦しい戦いを強いられる。
無料をやってうまく集客できたからといって、申し込んでくれた人にまとめて売ったりはできないので、小売業のように1時間あたまの生産性が大きく伸びることが無い。
むしろ、ただ大変になるだけで収益は変わらないということが起こりかねない。
また、小規模経営や自営業は大手のようにゆとりがあるわけではないので、人権費分がそのままマイナスになる。誰がかぶるかというと、当然、自分である。
たとえば、例に出して恐縮だがABCクッキングスタジオなどが体験教室を毎日実施できるのは、複数店舗間でスタッフの配置を調整できる、4人グループに1人体験の人が混じったとして全体にかかるコストがあまり変わらない、体験利用から入会までの営業フローが確立しているなどの理由があるからではないだろうか(想像)。
特にマンツーマンの場合には、初回無料や体験指導とは相性が悪い。初回無料を設けた場合、その30分や1時間の収益はゼロ円で、自分自身の人件費や設備費・通信費、さらには体験に来てくれるまでの事前のやり取りにもコストがかかっている。かかった経費を回収する計画無しに、初回無料に手を出してはいけない。
職能的な相性の悪さ
初回無料には、職能的な相性の悪さもある。
相談業の場合、“初回で概ね決してしまう情報提供”が存在するからだ。
いただいたサポートは、ことばの相談室ことりの教材・教具の購入に充てさせていただきます。