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汚部屋を掃除する動画が好きな話

 私は何故か、人の部屋やカバンの中身を見るのが異常に好きだ。
 ずっと捨てられなくてわざわざKindleで買い直した雑誌には、だいたいインテリア特集か街場のオシャレピープルのカバンの中身を調査する特集が載っていた。

 部屋や持ち歩くものにはその人の価値観やこだわりが強く出ていて、他人のそういう「我」を私は面白がっているんだと思う。

 しかし、そう言ったオシャレな特集以上に惹かれるものがある。汚部屋や汚屋敷の特集や片付けをするロケのある番組だ。


 汚部屋は面白い。汚部屋を見ると、その人の食生活や生活の様子、金銭感覚や仕事や趣味がはっきりと見える。
 掃除にしたって、汚かった場所が綺麗になるのを見るのは一種の快感だ。あるべき姿に戻るというか、混沌とした謝肉祭が終わり秩序が回復されていくというか(??)、表現しがたいカタルシスがある。

 私としてはそういうロケや特集は毎日でも放送していて欲しいくらいだ。そうすれば、きっと手放したテレビを買い戻してテレビっ子になることだろう。

 しかしながらそういった番組は、以前は夕方のワイドショーやバラエティでのみで、ごくごくたまにしか扱われなかった。

 そのため、飢えた私は春香クリスティーンさんや中村うさぎさんなんかのタレントさんの汚部屋映像や片付けプロジェクトの回をスルメイカを噛むように何度も何度も見た。
 特に春香クリスティーンさんは(仕込みかもしれないが)色々な番組で片付けても何度も汚部屋に戻ってしまっていたのでよく見た気がする。ファンから顰蹙をかっていたが、むしろ私にとっては嬉しかった。
 まあファンがガッカリしたのはもらった花束をゴミの中で枯らしてた姿かもしれないが……


 ところが、最近は、私のこの飢餓感は容易に満たすことができるようになっている。

 やましたひでこさんの『断捨離』が大流行した時から、片付けの達人がたくさん登場し、特集が増えた。また、数年前からはこんまりさんのNetflixのショーのおかげで、海外の人(特にアメリカ人)が「declutter with me」というタイトルで片づけの動画をYouTubeに投稿するようになった。
 極めつけに、ミニマリストという概念が流行り、Maximalist(Hoarder)からMinimalistへとものすごい極端な片づけの動画が出回っている。

良い時代になったものだなあ。


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