戯曲『春の闇』(戯曲デジタルアーカイブで全文公開中)
※2024.01.05/戯曲デジタルアーカイブにおける戯曲公開に伴い修正
2020年に第7回せんだい短編戯曲賞 大賞を受賞しました北島淳の作品『春の闇』について、主に上演を検討される方に向けて概要情報をお知らせします。てっとり早く戯曲を読みたい方はコチラへ。
とき
現代、またはそれに準ずる時間
ところ
闇が覆う、少なくとも非常に光の少ない町
ひと
・女1
・女2
・男1
・男2
あらすじ
その町では「明かり」はとても貴重なものらしい。なぜなら、それがあるところは限られていて、しかもひとところに留まることがない。
もはや町の人々のほとんどはそれへの頓着を失っているが、ひと握りの者たちは今日も明かりを求めて闇の町をさまよっている。
事情を知らない異邦人は、ある明かりの下に開かれた酒場へとたどり着く。しかし、やがて闇が再び酒場を覆うころ、その異邦人はもう、何者でもなくなっていた。
ノート
完全無欠の1幕物。
一度出た人物は出ずっぱりで、戯曲上は照明・音響の存在はほぼ想定されておらず、俳優にとっては負荷がかかる作品と言えるかもしれません。
具体的にデカルトまで持ち出すような哲学的な割に意味のない会話、終盤の発話する台詞の音の高さや発声の間隔まで指定する急に出てくる音楽性、“言ってる意味は分かるけれども、それを言ってる意味が分からない”膨大な量の屁理屈を重ねる、「ナントカ世代らしさ」が詰まった作品です。
物語の世界にはひとつのルールが設定されていますが、ルールそのものは破戒的でもあります。見た目はちょっと一筋縄ではいかない感じですが、惑わされずに一度、二度と声に出して読んでみれば、何らかの方向性は見出しやすいのではないかと思います。
上演時間はおおよそ60分程度を想定。登場人物は男性2名、女性2名だけで場面も変わらないため、スタッフワークに手間をかけずにシンプルに上演することも可能です。
戯曲のチョイみせ(p6まで)
(一社)日本劇作家協会が企画・制作・運営を行う『戯曲デジタルアーカイブ』において、本作全文が公開されています。詳しくは以下のリンクをご覧ください。
全文・上演許可申請について
上演を検討される方には全文を提供します。また、上演に当たっては著作権者の許可を得る必要がありますので、必ず手続きをお願いいたします。
詳細はナントカ世代の「戯曲の使用・上演許可について」ページからご確認ください。
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