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『のけもの』にはスズキスズオがいない!?

ナントカ世代では、ほとんどの作品で「スズキスズオ」を名乗る男が登場します。しかして、11月2日(土)-3日(日)の『のけもの』にはこのスズキスズオがいません。オールドナントカ世代好きの方には、これは知らせておかねばならないと、記事にいたします。

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スズキスズオとは

名前は共通していますが、一方で同じキャラクターであることはなく、特徴は
・本人がスズキスズオであると名乗り、主張すること、
・他者からスズキスズオであることを認証されないこと、
の2点で、これまでその殆どが浦島史生により演じられて来ました。

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これまでのスズキスズオを振り返る

初めてスズキスズオが登場したのは②『ミナモ世代』。西部講堂で上演した3人芝居でした。会場の自由度を最大限活かした仕掛けだらけの舞台で、仕掛けのために高いところに昇っているスタッフが常時4〜5名で俳優より多いと言う、若さに任せた企画でもありました。

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その後、初めてアトリエ劇研で上演した③『珈琲世代』から、そのタイトルのとおり『連作・スズキスズオのスべて』に至るまで、計11作品においてスズキスズオを名乗る男が現れます。

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なぜ『のけもの』にスズキスズオがいないのか?

いないから、としか言いようがありません。今作には浦島史生は出演いたしませんが、出ていたとしても、スズキスズオは作品に現れなかったでしょう。

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これまで、浦島史生が出た作品であってもスズキスズオがいなかったことはあり、それと同じことです。

では、スズキスズオとは何者か?

名前と一定のルールがあるだけで別のキャラクターであると説明している以上、この問いかけが自縄自縛気味なのですが、ある一定の役割はあります。

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まず、そもそもナントカ世代ではあまり自分の名前を名乗るキャラクターそのものがあまりいません。そんな中、唯一ことさらに自分の名前を主張するのがスズキスズオですが、当然、名乗らない者だらけの中でひとり名乗りをあげることに意味がありませんし、そもそも、そのように(スズキスズオであると)承認されることもありません

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舞台上に登場人物としていながらに承認されない時点で、その存在そのものが危うい感じを帯びてきます。この、中にいるのに中にいない、という立ち位置が、ナントカ世代の作品においては重要な役割を果たすことがあります。

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というわけで。

スズキスズオがいなければナントカ世代じゃない、という方には申し訳ありませんが、今回の「のけもの」ではスズキスズオは出ません。あしからず、このスズキスズオ写真集みたいな記事で溜飲を下げていただければ幸いです。

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