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【ご報告】『その十字路の先を右に曲がった。』(2013年上演)が第3回人間座「田畑実戯曲賞」を受賞しました。

ご報告です。
ナントカ世代が2013年に上演した北島淳の戯曲その十字路の先を右に曲がった。が、京都の劇団・人間座様が2017年度から実施されている第3回戯曲賞「田畑実戯曲賞」を受賞しました。同時に西マサト様の戯曲『まるだし純情フォークロア』も受賞されています。(2020.6.1現在はtwitterでの発表のみです。人間座公式HPでの正式な発表をお待ちください。)
日頃からナントカ世代をご愛顧いただいている皆様、公演に携わっていただいた関係者の方へご報告するとともに、あらためて御礼を申し上げます。

作品について

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ナントカ世代が2013年にアトリエ劇研で上演した作品です。1幕物や2幕物が多いナントカ世代にしては珍しい、というか、恐らく過去の作品の中でも最多の何と10幕。珍しい×2と主張していた昨秋の『のけもの』でも5幕でしたので、ナントカ世代的には浮気っぽい作品です。
公演自体も浮気っぽかったのか、参加者の一部はオーディションのうえで募るなどの取組も行いました。さしたる主張はありませんが、当時の社会状況を踏まえたうえで“政治劇”とも名乗っていました。ただし、個人的には上演当時よりも2020年現在の雰囲気の方がしっくりくるような気もしていますが。
設定もだいぶ具体的で、街で行われている夏祭りのにぎやかさと対照的な、静かな農場を主な舞台とした3日間の物語子どもから初老まで、幅広く様々な人物が登場します。保険の調査員、農場主の夫婦(一部不在)、大学院生、子ども、使用人などなど・・。

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原作はチェーザレ・パヴェーゼの「月とかがり火」。例によってあらすじなどで原作の跡形はさしてありませんが、イタリアを舞台とした美しい風景を想起させる原作の文章から戯曲のイメージを立ち上げました。
また、劇場につるされた種々のカラー電球や傘に梯子。舞台下にひっそりと散らばした玩具に、あまりにいかついヘッドギア型の発電機(?)。劇場のブラックボックスを基調としながら人物や小道具が差し色となったキレイな舞台だったように思います。

応募・受賞について

本当にこの作品が受賞して良いのか?と言うのが偽らざる感想です。
というのも、応募作品に特段の縛りはないようでしたので、第2回戯曲賞の募集に2014年に上演した『たちぎれ線香売りの少女を応募したところ、どうやら最終選考まで残していただいた模様だったことから、それならと調子にのってさらに1つ前の作品を特段のリライトもせずに提出したものだったからです。

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人間座様は、保有するスタジオを利用しやすい料金で開放されるなど、特に若手の演劇カンパニーを積極的に応援されています。これまでナントカ世代として人間座スタジオを利用したことはありませんが、戯曲賞に応募することで盛り上げることに寄与できるかなぁ、くらいの気軽な気持ちで応募しました。そのため、人間座の菱井様から受賞の連絡をいただいた際は、正直、応募したこと自体をすっかり忘れていて大変失礼をいたしました。(別でやり取りをしていた案件があったのでてっきりその件かと)
とは言え、受賞の連絡をいただいたことは望外の喜びです。
果たして何作の応募があったのかなどの詳細は現時点では存じ上げませんが、複数の作品の中から審査員の方に最後の2作まで残していただいたこと自体が大変励みになります。

ところで

これを書いている時点では、人間座様から受賞の連絡を電話でいただいたことと、twitterで発表されたことのみを承知している状況です。受賞が2作となったことや、現下の状況も含めて、作品の上演があるのか等は分かりませんので、そのあたりは主催者側の発表をお待ちください
あらためて『その十字路の先を右に曲がった。』をナントカ世代で再度上演するとかは今のところ考えていませんが、需要があるようなら、例えば受賞作品のリーディングとかで何かしら今回の受賞を還元するような機会を考えてみたいとは思います。が、まぁ現下の新しい生活様式の中で何ができるのかは手探り中です。
なお、作品を読みたいとかがあれば提供しますのでお申し付けを。(ナントカ世代の問合せフォーム

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