日本語のハ行の発音の変化と漢字の発音の変化。知識編。(韓国語の漢字の発音との比較)
日本で漢字を実際使い出したのは6世紀に仏教伝来と同じ頃。
そのころはp音で入ってきた漢字もあったし、当時日本ではハ行はパ行p音だった。
①雑/zap(u)/、 立/rip(u)/
奈良時代前後、「唇音退化」が起こる。つまりパ行p音はハ行(当時ファ行発音) f音になった。
②雑/zafu/ザフ、立/rifu/リフ。
平安時代になり、「ハ行転呼」が起こる。つまり語頭でないf音はw音(ワ、ウィ、ウ、ウェ、ウォ)になった。
例えば川カハ→カワ、恋コヒ→コウィ、思ふ→オモウ
③雑/zau/ザウ、立/riu/リウ
それとは別に漢字音は無声音(清音)の前は促音化(っ)した。
④雑/zat/ザッ(雑貨、雑誌)、立/rit/リッ(立体、立地)
ちょっとはしょって室町時代に「開音化」など長音化が起きる。つまりアウだったものがオーという長音になった。
③→⑤雑/zō/ゾー(雑巾、雑木)、立/ryū/リュー(立米、建立)
漢字の促音化したッがツと発音するようになることも出てくる。
④→⑥雑/zatu/ ザツ(雑学、雑談)、立/ritu/りつ(立案、国立)
結局〜p (入声pフ)で伝来した漢字音は今3種類になってるわけですね。④と⑤は正当な音として呉音や漢音としていますが、⑥はまるで伝来時〜t(入声tツ)のようなので、正当な音ではないとして慣用音とされています。
雑には3種類 ゾウ(雑巾、雑木)、ザッ(雑貨、雑誌)、ザツ(雑談、雑学)
立には3種類 リュウ(立米、建立)、リッ(立地、立体)、リツ(立案、国立)
ありがとうございます
次からはオマケで、3種類が漢字によって違うのと、韓国語の漢字音と比較したいと思います。
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