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CDの仕事 -ピッチのコツ3-

東京の代理店勤めのCDが日々の仕事を書き記す「CDの仕事」。気づいたこと、失敗などをコンテンツとして紹介していきます。

ブリーフ通りにはならない現実

今回は「ピッチがおこなわれた後」のことをお話しします。
実はピッチで勝利しても提案したものがそのまま実現するケースはすくなかったりします。もちろん大手の代理店さんだと「それを許さない」ということが言えたりしますが、現実なかなか思い通りにならないケースが多いです。理由はクライアント側にも代理店側にもあります。

1.そもそもクライアントが「ピッチ用に用意したブリーフ」だった。
2.代理店が勝ちたいあまり、フィジビリティがない提案をしている。
3.提案後に良い意味でクライアントがブリーフを書き換えることになった。

いずれも血を吐くような思いでピッチにむかったメンバーにはたまったモンではないのですが、本当にこのケースが多いのです。

勝ち負けの間にある余白

最近、担当したピッチでは、海外で売れている製品が日本初上陸ということで「冬のテストローンチ」および「来年以降のマーケティングと本ローンチ含めた中長期的な戦略」を求められました。
この場合、競合他社と直接競う内容は「冬のテストローンチ」とブリーフには書いてあり、Nice to haveで他の要件の提案ではあったのですが、実際にはクライアントの状況からして、後者のほうが大切なことはいうまでもありません。あくまでお客側に立ったときに、文面に囚われずに、どんな価値をクライアントに提供できるのか?その点を最近は個人的にも意識しています。実際にプレゼンのときには、案の定、自主提案で足したSNSや来年以降のプランへの質問が多かったです。十分すぎるほどに手応えがありつつも、弊社が勝つかはわかりませんが、少なくとも自主プレの部分は本国に掛け合うといっていたので、仕事になりそうです。つまり勝ちか負けか?0か100か?という間の40という別のポイントも抑えることで「負け」をなくす方法もあることに気がつきました。もちろん負ける気はないのですが、、、

なぜピッチが行われるか?

なぜピッチが行われるか?その発想がピッチの本質にせまれる問いだとおもいます。今の代理店が気にいらない、いまのままではKPIを達成できない。もしくは予算にたいしてKPIの設定が高すぎる。実はクライアント側にもプレッシャーが多くのしかかっている場合が多いのです。場合によっては何億ものマーケティング費をつぎこむ権限と責任があるクライアント担当者は自分の将来がつきあう代理店によって決まるとも言えます。彼らも必死です。
伊達や酔狂でピッチはおこなっていないので、なによりも「クライアントとチームを組んで成功をめざす」という心構えが必要になります。

つまり、ピッチの本質は「新規代理店選び&既存代理店外し」であり、「クライアントの問題を埋める答え探し」であって、「クリエイティブ大会」だけではないのです。
戦略やコアになるアイデア、ビッグアイデアが決まれば、クリエイティブは枝葉のこと、もちろんとても重要ですが、まずは上位概念で成功の大半が決まることをクライアントは理解しているのです。


自分たちがクライアントになにができるか?それを彼らが価値を感じてくれえれば必然的に仕事を獲得しやすくなります。

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