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ひとりごと

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日記のようなものや思い出を綴っています
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#日記

日記のようなもの

日記のようなもの

薄曇りだったある日の夕方。
思っていたよりも早く仕事が終わったので、少し遠回りして帰ることにした。

3年ぶりに桜を見に行く。
そうは言っても、天気のいい昼間の満開の桜は贅沢で眩しすぎるだろうから
夕方の、できたら曇り空で、ずいぶん散ったあとの桜がいい。

どんなことでも「時間が解決してくれる」と至る所で良く耳にするけれど、
その効果を、いまいち実感できないまま
母が居ない三度目の春を迎えている。

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日記のようなもの

日記のようなもの

5週間ぶりのまともな休日。
久々すぎて何をしたらいいかわからないまま1日が終わった。

最近、noteは見る専でとても楽しかった。
仕事ばかりの殺風景な日常の中で、なんとなく、生活感とか色彩がある場所に思えてほっとする。

10日くらい前だったかな。
深夜に居残り組のSE10人程と作業をしている時、机上の電源はそのままなのに部屋の照明だけが突然消える出来事があった。
誰かが壁の電源スイッチに触った

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日記のようなもの

日記のようなもの

母が居なくなって二度目の春。
4月生まれの母は、その季節がとても良く似合う柔和で朗らかな人だった。

神経難病を患っていたため生まれつき不自由な身体で我慢することも、苦労することも多かった母は、最期は膵臓癌であっという間に他界した。
2020年4月下旬に末期の膵臓癌だと診断を受けて、たった4ヶ月程の時間しか残されていなくて、何もしてやれない私など、本当に役立たずだった。

「また来年見ようね」
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日記のようなもの

日記のようなもの

コロナ第6波の影響で医療機関への訪問作業を自粛し、打合せはオンラインに切替えたため、ここの数日は溜め込んでいた自社の事務作業をしている。

ぼんやりと考え事をしながら領収書の整理をする。

先月分の書類などを片付けていると、やたらと多忙だった先月のことが頭に浮かぶ。

忙しすぎていろんなことがあったな。。。

パソコンの前に座って開発画面しか見ていない日々で、運動量なんてほぼゼロに等しかったのに体

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猫のワクチンと隠居したい私

猫のワクチンと隠居したい私

いつの間にか10月になっていて、今年も残すところ3ヶ月。
日中はまだまだ暑くて秋だと実感し難いが、暦の上では季節が巡っている。

先日、家猫のかかりつけの動物病院からワクチンの接種時期を知らせるハガキが届いたので早速連れて行ってきた。
我が家の猫は完全室内飼いで年に1回、3種混合ワクチンを接種している。
毎年10月上旬なのでそろそろそんな時期だ。
朝ご飯も日課のブラッシングも終わり、機嫌よさげに毛

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大切な人を想う◇追懐②

大切な人を想う◇追懐②

私は母ひとり子ひとりの母子家庭で育った。父親には一度も会ったことがないので顔も知らない。
そのことを不幸だと思ったことはなくて、居ないものをねだるような子供ではなかった(そんな頃から冷ややかな性格だったのかもしれない)。
母と私は親子であって親友でもあって、私が大人になるにつれて少し頼りない母は時々、妹のような存在でもあった。
子供の頃は母方の祖父母と4人暮らしで、祖父は父親代わりをしてくれていた

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猫の気遣いとワクチン

猫の気遣いとワクチン

先日、2回目のワクチン接種を終えたので様子を書き留めておきたい。
私は本調子になるまで接種から3日かかったけれど周りの知人に比べると軽かったのではないかと思う。
(1週間寝込んだ、高熱が続いた、吐き気と眩暈があったなど、つらそうな人が多かった)

何はさておきこの3日間、一番偉かったのは家猫だ。
私のすぐ近くに自分も静かに横になっていて、ご飯の時間を過ぎてもひと声も鳴かず(いつもは時間前から催促が

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猫の機嫌と読書

猫の機嫌と読書

「本とか読まない人だと思っていました」

仕事で出入りしている医療機関には20程の医療情報システムが導入されていて私はそれらの統括を任されている。
定期的にシステムメンテナンスを実施するのだが、つい先日それがあって導入メーカーからシステムエンジニアが来院して一緒に立ち合い作業をすることになっていた。
名前をT君としよう。
このT君は以前にも別の医療機関で長期間作業を共にした経緯もあって、手が空くと

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猫物語

猫物語

3年前から我が家には一匹の猫が暮らしている。
名前(ルル)を呼ぶと返事をするので自分の事だと言う認識はあるらしい。

ルルは完全室内飼いなので一度も外に出たことがなく、また本人も一切出ようとしない。
外は窓辺から眺めるものだと思ってる節がある。

我が家の近所は放し飼いで猫を飼っているご家庭が多い。
うちの庭先でくつろいでいたり昼寝をしていたり思い思いに遊んでいる姿を見かけると、よその猫でもやはり

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母の誕生日

母の誕生日

今朝方、夢を見た。
これまで見ることがなかったのに、昨年亡くなった母が夢に出てきた。
母は楽しそうに留め袖の話をしていて、私はその話に相槌を打ちながら聞いていると言う夢。
目が覚めてからも母の楽し気な声の余韻が残っていた。

今日は母の誕生日なのだ。
ケーキが食べたくて夢にでてきたのだろうか。ちょっと母らしい。
だからと言う訳ではないけれど、例年通り母にケーキを買って帰った。

昨年の誕生日に古希

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ある日の戯言

ある日の戯言

新年度が始まった。
仕事が立て込んでいて、ここ三週間ほどは激務が続いた。
「忙しい」と口にするのはあまり好きではないけれど、日にちと時間の感覚が怪しくなって、かろうじて曜日だけ認識しながら仕事以外では人として最低限の役割をギリギリ果たす日々だったので、来年の同じ時期の戒めとして書いておきたい。

とんでもなく忙しかった。

4月1日は、仕事で出入りしている医療機関でも新卒の看護師さんや理学療法士さ

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何時かそんな日に

何時かそんな日に

私が暮らしている地域では今月に入ってすぐ自粛が緩和され、それに伴い在宅ワークが解けた。
簡単にオンライン会議ができるため、自粛期間中は何となく気軽な会議が増えたような気がしないでもなかったが、通常営業に戻り進捗が滞っていた案件が一気に動き出した兼ね合いでなかなか忙しい。
起業しているので土日祝祭日の概念はあまりなく、定時の存在もなくなって久しい。いつでも休めるけれど、いつも仕事している、そんな感じ

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3月11日

3月11日

震災から10年。
口にするのは容易いが、それぞれに歩んでこられた10年を思うと言い現わし難い重みがある。
私が住まう土地からずっと離れた場所で起きたあの日の震災。
テレビから流れてくる映像に現実味がなく、何を見せられているのかと言葉が出なかった。
直後から日本中にいろんな影響があった。
当時勤めていた病院からもDMATが派遣された。
私の仕事で言えば、医療情報システム関連の機器の納期が一気に遅れて

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おしゃべりなおでん

おしゃべりなおでん

もう何十年も記憶から引き出されることのなかった、子供の頃のことを不意に思い出す。
街にひとつしかなかったデパート(今だとショッピングセンターとか呼ぶけれど)の階段登り口にあったおでんコーナー。
どうしておでんだったのかは知らない。
フロアから5段ほど下に降りるとそれがあって、ドーナツ状にカウンター席がある作りになっている。確か脇にテーブル席もあったと思う。
その真ん中には大きなおでん用の鍋が3つあ

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