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ジグソーパズル

こどもの頃、なんかよくわからないけど、
ジグソーパズルがかっこよく思えた。
「趣味は、ジグソーパズルです」
とか言ってみたかったのもある。

大きな額をセットで買ってもらい、
完成したパズルを得意げに飾った。


ひとつひとつのピースを手に取ると、
何が描いてあるのかなんて、皆目見当もつかない。中には背景部分なのかどこかの絵の一部なのか真っ白なピースもあった。

え。白っ。上下もわからん。

似たような形のピースなんて山のようにあるのに、
ひとつひとつのピースには必ず場所が決まっていた。

絵の感じからして、ここっぽいのにハマらない。
なんてことは日常茶飯事だ。


最近、新しい出会いがあったりして、
ふとジグソーパズルに夢中になっていた日々が頭をよぎった。

同じ色でも違う場所。
凹と凸。

みんなそれぞれのぴったりハマる場所がありそうな気がしてくる。

同じ色なのに、違和感を感じるなら
きっと場所が違うんだ。

おしゃべりするのが好きな人もいれば、
おしゃべりを聞くのが好きな人もいる。
料理が得意な人もいれば、
食べるのが得意な人もいる。

同じ場所にいても、違う形。
だからこそ隣にいられることもある。


ぱちっ

ぴったりの場所にハマる快感は大きな絵を描いていく。

自分は白だ。何にもない。 とか
自分は黒だ。真っ暗だ。 とか
ごちゃごちゃしていてよくわからない。 とか

自分ひとりだけを見ていると不安になってしまうけど、ぴちりとハマったときに、
自分がそういう形だった理由がわかるような気がする。

まあ、本当は理由なんてないんだろうけども。


ジグソーパズルって、ひとつでもピースが欠けてると完成しないものだものね。





なんてね。

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